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「あいつどこ目指してんだろうね(笑)」と笑われたあいつが、知らぬ間に大出世している理由

学生時代や社会人数年目に、突然意識が高くなる同級生を見たことがあると思います。「発展途上国に学校を建てる」とか「学生団体を立ち上げる」とか、今風に言えば「オンラインサロンで日々自己研鑽してます」みたいな感じ。「はあ、そうですか」としか言えない、言葉を選ばずにいえば“ちょっとイタいやつ”です。

彼・彼女らを見ていると、「あいつどこ目指してんだろうね(笑)」と思わず心配になります。心配というか、見ているこっちが恥ずかしくなります。ツイッターで意識の高いことをつぶやいたり、いきなりブログを書き始めたり、今だったらYouTubeで発信を始めたり。

そして大概、それらの挑戦は花開くことなく失敗に終わります。「だから言ったのに」と呆れたくなる。

でも不思議なことに、若い時期に“意識高い系(笑)”と揶揄された恥ずかしい彼・彼女らは、数年後になんだかんだ活躍しています。まあ僕も、以前その“意識高い系(笑)”の一人だったわけですが、当時の知り合いから、メディアに引っ張りだこの起業家が輩出されています。

たとえばたとえば学生向けコミュニケーションスペース「おいカフェ」を運営していた及川厚博さんは、複数社の売却を経てM&Aクラウドを創業。途上国の教育支援を行う「STUDY FOR TWO」を立ち上げた石橋孝太郎さんはGazelle Capitalの代表パートナーです。介護領域で頑張っていた秋本可愛さんなんか、よくテレビで見かけます。

振り返ってみると、当時の僕らは相当イタいです。イタいというか、そう思われていたはず。イベントを開いて「こっちの世界においでよ!」なんて真顔で言っているわけです。当時は夢中でしたが、だいぶ恥ずかしいことをしているなと。

もちろん、たくさんバカにされました。“意識高い系(笑)”という括りで、友だちには距離を取られました。恥ずかしいくらいの失敗もして、「言ったっこっちゃない」と哀れみの視線を向けられました。“意識高い系(笑)”を経験した人は、みんなそうだと思います。——でも、今となってはみんな活躍しているんです。

人生には、複利という概念が存在する

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考えてみれば当たり前のことですが、側から見れば滑稽でも、必死になって頑張っていれば、経験値が溜まります。もちろん、その挑戦が失敗に終わってもです。経験値が溜まれば、次の挑戦の成功確率が上がります。

また、やり始めた以上、もう後戻りできないというのも大きい。既にパンツを脱いで恥ずかしい状態になっているので、後ろ指を指されないためには、やり切るしかない。“意識高い系(笑)”には、そうやって挑戦し続ける土壌ができていくんです。

複利の概念は投資だけではなく、人生にも言えます。利息が利息を生み、長く運用するほど効果が大きくなる複利効果は、まさに人生における失敗経験そのものです。

人生の早い段階で失敗を経験すれば、「どうすれば失敗しなかったのか」というナレッジが溜まります。それも、本で得た学びではなく、何よりも尊い経験値としてのナレッジです。「失敗は成功の母」とはよく言ったもので、失敗が多いほど、そして早いほど、次の挑戦で成功しやすくなります。

天才ではない僕らが、ビジネスの世界で頭一つ抜きん出る方法は、リスクを取り続けること以外にありません。いわゆるセオリーを真面目にこなすことも大事ですが、誰もが取る選択肢ですから、当然リターンが少ない。逆にキャリアの早い段階でリスクテイクした人は、その後の人生で突き抜けていく。これはもう、そういう仕組みなんです。

人間という生き物は、当たり前ですが、常に自分が正解だと思う選択肢を選びます。だからある意味、自分の知っている正解じゃない選択肢に進んでいる人のことは、理解できないもの。すると揶揄したり、後ろ指を刺したくなってしまう。

その最たる例が、意識が高い人たちです。彼らは日本では異質なものに分類されています。それだけで石を投げられるのに、頑張っているのにもかかわらず、現時点で成功してないものだから、滑稽に思える。

でも、外野から石を投げてると、後で後悔します。石ばかり投げていると、複利効果で成長していく「バカにした人たち」に、二度と追いつけなくなるからです。

リスクを取るということの、本当の意味

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「リスクを取れ!」というと、なんだかハードルの高いことに感じますが、要はレールから外れるということです。そのこと自体リスクでもなんでもなく、ただ「みんなと少し違うことを許容する」というだけです。

日本人は特に、「みんなと少し違う」ことを恐れがちです。それゆえ、自分の人生を歩めなくなってしまう人もいるし、場合によっては異質な人に石を投げてしまうことも。

でも、冷静に考えてみてください。22歳で就職しなくていいし、年次が上がるに連れて年収が上がらなくてもいいし、正社員じゃなくてもいい。「こうあるべき」に囚われて自分を押し殺す方が、よっぽど生きるハードルが高いと思います。

とはいえレールから外れると、失敗したときに恥ずかしい思いをします。“意識高い系(笑)”が滑稽に思われてしまうことと同じ理由です。でも、その期間を恐れてはいけません。

恥ずかしい思いをしようが、数年後には笑い話です。笑い話の数が多いほど、人生は豊かになります。また、恥ずかしい思いをした経験は、必ず周囲との差分になります。

賢い人は気づいてますが、挑戦できる若い時期から数百万円程度の収入の多寡や所属する組織にこだわるのは悪手です。短期的な給与水準を保つことや、他人から良いように見られたいという見栄に意識が向き過ぎると、挑戦ができない人生になってしまいます。挑戦ができないと、今ある生活を守るための人生になってしまいます。

つまり、長期的な視点でもって人生に複利の概念を持ち込むことはおろか、自分にとっての幸せを追求することもできなくなっていきます。

だから、素晴らしい人生を送るには、不安を「人生における健康的なスパイス」と捉えるくらいがちょうどいい。人生をよりよくしたい、もしくは劇的に変えたい人間にとって、変化のない“安定”な状態は、もはや不健康だと思った方がいいくらいです。

人生をよりよくするなら、意思決定が早いに越したことはない

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僕自身はこれまで、学生時代に1,000万円の借金を背負ったり、毎月5万円の給料で極貧生活をしたり、まあ失敗が多い人生を歩んできました。でも、それらのおかげで今、充実した人生を送れていると思っています。

その経験から、「人生の早い段階で自分に必要な経験を積んだほうが、より早く自分の望む人生を実現しやすくなる」という信条があります。

なんであっても無駄なことはありませんが、世の中には重要度が高い経験と低い経験があり、あなたが重要度の低い経験を積んでいる間に、より重要度の高い経験を積んでいる人がいるのも事実です。

それは、思わず後ろ指を刺したくなる大失敗——長い目で見れば大成功——かもしれません。

編集協力:オバラ ミツフミ(@ObaraMitsufumi
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株式会社Pien代表取締役CEO / 株式会社VAZ founder / アジアを代表する30歳以下のリーダー「Forbes Asia Under30」選出。自著に『「ダメな自分」でも武器になる』(https://amzn.to/3cPOwe3