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中国浦東国際空港で24時間トランジットビザ免除で入国した記録

先日ヨーロッパ方面に向かう際に中国東方航空を利用しました。ヨーロッパ方向便の安い便について調べていると、上海経由のアムステルダム行きの安価な便が見つかりました。上海経由ということでワンチャン入国できるのではと思いいろいろ調べてみたところ、トランジット時に一時的に入国することができる制度の存在を知りました。現時点で日本人が中国の観光ビザを取得するのは面倒な手続きを踏まなければならないのですが、この制度を使うと比較的簡単に入国できるようです。そこで、乗り換えの時間が可能な限り長くなる便を押さえ、入国にチャレンジしてみることにしました。

しかし、このビザによる入国方法についてはほかの方が書いた記事やSNSの投稿、体験記動画を見ても情報が錯綜(入れないと言われた、以前はできたけど今はできない等)している状況でした。準備しながらも書類が足りるのか、そもそも入国の条件を満たしているのかなど最後までかなり不安だったので、私が実際に体験した記録を残しておきます。同じような境遇で入国を試してみようと考えている方の参考になれば幸いです。

なお、今回私が使用した制度は24時間トランジットビザ免除です。上海浦東国際空港の場合は別途144時間の滞在ができる制度もありますが、今回はこちらには触れません。違いがどれぐらいあるかもわかってないです。

参考までに、以下の記事は144時間トランジットビザ免除を利用した方の記事です。144時間の方を利用予定の方はこちらを参考にするとよいかもしれません。(改めて見てましたが、手続きの流れだったり必要な書類にはあまり違いがなさそうに見えます。何が違うんだろう。。)

結論

滞在時間23時間10分(13:40上海着・翌12:50上海発)で入国できました。

準備するもの・こと

最終的には以下のものがあればよさそうです(私の経験では最終的に滞在先の情報の紙は不要でしたが、必要という記述もあるので念のため準備するぐらいの気持ちで良いと思います)。

  • 英語・もしくは中国語で書かれた出国の航空券のチケット番号が書かれている書類(印刷したもの)

  • 滞在先のホテルの予約情報が書かれている書類(印刷したもの)

  • 健康状態の申告

  • ボールペン

あくまでもトランジット用の制度のため、出国時の航空券は入国時の出発地と別の行先である必要があります。私は成田発の上海行で入国し、上海発のオランダ行きで出国する形でした。

健康状態の申告は出発の24時間以内に送信されている必要があります。申告は、以下のいずれかの手段で送信することができます。

  • 微信のミニアプリ

  • 専用のアプリ

  • Webサイト

私は普段から微信を使っているので微信のミニアプリから申告を行いました。こちらは出発前日の夜とかにもやっておきましょう。これは特に印刷とかは必要ないですが、申告後にQRコードが発行されるのでそれをスクリーンショットで保存しておいてください。入国の時にちょくちょく使います。

最後に、ボールペンはぜひ持って行ってください。後述の着陸後の流れで入国用の書類を書くのですが、そのスペースにとにかくボールペンが少ないです。ボールペンを待つ列ができるような状況でした。自分で持っていれば自由に書くことができるので、スムーズに進めたい場合は持って行った方がよいです。私は愚かにも持って行かなかったので争奪戦を繰り返しやっと書くことができました。

出発前

出発前のチェックインカウンターでスタッフに24時間トランジットで入国したい旨を伝えると、必要な書類がそろっているかの確認をしてくれました。
私はフライトの予約情報が日本語でかかれたものをを印刷して持って行ったのですが、英語・もしくは中国語の書類が必要とのことでカウンターで旅程の書類を印刷してもらいました。
同時に、預け荷物を一旦上海で受け取る手続きもしました。

※ここで宿泊先情報の書類については特に話さなかった気がします。上海の入国の際にも滞在先の確認は求められなかったので、これは無くてもよいかもしれないです。

到着後

到着後の流れは順を追って説明します。写真撮影できない場所が多かったのであんまり写真がないです。

指紋の登録

着陸して検査場に入る前の通路に指紋を登録する端末があるので、そこで指紋を登録します。
中国入国が初回ではない(10年前ぐらいに一回行ったことがある)場合はスルー可能そうだったので無視しようかなとも思いましたが、係員が誘導するのとそんなに混んでないし面倒な作業でもなさそうだったのでやっておきました。パスポートをスキャンし、左手の指→右手の指→両手親指の順番で機械に登録します。終わったらレシート的な紙が出てくるので忘れずにとりましょう。これは後ほど入国時に回収されます。

