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世界有数のロケット射場に適した地域!?大樹町が宇宙のまちである4つの理由

こんにちは、大樹町PR委員の植松です!

二十四節気の最初、立春が過ぎましたね。

暦の上では旧冬と新春の境い目にあたり、2月4日頃から春になります。梅の花が咲き始め、徐々に暖かくなり、春が始まる、そんな時季。

一方、大樹町ではまだまだ寒さが続き、1月よりも雪が多く降り、冬が続いている印象です。

今回は、このアカウントの名前にも入れている「大樹町が宇宙のまちと呼ばれているのはなぜ??」というテーマでお話しします。

大樹町で暮らしていると至るところで目にするのが「宇宙のまち」というキーワード。「宇宙のまちって一体どういうこと?なぜ??」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

大樹町に拠点を置くロケット開発企業の「インターステラテクノロジズ(以下、IST)がロケットの打上げをしているから宇宙のまちなのでは?」と思っている方も多いかもしれませんが、実はISTが大樹町に来るずっと前から大樹町は宇宙のまちづくりに取り組んでいました。それは遡ること30年以上前から。

まちづくりには夢が必要だ!

はじまりは1984年、北海道大規模航空宇宙産業基地構想が発表されたことでした。当時の大樹町長・野口武雄が「これからのまちづくりには夢が必要だ」と言い、鹿児島県の種子島・内之浦に次ぐ国内3番目のロケット射場の候補地として、大樹町が手を挙げたことが始まりでした。いや、そもそも3番目ってすごくないですか??すごいですよね!!

北海道に宇宙産業を誘致しよう、当時も人口8000人くらいだった小さな町が宇宙のまちになろうと覚悟を決めたのです。

初めは町民も半信半疑だった取り組みでしたが、この30年の間で地道な活動を続け、

町内に1kmの滑走路がある多目的航空公園を整備したり、

③航空写真gaozu

JAXAや大学数多くの実験が行われ、

そして2013年にはISTが大樹町に本社を構えることになりました。

2019年にはISTが観測ロケット「宇宙品質にシフト MOMO3号機」の打上げを実施。高度113.4kmまで飛行し、民間企業単独としては日本で初めて宇宙空間に到達しました。

今となっては名実ともに宇宙のまちとなった大樹町ですが、そもそもロケット射場の候補地になぜ大樹町が選ばれたのでしょう??しかも、種子島、内之浦に次ぐ3番目の候補地だった大樹町・・!

実は、大樹町にはロケット射場として選ばれる明確な地理的・環境的な理由があるのです!
その4つの理由をお話しします。

理由①:ロケットを打ち上げる方角は決まっている

実は世界で打上げられているロケットは東、もしくは北か南に向けて発射されています。

地球の自転は西から東に向けて回転しているので、東向きに打ち上げて地球の自転速度を利用することで少ない加速で宇宙に到達することができます。加えて北極や南極の上空やその付近を通るような「縦」の軌道、すなわち極軌道も地球観測、GPSなどで有用ですが、この場合は北または南の方角に打ち上げます。

それらの方角が広く開けていることが重要。つまりその方角に海がひろがっていることが良いのです。

そもそも日本の東側は太平洋が広がっているので、実はとてもロケットの打上げを行うのに適しているんですね。

ではここで大樹町の場所を確認してみます!

スクリーンショット (65)

東にも南にも海が広がっていますね。
人の住む離島なども近くにはありません。

実は、こんなに恵まれている地域、世界的にも珍しいんですよ!!

例えば、欧州はそれらの方角は陸続き(他国がある)ので、南米フランス領ギアナのギアナ宇宙センターまでロケットを大西洋を横断して運んでいたりします。そうやってロケットを相当な移動距離を運んで打ち上げている国はいくつもあります。時間も手間もコストもかかりますね・・・。

まずは東と南に海が広がっていること、これが大樹町がロケット打上げに適してるひとつめの理由です。


理由②広大な土地があって、人口密集地がない

「東と南に海があればいいなら、房総半島とかでも良いんじゃない?」と思った方もいらっしゃいますか?
そうですよね、それだけでは大樹町が選ばれる理由にはなりません。

2つ目の理由は、広大な土地があること、そして人口密集地が近くにないこと。

保安距離確保の観点から、ロケット打上げには広大な土地が必要とされています。

現在の大樹町の多目的航空公園の面積は0.7平方kmですが、将来的には60平方kmまで拡大が可能とされており、なんと種子島宇宙センターの7倍以上の面積を確保することができます!!


