ニュージーランドの高校の思い出話 後編

 先月、ニュージーランドの高校にいたときの思い出話の前編を書いてみて、今月も書けそうやなと思ったので、今回はその続きの後編をここに書きます。超長文注意なので、長い話が嫌な人には読むのをお勧めしません。実はこんなしょぼいブログでも書くのを辞めたほうがいいかなと思うときがあって、無料で書いている割にはわりとスタミナや精神力を持っていかれるし、先月にいたっては昔の友だちのことをディスるということまでやってしまい、特に誰にとっても需要はないとは思うんですが、なんでもすぐ辞めてしまう俺にしてはこんなことでも長く続いている方な気がするんです。
 今でも周りから見たらなにをしてる人なのかさっぱりわからんやつやとは思うんですが、英語力がひどかった高校時代は現地の生徒たちから見たらもっと酷かったんとちゃうかなとか思います。それでも、高校二年生のときは、野球の賞をもらったり、また自慢になってしまうんですが留学生の優秀者賞とか、数学の授業における成績優秀者賞とか色々もらっていました。ただ、今もそうかもなんですが文章を書いたりするのができるだけで、人と話すコミュニケーションをとるのがあまりできてなかった気がするので、高二のときはほろ苦い思い出も多かったです。
 高二のときは学校生活にも慣れてきていたためか、できることはなんでも挑戦してみようという気になり、確かはじめのころに水泳大会に参加しました。取りあえず参加しておこうと思って参加しただけなのでやましい気持ちとかはまったくなかったのですが、プールがある場所に移動するのに最初にバスに乗って、そのバスの席がなぜか丁度人数分ぴったりで、今ではその子も結構ひどかったんちゃうかなと思うのですが、現地のキーウィと呼ばれる欧米人の女の子の隣の席のみが空いていたんですけど、その子がどっかり座ってスペースが半人分くらいしか空いていなくて、結局バスの中で一人だけ立ったままプールの場所まで移動しました。なんか芋くさかったなと思います。かなり顔が可愛い子やったので、ちきったのかもしれません。今の俺がタイムスリップしてもう一回やり直せたら無理やりお尻をねじ込んで座ったりしていたかもしれませんが、わかりません。ちなみにその女の子の名前は結局わからなかったのですが、その後現地のめっちゃおいしいチキン屋さんのナンドスというチェーン店で働いていました。
 プールについてからも水泳大会は散々でした。いつも一緒にお昼を食べていたちょっとオタクっぽい友だちグループは俺以外一人も参加しておらず、完全にぼっち化していたんです。前の年に知り合っていた、いいやつやけど中身がわりと畜生の台湾人ジャッキーには、
「お前こんなのに来るキャラじゃないだろ」
 と、英語でどう言われたか思い出せないので日本語で書きましたがそう言われたり、一人でぽつんといたところ後輩のアイランダーっぽいちょっとやんちゃな感じの男の子に後ろから後頭部をどつかれたり、わりと散々な目にあっていました。その後輩の男の子は帰りのバスで近くの席に座って話したことでちょっと打ち解けました。当たり前ですが泳ぐのも遅いので一回だけ泳ぎましたがほぼびりっけつ。今思うとみんな女の子の水着姿を見に行ってたんちゃうかと思いますが、そのときはぼっちが悲しすぎたのであまり見ていなかった気がします。
 ほかにも、留学生なのに新入生を歓迎するためのレクリエーションのリーダーみたいなのをやったり、なんかわりとアクティブやったなと思います。もう一人のリーダーは同じく留学生のマレーシア人の、ケンドリックというやつやったんですが、彼の英語が堪能で、リーダー役をほとんど彼に任せていた気がします。ケンドリックが、
「フットボールをやらないか」
 と提案して、Footballという単語だけが聞き取れたので、
「Football! Yaay!」
 と一応盛り上げようとして言ったら、リーダーの英語力がこんなもんなんかと呆れられたのか新入生の背の低い男の子がドン引き顔をしていたのをよく覚えています。ちなみにもう一人違うクラスの女の子がリーダーをしていたのですが、その子はダンスが上手い子やったらしく、ニュージーランドのダンスグループのメンバーの一員で、ジャスティンビーバーのMVでバックダンサーとして踊っていました。驚きましたがその子は多分ダンスの活動が忙しかったらしく、そのとき以外はほとんど学校では見かけませんでした。
 この思い出話の前編でちょっと出てきた、中国人のリンダとの話なんですが、ほろ苦い思い出ではあるんですけど、俺の中では結構重要な思い出で、実は高校を卒業してからは女の子とあまりうまくいっていないんですけど、そのときは半分上手くいったのでここに書いとこかなと思います。年度の途中くらいに、Ballという、今思うとなんか変な名前ですがダンスパーティーがあって、無謀にもちょっと仲よかった程度のリンダをそれのパートナーに誘ったんです。実を言うとその前にスカーレットという高一のときESOLという初級英語のクラスで一緒やった、ほとんど話したことない台湾人の女の子をFacebookのMessengerで誘っていたのですが、
