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上海へVISA免除144時間トランジットで入国

2023年6月28日-30日開催のMWC上海2023の取材へ行ってきました。中国の入国は日本人は現在VISAが必要。とはいえ観光VISAを取るのも時間がかかります。そこで今回は「144時間トランジットのVISA免除入国」を試してみました。有用な情報と思いますので、今回は全文公開します。

さて香港から深センであれば鉄道かバスで国境に向かい、中国入国前に到着VISAを申請できます。そちらら過去に書いたネタを参照してください。

この到着VISAは上海でも取れるようです。ただし香港→深センとは状況がことなります。出発地の空港、成田や関空などで上海行の飛行機にチェックインする際に「VISAは持っていなけど、到着後、入国前に到着VISAを取得する」で飛行機に乗れるかどうかわからないわけです。

香港→深センを鉄道(MTR)かバスで入国する場合はそもそもチェックインなどないですから、だれの許可も無く鉄道かバスに乗って国境へ。香港の国境(出国)を超え、深センの国境(入国)の手前で到着VISAを取ります。もしもそこでVISAが取得できなかった場合、再び電車やバスで香港に戻れます。一方飛行機で上海入りする場合、到着VISAが取れないと「じゃあ出発地に戻る」ってすぐできません。なので成田など出発地でのチェックイン時に「到着VISAは今から到着しても取れないかもしれないから乗れません」なんて言われてしまう可能性があります。

そうなると飛行機でしか行けない上海や北京への渡航は日本で観光や商用VISAを時間かけて取るしかないのかと思われますが、中国はコロナ以前からトランジットでのVISA免除入国を許可しています。日本人はコロナ前はVISA 14日間滞在免除だったので使うことは無かったのですが、他の外国人はこの制度を使う人が結構いました。

ということでトランジットなら上海に入国できます。しかも日本人の場合は144時間、6日間滞在できるのです。なおこの時間は到着した時間からの計算になります。今回の上海は、この制度を利用しました。

正確には「上海エリア」からの入国で、その上海エリアに144時間滞在できます。こちらのサイトで確認しました。

https://www.china-briefing.com/news/china-resumes-144-hour-visa-free-transit-policy-for-foreigners-who-can-apply/

入出国可能な空港・港
・上海浦東空港
・上海虹橋空港
・上海鉄道駅
・上海港
・呉淞口港

滞在可能な地域
・上海市
・江蘇省
・浙江省

ってことで深センの到着VISAのように「到着した市だけ」に比べると広い範囲に観光なり商用で渡航できます。一方で北京に移動するとか、他の都市へは行けません。あくまでもトランジットなのでエリア外へは移動できない当ことのようです。

また第三国への出国の航空券が必要です。そして上記の6か所から出国する必要があります(鉄道駅からは香港行きの国際列車あり)。なので「上海から鉄道で北京へ、北京から成田へ飛行機」はダメです。

また上記WEBサイトでは「出入国は同じ場所を使う」とありますが、他のサイト(.govだったので中国政府関係だった記憶あり)では同じエリアなら場所は問わないと書いてありました。今回も上海浦東空港で入国、上海虹橋空港で出国しています。

そして第三国へのチケットは出発国以外ならOK。「成田ー上海ー福岡」は日本発日本着(同一国)なのでダメです。ただ戻るようなルートが行けるのかどうかはわかりません。このあたりは出発地のチェックイン時に確認されるので航空会社次第なのかもしれませんが。たとえば香港ー上海ーマカオ、でOKだったら、香港在住者は助かりますよね(マカオと香港はバスで2時間くらいだし)。

ということで実際にやってみた記録です。今回のフライトは以下の2つ。それぞれ別に購入。すなわち、「乗り継ぎ便」として一括で買う必要はありません。
・6月26日 春秋航空 香港ー上海浦東
・6月30日 アシアナ航空 上海虹橋ーソウル金浦

なおあらかじめそれぞれのeチケット控えと、上海のホテルの予約書を印刷しておきました。スマートフォンに保存しておいてもいいですが、入出国カウンターで確認されることを考えると印刷したほうがいいです。