ちなみに、私が最初に使おうとした端末はパスポートが読み込めませんでした。

手荷物の検査

X線のスキャナで持っている荷物をスキャンされます。
中国の地下鉄に乗るときのスキャンと同レベルで、PCとかを出す必要はないです。

手荷物検査の後はどんなのだったか詳しく覚えてないですが、パスポートをスキャンしたりで何らかのゲートをくぐった気がします。

コロナ?検査

ゲートをくぐると右側にある仮説のような部屋に向かうように誘導されました。何人か並んでいて、中を見るとコロナの検査っぽいのをやってました。
先ほど取得した指紋登録の紙のバーコードをスキャンし、舌の上をスワブを転がすように検体をとってもらいます。

ここでコロナ検査に通されなかった方も居ました。これが抜き打ちなのか、国籍で分けているのかはよくわからないですが、国内在住の場合は指紋登録した時の紙がないと思うのでこれは外国人に対して実施してる気がします。

入国申請書類の記入

検査が終わったらいよいよ入国審査です。その際に使う書類を書きます。
入国審査の空間に入ると、上の方の看板に「24/144小时过境专区」と書かれた看板があると思います。フロアの一番右に専用のゲートが1列だけ存在し、その近くに紙が積んであります。通常ビザの紙とは別の種類の紙が必要なので気を付けてください。通常ビザで入国する際に記述する紙は横長の紙ですが、今回使用するのは縦長で白地に青い線がついた白い紙です(伝われ)。上下に切り取れる構造になっており、上半分を入国の時に提出し、下半分は受け取ります。

(下半分には出国時の情報が書いてあるので出国の時に必要と思い大切にもっていたのですが、出国の際に審査官に見せてもいらないといわれました。)

前述のようにとにかくこの空間には備え付けのボールペンがが少ないので、可能な限り持参することをお勧めします。

入国審査に進む

紙が完成したら入国審査に進みます。この制度を使って入国する人は多くはなく、ガラガラのゲートに向かいます。

審査官にはパスポート、チケット番号がかかれた紙、先ほど書いた紙、指紋登録の時に入手したレシート状の紙を提出しました。口頭ではそんなに話さなかったですが、どこから来たかと、出国後にどこに向かうかを答えた気がします。滞在先については質問もされませんでしたし、紙も見せてないです(一応書類には手書きで滞在先を書く欄はあります)。

暫く待ったのちに改めて指紋を取得され(パスポートが回収された状態で)審査官とは別のスタッフのおじさんついていくように促されました。おじさんは別のゲートに到着するとコンピューターでなにやら登録作業のようなものをしています。不安になりなら待ってるとビザ免除のステッカーが発行されました。それをパスポートに貼ってもらったら、あとは受託手荷物を回収して入国です。お疲れ様でした。

得られたシール

その他滞在中のサービス利用

こうして晴れて入国することができました。その他の情報についても、私が体験した限りまとめてみます。滞在中の交通手段や決済等の情報について小ネタ程度にまとめておきます。

微信支付 (WeChat Pay)

最近中国の銀行が無くても日本のクレジットカードで微信支付が登録できるようになったようです。パスポート情報等を入力して申請をする必要があり、申請から実際に使えるようになるには数日程度ラグがあるので旅行の準備中にどこかで申請しておくとよさげです。

支付宝 (Alipay)

こっちもクレカが登録できて旅行者は使用できるらしいですが、今回使ってないので使えるかはわかりません。設定はしてたのですが微信支付の方だけ使ってました。

公共交通機関

Maglev (リニア)

乗らなかったので何もわかりません。
日本のクレカは弾かれるので現金で窓口で購入する必要があるらしいです。

地下鉄

券売機で発券できました。

私は今回バス用の小銭を作るために現金で払ってましたが、QRコード決済の設定ができていれば多分そっちでも買えます。インターネット上には発券に身分証のスキャンが必要で日本人は窓口で買う必要があるという報告もありましたが、私は身分証のスキャンが必要な券売機には出会ってないです。

バス

現金でのみ支払い可能です。車内では両替もできないので小銭を準備して乗ってください。

微信支付に交通系のQRを発行する機能が存在はするのですが、有効化するのに身分証番号が必要で、パスポートは弾かれたのでおそらく外国人は無理です。

タクシー

微信のミニアプリから滴滴で呼べました。決済も微信支付が設定されていればそのままできます。滴滴のおじさんはおそらく英語は話せないので、なんとか頑張ってください。

免責事項

今回の記事の内容は2023年9月19日現在のものです。政策は刻一刻と変化するため、最新の情報は必ずご自身でご確認ください。この記事を参考に準備した結果入国できなかった場合等、一切の責任は負いかねます。

謝辞

今回の渡航にあたり中国語の情報を集めてくれたてんちゃん氏、上海の街を案内してくれたluuvlabel の盧さんに深く感謝いたします。


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