「言ってる意味がわからない」
 とはぐらかされたのですぐに諦めました。今思うと、とんでもない美人やったリンダとどうしても一緒に行きたかったんやろなと思います。その後リンダを誘って、
「ほかに誰か誘わなかったの?」
 と聞かれたのですが、
「No, because I didn't try」
 と謎の言い訳をしながら大嘘をつき、なんとか渋々リンダにダンスパーティーのパートナーになってもらえました。そのとき俺はほとんど女性経験がないに等しかったし、失礼ですが多分リンダもそこまでなかったんちゃうかなと思います。テーブルの座る席を決めていた際はなんか夫婦みたいな感じがして、一人だけ浮かれていたんですが、Ballの日が近づくにつれて、謎の動悸がしたりして、経験のなさが顕著に表れていました。リンダにもWeChatか何かで、
「一緒に来なくてもいいよ」
 と何度か冷たく言われていたのですが、どうしても一緒に行きたかったので強引にBallの日までリンダとのパートナー設定を続行しました。当日は、動悸がしたり様子がおかしいと南アフリカ人のホストファミリーのおばさんが思ったのか、
「男ならこれをその子に渡してこい」
 と一輪の花を買ってくれました。恥ずかしくて内緒で途中でどっかに捨てようかなとちょっと思いましたが、おばさんが怖かったのでできませんでした。結局周りで花を握りしめてた男の子は多分俺だけで、会場までの列に並んでいたらインドの女の子に
「You are so cute」
 と言ってもらえたのをなんとなく覚えています。会場にはリンダが待ってくれていて、来る前におばさんに
「女の子とは車とかで会場に一緒に行くのが普通やろ!」
 と半ギレされたのを覚えていますが、リンダも来てくれていてよかったです。
「花を受け取ってくれ」
 とリンダに手渡そうとしたのですが、バカすぎると思われたのか最初の方は軽く引かれてなかなか受け取ってもらえず、最後の方は、
「Please, just take it」
 と半泣き顔で頼むと渋々受け取ってもらえ、その後リンダはその花を椅子の上の、腰の後ろのところに隠すように置いていました。きっとあまりのあほさに混乱していたのやと思います。
 その後確かダンスタイムがあって、一緒に踊りに行こうとピーターパンの真似をしながら手を差し伸べましたが、とうとうそれは渋り顔でスルーされ、普通にすっと立ち上がってダンスフロアにすたすたと向かっていました。パートナーに誘うときに、
「中学のときはロボットダンスが得意なので有名だったんだぜ」
 と大嘘をついていたのですが、なんか今思うとそのときの俺はなんか男の子っぽかったなと思います。今の方がなんか女々しくなってるかも。リンダもそう言って誘ったのを覚えてくれていたのか、
「Show me how!」
 とこれは英語でなんて言われたかはっきり覚えているんですが、軽く体を揺らしながらそう言われたのに、大嘘をついていたのが恥ずかしくてまったく踊れませんでした。バカすぎます。
 何度も呆れられながら、結局席に戻って、写真を撮りにいく流れになったのですが、そこでも俺はやらかしました。プロのカメラマンが写真を撮ってくれて、パーティーが終わったあとに写真がFacebookにアップされるのですが、カメラマンに撮ってもらう前にドロシーというちょっと仲のよかった中国人の女の子にリンダとのツーショット写真を撮ってもらったんです。フラッシュを焚くなとリンダに言われていたのに設定を間違えてドロシーにスマホを渡してしまって、一枚目はがっつりフラッシュを焚かれながらの写真になってしまい、
「フラッシュ焚くなっつったじゃん!」
 とリンダにめっちゃ怒られ、ごめんごめんと二枚目もお願いしてそれはフラッシュなしで撮ることができました。その写真は多分今も家に残ってます。その後、カメラマンに撮ってもらうときにリンダとその友だち大勢がステージに上がって撮ってもらっていて、その後に多分ツーショットを撮る流れやったのをリンダもわかっていたと思うのですが、その日一番の大やらかし。ステージに上がれなかったんです。ちきりました。足がすくみました。ステージ上でリンダはその日一番の大呆れ顔を俺に見せて、すぐにステージを降りました。ソーリーとめっちゃ謝りましたがリンダは無言。キレすぎて喋らなくなっていました。そのまま友だちと数十分の間女子トイレに入ったきり出てきませんでした。なんかのサイトで女の子はキレたときに友だちと女子トイレにこもったっきり話しこんで出てこなくなるというのを読んだことがあったのですが、それってほんまなんやって思いました。その後リンダも出てきて、バイキングのご飯を食べていたのですが、
「さっきはごめん。また写真撮りに行かない?」
 と聞いたら、
「I'm eating!」
