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SNSからWebサイトへ「送客」に成功している事例

先週、Googleのインデックスシステム(Caffein)に障害が発生し、検索結果が大変動したのは皆さんの記憶にも新しいかと思います。

今尚、検索エンジン経由の流入は重要ですが、1つの集客源に依存し続けるのもリスクと言える為、新たな集客源の開拓が望ましいと言えるでしょう。

そこで今回は、ソーシャルメディアサービス(SNS)からWebサイトへの送客に成功している3つの事例を紹介します。

尚、このNoteの内容はYouTube「SNSからWebページへの集客に成功している事例3選」でも解説しておりますので、ぜひ合わせて御覧ください。

事例1:ピンタレストから送客しているブログ

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このブログは2020年2月に開設されて間もないWebサイトです。

「副業」や「年収アップ」「アフリエイト」など20~30代のビジネスパーソンを対象としたテーマを取り扱っています。

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SimilarWebで調査した所、約54%がSNS経由であることがわかりました。「ブログといえばSEO」というイメージが強いかと思いますが、こちらのブログでは流入の大半をSNSから獲得している珍しい事例です。

尚、検索エンジン経由(SEO)の流入は9.7%と1割未満に留まっています。まだWebサイトを開設して間もないのと、取り扱っているテーマが幅広く、競合サイトと比較しても記事投下数などが成長段階にあることから、Googleからの評価獲得に時間を要しているのだと思われます。

では、このビジネス系ブログはどのSNSから集客しているのでしょうか?

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ほとんどのアクセスをPinterest経由で流入を獲得していました。

Pinterestとは写真で交流するSNSサイトで、5月5日のGoogleコアアルゴリズム・アップデートで大幅に検索順位を上げたサイトでもあります。

では、どのようにしてPinterestから自分のブログへ送客しているのでしょうか。鍵は「Pinterest検索」のようです。

Pinterestでのコンテンツ「Pin」を投稿し、リンク先に自分のブログURLを指定します。あとはこのPinをピンタレスト検索で検索回数が多いキーワードで上位表示させ、閲覧数を増やします。

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Pin自体の閲覧数を増やす事で、ブログへのリンクをクリックする数も増え、Pinterest経由でのトラフィック数も増える、と言った形です。

まとめると、ユーザーの流れ(動線)は下記の4ステップになります:
①Pinterest内で検索
 ↓
②写真(Pin)を見る
 ↓
③Pin詳細ページのタイトルをクリックする
 ↓
④リンク先のブログにランディングする

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以上のように、コンテンツであるPinを投稿し、Pinterestの検索経由でピンタレストユーザーを自分のブログへ送客している成功事例でした。

事例2:ハンドメイドECサイト「Etsy」

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Etsyとは、ハンドメイドに特化したCtoCのマーケットプレイスで、手作りの家具やインテリア雑貨、かばん等のアイテムを販売取引ができるWebサービスです。

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巣ごもり需要の為か、直近の決算では売上、利益ともに増収増益の好決算で、株価も急激に伸びている注目企業のひとつです。

ECサイトとなると、新規顧客の獲得においてはGoogle検索からの集客が王道ですが、Etsyの場合はどうなのでしょうか?

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すでに欧米圏で一定の認知度を獲得しているためか、ダイレクト流入が最も多くSimilarWebの値では44%も占めます。

検索経由の次に来るのがソーシャル経由の集客です。割合としては1割程度と小さいですが、有料検索(Paid Search)と同じくらいの構成比である事から、そのトラフィックは一定の収益貢献をするくらいの量であると想定されます。

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SNS経由のアクセスのうち、実に半数近くがPinterestからの送客トラフィックである事がわかりました。

Etsyはハンドメイドを販売しているECサイトであると考えると、ビジュアルな写真を共有し交流するピンタレストとは対象顧客層も親しく、相性が良いSNSと言えます。

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Etsyはピンタレスト内に公式アカウントを開設しており、フォロワー数は153万人、月間閲覧者数は1000万人以上にも達します。

月間閲覧者数とは、そのアカウントが保存したPinを見た直近30日間のユーザー数の合計値です。

ピンタレストでは、フォロワー数以上にこの月間閲覧者数が、そのアカウントの伝播力の強さを示す値となります。

Etsyは、1000万人ものユーザーにPinコンテンツを閲覧されており、多くの閲覧ユーザーがPinからEtsy.comへリンクを辿っている事になります。

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Etsy公式アカウントでは、多数の商品画像をPinしており、それらPinのタイトルリンクをクリックすると、Etsy.comの商品詳細ページへ飛びます。

SimilarWebでの調査によると、PinterestからEtsy.comへの送客トラフィックは約6~7百万も発生しているとの事。実際はこの数倍近いトラフィックがPinterestから生まれているのではないかと想定されます。

