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差別と区別の違いの話

今回はかなり踏み込んだ話というか、多分賛否両論ありそうな話題に首を突っ込みます。
ちょっと最近気になってるんで。
差別と区別の違いは分かりますか?
私もちゃんと答えられるかと言われれば自信がありません。
この違いが曖昧で、ごちゃ混ぜな理解だからこそ、トラブルの元になるのかもしれません。
ということで、色々考えてみました。

辞書(Weblio辞書より引用)で見てみると、
「差別」
1 あるものと別のあるものとの間に認められる違い。また、それに従って区別すること。
「両者の—を明らかにする」
2 取り扱いに差をつけること。特に、他よりも不当に低く取り扱うこと。
「性別によって—しない」「人種—」

「区別」
あるものと他のものとが違っていると判断して分けること。また、その違い。
「善悪の—」「公私を—する」

とあります。
なんか、差別の1の意味と「区別」の意味の違いが分かりにくいですよね。
でも、例を見るとちょっと納得できるんです。
特に区別の使用事例。
「善悪の区別」は、善悪の差別とは言わないですよね?
「公私を区別する」これも、公私を差別するとは言わないと思います。
ここで仮説を一つ。
事例を見てると、どうも差別の方は、人に対しての違いを指しているような。
区別は人以外の違いを指している?

そうなるともう一つ、似たような言葉が浮かんできます。
「分別(ぶんべつ)」はどうでしょう?
ごみの分別 などという使われ方をしますよね。
ちなみに辞書の意味では、
種類によって分けること。区別すること。また、その区分。
とあります。
こちらは「」に限定されそうですね。

では、「区別」は人でも、物でもない、何の違いを表しているのか?
先に出た使用事例にある「善悪」や「公私」というのは、たしかにどちらにも当てはまりません。
思想ということになるのでしょうか?

ここでもう一つ。
動物の違いの時はどうでしょう?
犬と猫を「区別」する が一番しっくりくるのではないでしょうか。
動物の種類の区別、オスとメスの区別 などなど。
こう考えると、「区別」というのは、ある程度事実(科学的根拠)に基づいた考え方による違いと言えるかもしれません。
「善悪」や「公私」に関しては曖昧な部分もあります。
しかし、これら全てに共通していることが一つあると思うのです。
それは、「本来混同すべきではないもの(こと)」である点ではないでしょうか?
犬と猫にも、オスとメスにも、立場に優劣はありません。
しかし、確かに「違い」はあります。
全く同じように扱って良いわけではないですよね?
「区別」とは、違いを認めること、その違いを尊重することではないでしょうか。

近頃は何かを分けて考えることを目の敵のようにすぐ「差別」だと決めつけ叩く傾向が強いように感じます。
しかし、それこそ「差別」と「区別」を混同してしまっていないでしょうか?
差別はあくまでも「他よりも不当に低く取り扱うこと」。主観的に分けることとも言えるでしょう。
区別は「あるものと他のものとが違っていると判断して分けること」。分けることで何かを低く取り扱う意図はありません客観的、あるいは俯瞰的に分けているとも言えます。
残念ながら、意図せず「差別」と受け取られてしまう場合はありますし、誤解を生まない表現や工夫は必要です。
ただ、何でもかんでも同一視すること、対等に扱うことが、果たして本当の意味での「平等」になるのでしょうか?
人も、物も、考え方も、それぞれに必要なこと、得意なこと、できることというのは違うはず。
その違いを認めず、すべて同じに捉えてしまうと、必ず誰かが(どれかが)無理を強いられます。
きちんと「区別」した上で、それぞれに合った対応をすることこそが、本来の「平等」ではないでしょうか。

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