 と怒られながら断られました。その時間帯に女の子を怒らせた回数の連続記録がもしかしたら世界で一番多かったかもしれません。しかもすべてわざとではないのです。その後はジュースをぶちまけてしまった女の子の席に座らされたりというちょっとした制裁を受けたりして、俺も色々と諦めて羽織っていたスーツを椅子にかけて男友達と踊っていました。パーティーが終わったあと確かリンダも無言ですたすたと友だちグループと帰っていって、その後リンダに、
「Your heel is too high to dance, dancing was fun!」
 と訳のわからない、ダンスを踊るにはヒールが高すぎたでしょ。男友達とのダンスがとても楽しかったよ! という多分英語としても間違っている、謎の最悪な追い討ちメッセージを送りつけたのは無視されましたが、リンダも優しい子やったので、一緒に撮った写真だけ送って。とメッセージが来たのに対しては黙ってフラッシュが焚かれていなかった方のツーショット写真を送りました。その後は本当に何もなかったです。同じ学年やったのにパーティーのあとはリンダも学校に来ていたとは思うけど、ほとんど学校で見かけた記憶がありません。その年の終わりにリンダはカナダの高校に転校してしまいました。リンダが出発する日にサイモンという中国人の友だちに、
「空港まで止めに行かなくてもいいのか?」
 と煽りなのか本気なのかわからないトーンで聞かれましたが、
「I'm not good enough for her.」
 と彼に対してはかっこつけて返しました。要するに、止めに行きたくなかったんです。リンダとは本当に何もなかったんですが、ダンスパーティーで踊っていたときに手を繋ごうとして握った手が信じられないくらい柔らかかったです。その手はすぐに振り払われましたが。大人なことがまったくなく、しかも俺が全然正しくない、椎名林檎さんの『正しい街』みたいやったなと思います。リンダはめっちゃ女の子でした。その後リンダは大学でニュージーランドに戻ってきていたようなのですが、そこでも多分一度も会っていません。似ている人を一度だけ見たんですが。
 これは悔しいので書こうかどうか迷ったのですが、この前老人ホームにおじいちゃんとおばあちゃんに会いに行った際、おじいちゃんがちょっとだけこの思い出話の前編でディスり散らかしたRunLineくん顔の友だちに、おばあちゃんがリンダとか、大学のときに知り合った女友達のクロエみたいな、海外の女の子とちょっと重なって見えたんです。前編ではディスりましたが、彼は漢という字がとても似合う男でした。もはや嫉妬で嫌いなのは本当なんですが、彼が遊びで投げていたサークルチェンジはパワプロみたいな変化をしていました。俺も男友達がめっちゃ減ったので、キャッチボールなんてもう久しくしていないんですが、ぶっちゃけ彼のサークルチェンジを見て投げる自信を失いました。正直言うともう会いたいとは全然思わないんですが、もし京都に遊びに来ることがあれば、京都駅の上の方にある拉麺小路が入りやすいしおいしいのでおすすめです。どの店かは内緒ですが齋藤飛鳥さんみたいな雰囲気の店員さんもいました。嫌いでしたが彼がほかの男友達も引き連れてつれていってくれたご飯屋さんはどれもすこぶるおいしかったので、そのお返しの情報です。今もニュージーランドに住んでいるとしても、日本の女の子がわざわざ彼を見に来るんちゃうかなと言うくらい彼は顔がよかったです。
 高二の話が長くなったんですが、一応後編なので高三のこともちょっとだけ書くと、物理の授業で隣にオークランドグラマー高校から転校してきたプリンスという数学オリンピックのニュージーランド代表の男の子が座っていました。その人は当たり前ですが俺より数段階頭がよかったので、ほとんど話せず。結局反対隣に座っていた日本語を話せるパトリックという男の子とずっと話していました。高三も色々ありましたがほぼ大学に入るための勉強やったのでもう書きません。また別のところで書くことがあるかもしれないです。
 現地の大学の思い出話も書くと思います。恋愛面白話も一応一個だけあります。最後に最近のことですが、先月からラクマでのカードの売れ行きが悪くなってきているので、心機一転Baseでカードショップを開いてみようかなと画策中です。店名はティキのカードショップ。ティキは南アフリカ人のホストファミリーのおじさんが俺を呼んでたときのあだ名です。ラクマでは在庫の枚数の多いカードが売りにくいので、ラクマで売れずに余っている在庫の多いカードを主に商品にしようかなと思っています。あくまで検討中です。小説も一応裏で書き進めてはいるのですが、正直まだあまり進んでいなくて、文字数もまだこのブログと大差ありません。こんなのばかり書いていたら作家として売れるようにならないのかな。それともこの勢いで今月は筆が進むのか。来月もブログでそういったところの報告をできたらします。

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