事例3:就活ノウハウブログ

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これから就職活動をしようと考えている大学生を対象としたブログです。

今年の1月に開設されたばかりの比較的新しいブログで、記事数は70記事ほど投下されています。

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アクセス数の46%がソーシャル経由と、ブログにしては珍しい集客比率です。

一定の文字量で書かれているブログの場合、検索エンジンからの評価も早期に獲得しやすい為、ブログの主力集客源としては検索エンジンが王道ですが、こちらのブログではSNS経由が全体の5割近くを占めるまでになっています。

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SNSの集客のうち、約90%近くをTwitter経由から獲得していました。

ここで、ふと疑問に思います。
TwitterはURL付きツイートを冷遇しているはずでは?」と。

過去、複数のTwitterアカウントで検証しましたが、URLを含むツイートの場合、インプレッションが付きづらい傾向にあります。

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URLを含むツイートもある程度のインプレッションは付くものの、URLを含まないツイートよりもインプレッションが表示され続ける時間は短い傾向にあります。

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これもそのはず、URLを含むツイートは、Twitter内にいる大切なユーザーをTwitter外に追いやってしまうからです。

Twitter社としては、ユーザーに出来る限り長い時間Twitter内に留まり、ツイートを投稿したり多数の広告を見てほしい訳です。

しかし、外部へ送客してしまうURL付きツイートを多数表示した場合、ユーザーの流出を招きかねません。こう考えると、URL付きツイートが冷遇されるのも一理ありますね。

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送客に不利な状況にも関わらず、こちらのブログの公式Twitterアカウントのツイートエンゲージメント値を見ると、URLが含まれてる場合でも一定数以上のエンゲージメントを獲得しているようです。

インプレッションが下がれば、ツイートコンテンツ自体が見られなくなり、結果的にエンゲージメントは獲得できません。

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しかし、当該Tiwtterアカウントでは、URL付きツイートを投稿する時間帯をしっかり定めている為か、インプレッションが下がり始める前に既存フォロワーによる拡散(RTやいいね)が発生。結果的にインプレッションの減少が緩やかになり、更に拡散が発生している状態を作れているのではないかと考えられます。

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結果的に、たとえURL付きツイートだった場合でも拡散されるため、インプレッションが持続し、URL先に興味を持ったユーザーがリンク先にアクセスしていると考えられます。

自然の拡散がなければ、URL付きの為インプレッション発生(付与)時間は短く、送客への貢献は限定的であったと考えられます。

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さらに、このアカウントの特徴として、URL付きツイートを投稿している前に、拡散が期待できる情報性高い純ツイートを事前に投稿している点です。

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既存フォロワーそして対象顧客層(ペルソナ)が興味関心を持つ情報性が高いコンテンツを予め作成しておきます。

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URL付きツイート(送客用ツイート)を投稿する前に、Twitter内での集客役割を果たす拡散向け純ツイートを投稿します。

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するとフォロワーからの拡散が発生し、その拡散が非フォロワーにこのツイートを表示します。

さらに非フォロワーによる拡散が発生し、それが更に拡散を呼び、とTwitter内での集客の役割を果たします。(※画像のエンゲージメント値はイメージです)

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事前に投稿した純ツイートのエンゲージメントが一定数以上獲得した段階で、URL付きの送客ツイートを投稿します。

既存フォロワーにはURL付きツイートが閲覧され、拡散されます。

更に、事前に投稿しておいた純ツイートによって非フォロワーによるプロフィールページへのアクセスが発生します。プロフィールの上部には先程投稿されたURL付きツイートが表示されているため、非フォロワーの閲覧も増加。事前に投稿した純ツイートと送客ツイートの内容と便益(情報性)が一致するため、プロフィールページへアクセスした非フォロワーによる拡散も期待できるでしょう。

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以上のステップを通して、Twitterのアルゴリズムに影響を受けないURL付きツイートの閲覧経路を獲得していると想定されます。

事前に投稿した「Twitter内での集客役割を担う純ツイート」は継続的に拡散され、新規層(非フォロワー)によるプロフィールアクセスを1~数日間は生むでしょう。

これら非フォロワーによるプロフィールアクセスからURLへの送客、そしてフォロワーによるURL付きツイートの拡散によるインプレッションの持続などが重なり、Twitterからの外部へのページにユーザーはアクセスしているものと考えられます。

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Twitterのアルゴリズムがある中で、アルゴリズムとTwitterユーザーやペルソナの特性を知り尽くした上で、コンテンツの作りや配信の順番、流れを上手く組み合わせる事で、結果Twitter外部への送客に成功している事例と考えられます。


以上がSNSから外部のWebサイトへの送客に成功している事例3つでした。

このNoteで紹介した内容はYouTubeでも解説しておりますので、ぜひこちらも合わせて御覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

Data: Insights by SimilarWeb

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