そして人口密集地が近くにないというのも重要な条件です。

大樹町の射場から一番近い都市圏は帯広市ですが、約70km離れています。

首都圏に住んでいる方は70kmと言われてもピンとこない方もいるかもしれませんが、
例えば東京駅からだと小田原市までくらいがだいたい70kmです。
(北海道の距離感は本州と違うとは言いますが、改めて調べるとすごいですね・・・)


理由③気候が安定している

大樹町は年間を通して気候が安定しています。

北海道というとやはり雪の心配をされることが多いのですが、大樹町は道内でも雪が少ない地域です。

おそらくニュースで映るのは札幌(=雪がたくさん降っている)であることが多いかと思いますが、札幌は雪が多い地域。一方、大樹町がある十勝地方はというと、日高山脈があることにより雪雲が遮られるため、雪が少なく、十勝晴れという言葉があるくらい、晴天の日が多いのです。

(冬の晴れた日の十勝の空気は澄んでいて、空も大きく感じるので是非冬にも遊びに来てくださいね!笑)

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(写真はISTの射場の近くから海側を撮影したものです)


理由④飛行機や船で混雑していないこと

ロケットは空に打上げますが、観測ロケットMOMOのように海に落下させることを考えると、飛行機や船が多く行き交うところでは打上げウインドウ(航空管制関係や漁業関係などをはじめとした関係者のみなさまと相談して、ロケット打ち上げ可能となる日時)の確保が非常に難しくなります。

大樹町から一番近い空港はとかち帯広空港ですが、一日にだいたい7便なので、羽田や成田がある関東地方や関西地方等と比較するとかなり少ない便数で、頻繁に飛行機が飛んでいるわけではありません。
海に関しては、地元や近隣の漁業者の厚い協力とご理解を得て、打ち上げ可能な日時枠を決めています。


以上が、大樹町がロケット射場の候補地に選ばれる4つの大きな理由です。


大樹町は、世界有数のロケット打ち上げに適した環境!

航空宇宙の知識がない人にとっては、そもそも日本がロケット射場に向いている環境だということが意外かもしれませんね。その中でも大樹町は実はとても恵まれた環境であるということは、分かっていただけましたでしょうか。

さらに、2020年1月に大樹町は、ロケット射場整備に向けた基本構想をまとめ、発表しました。


大樹町は、ロケット射場を2段階に分けて整備する方針で、L1射場はISTが現在使用する浜大樹の実験場南側に整備して、ISTの利用をメインに考えて必要最低限の設備を行おうと考えています。2段階目となる将来的な商業打ち上げを目指す第2発射場(L2射場)では、町内4地区の候補地を示しました。また多目的公園内にある滑走路を3000mのばし、宇宙旅行や高速ドローンの実験などを可能にする方針です。新設の総事業費は216億円を見込み、また計画推進に向けた課題として、ハード面では観光施設と見学場の整備や十勝港からの大型資機材運搬経路確保などがあがっています。

ISTが2023年までに超小型人工衛星を宇宙の衛星軌道に運ぶための軌道投入ロケット「ZERO」打ち上げを目指しているため、施設は同年までに必要なL1射場、長期的に使用するL2射場を2段階に分けて整備していきます!宇宙のまちになるんだという大樹町の覚悟を感じる発表ですね・・・!今後の動きが楽しみです!


前編では大樹町が宇宙のまちである理由を、地理的・環境的な面からお届けしました!

後編は、町役場やISTだけではなく、町民一丸となって宇宙のまちづくりを頑張っている様子や、いま町で起こっているトピックスを中心にお伝えします!

大樹町の宇宙のまちとしての歩みが気になった方は、勝毎電子版の「大樹航空宇宙基地構想」サイトや、大樹町HPを御覧ください^^


【大樹航空宇宙基地構想(勝毎電子版)】

航空公園の360度ビューも、大樹町の様子が伝わるかと思います!^^

【大樹町HP】

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(大樹町HP航空宇宙ページより)




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