6月26日の11:40に香港国際空港到着。春秋航空のカウンターへ向かいます。カウンターでパスポートを渡すと、スタッフは当然VISAのチェックをします。ここで「144時間のトランジットVISA免除を使う」と伝えます。この中国語を見せるのが簡単かも。

・外国人144小时过境免签

するとスタッフは別のマネージャーのような方をすぐに呼んできて、彼女が対応。「上海から先のチケットはありますか?」と言われたのでeチケット控えの印刷を手渡し。すると理解してくれて「このチケットを確認するので10分くらい待ってください」と言われました。

すなわちカウンターにはちゃんと144時間VISA免除を知っているスタッフがいるってことですね。ここで誰もそれを理解していないとアウトですが、まあ中国行きのフライトを飛ばしている航空会社なら誰かしらいるでしょう。

チケットの確認待ちの間にチェックインを進め、荷物をあずる準備まで完了。5分くらいでカウンターに電話がかかってきて「はいはい、OKですね」のような感じのやり取りが行われ「チケット確認取れました」と伝えてくれました。そしてここで「上海の入国管理に伝えるので、パスポートとeチケット控えの写真を撮ります」と言われて撮影されます。まあこのあたりはいうがままです。

そしてそのあとは普通に香港を出国して搭乗します。

15:50に上海浦東空港に着陸、飛行機を降りたのが16:05で、そこからバスに乗りターミナルに入ってから延々と歩いて入国エリアへ進みます。現在中国では税関アプリを使った健康状態登録が必要で、QRコード登録が必須。ところが144時間VISA免除の場合はちょっと異なっていました。

ゲートにいたスタッフに「外国人144小时过境免签」とスマホに書いた画面を見せると、ゲートのすぐ横に行けと言います。そこには別の端末があり、スタッフがいて西洋人の登録を行っていました。どうやらVISA免除の場合はここで登録する必要あり?あるいはQRコードを持っていないと勘違いされたのかもしれませんが、、、まあその端末のところにいるスタッフに「外国人144小时过境免签」を見せたら、端末にあれこれ打ち込んでいきます。その際に自分が乗ってきたフライト名が自動的に端末に出ていたので、香港のチェックインカウンターでの情報がこちらに転送されていたようです。

登録が終わるとQRコードが印刷された紙がでてきました。「これを使って健康QRチェックのゲート(すぐ横)を通って」とのこと。うーん、もしかしたら普通にスマートフォンのQRコードでもよかったのかもしれませんが、また次回どこかの都市に行くときにやってみよう。

さてゲートを通ったら、外国人の入国カウンターではなく、さらにその奥にある「24/144-Hor Transit Area」へ向かいます。外国人の入国レーンは大混雑でしたが、このTransitの入国レーンは3名が待つのみでした。

ここで入国カードではなく、専用のカードに記入します。カードはカウンターエリアに置いてあります。出国便や出国日、ホテルなどを記入。それを持ってカウンターン向かいます。3名の前客が終わるのに20分くらいかかりました。

自分の番になり、
・パスポート
・専用カード
・出国便のeチケット控え
を渡します。ここで滞在日数と出国フライトを再確認されます。ホテルを取っているか、どこなのか、は聞かれませんでした。指紋採取などもありましたが自分の番は約7分で完了。入国印ではなく専用のステッカーを張られて無事これで入国です。なお記入した専用の入国カードの下側の半券をもらうので、これは出国時に使います。

ホテルにチェックインするときはパスポートの中国の入国印を確認されますが、スタッフはパスポートのステッカーを見て「これですね」と。トランジットVISA免除で中国を訪れる外国人は結構いるのできちんと認知されているのでしょう。

てなことで144時間VISA免除での入国は意外と簡単でした。

さて出国時も半券を見せるだけ、パスポートに出国のスタンプは押されます。ただ出国カウンターでも「どこから来た?」「どこへ行く」などの再確認はされました。ホテルはどこだ、はここでも聞かれず。上海浦東空港着、上海虹橋空港発で問題なし。こうして無事に入国できることが分かったので、10月の北京展示会取材時もまたトランジットで行こうと思います。

今回は以上。この先に文章はありません。

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