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看護計画テーマ「不明熱患児の標準看護計画」

今回も小児に焦点を当てていきます。
小児が熱を出すことは非常に多いですが、原因が不明な場合もあります。
原因がわからないため看護計画を立てることが難しいですが、様々な仮説を立てしっかりとまとめていきましょう。


不明熱患児の標準看護計画
 
不明熱とは
 不明熱とは、いろいろ検査し治療を行なっても原因が不明で2週間以上あるいは入院後1週間以上高熱が続くことをいう。小児の体温は成人よりやや高く、日内変動も1.0℃程度と成人の0.5℃より大きい。したがって、小児では通常37.5℃以上を発熱と考える。
原因の3分の1は感染症であり、感染症の熱は38℃以上でも1週間以上続くことはまれである。その他の原因としては、非定型例、抗生物質の不適合などが占める。つまり、悪性リンパ腫や神経芽細胞腫などの悪性腫瘍、SLEやJRAなどの膠原病、薬剤の副反応などである。年長児では心身症も原因の一つとなる。
 
アセスメントの視点
 小児は新陳代謝が盛んで運動も活発であるので、体温は成人よりも高い。また成人と比べて体温は不安定で、外界の影響を容易にうけ、変動しやすい。特に新生児には著明である。そのため、発熱による体力の消耗を最小にし、原因の究明に努める必要がある。
 
症状
 発熱に伴い、以下のような随伴症状が見られる。

1.代謝の亢進
熱感、発汗、顔面紅潮、倦怠感、悪寒、戦慄など

2.循環器系の変化
心拍数・脈拍数の増加、心悸亢進、血圧低下など

3.呼吸器系の変化
呼吸数の増加、咳嗽、チアノーゼなど

4.消化器系の変化
消化機能の低下、食欲不振、悪心、嘔吐、便秘、下痢など

5.水分出納の変化
脱水、口渇、皮膚・粘膜の乾燥、尿量の減少など

6.中枢神経機能障害
頭痛、眩暈、痙攣、意識レベルの低下、など

7.その他
白血球数の増加、疼痛、発疹など
 
検査
 血液一般検査、血液生化学検査、培養検査、胸腹部X線、必要時CT、MRI、核医学検査、骨髄検査など
 
治療
 原因・誘因は極めて多様であり、多くの疾患において主要症状の一つとなる。原因疾患に対する治療と同時に、解熱剤や抗生物質などの薬物療法、輸液などが主に行われる。
 
経過と管理

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