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【後半】消費的行動が先行する社会から、サステイナブルな社会へーーアートと企業、地域の新たな挑戦

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インタビュー・文:上條桂子
インタビュイー:
[VIVA共同ディレクター]五十殿彩子、森純平
[プログラムオフィサー]髙木諒一/田中美菜希/宮内芽依
[アトレ]武田文慶、鵜澤克弘
写真:加藤甫、冨田了平、たいけん美じゅつ場


アートを入り口としたコミュニケーションから成るフラットな関係

宮内:VIVAでは来た人誰もが作品の調査ができるプログラム(「たいけん美じゅつ研究所」 通称「VIVA研」)があるのですが、先日、VIVA研に参加したトリばァから話を聞いたら「VIVA研を通じてVIVAらしさを見つけたい」と新たな議題を立ててくれた方がいたり、一連のプログラムに対して「その時々によってルールに縛られる必要はないのでは」という意見も。トリばァ一人ひとりがVIVAらしさについて考えてくれているのだなとうれしく思いました。

また「VIVAから離れていた期間があって来るのが不安」と言っていたトリばァに対し別のトリばァが、「全然大丈夫ですよ」とその不安を受け止めている場面があって。VIVA研が終わった後にされていた話は、アート・コミュニケータとしての活動の仕方や日常生活の相談会のようになっていました。運営側が企画する相談会ではなく、VIVA研でアートを介した会話をしたことによって関係がフラットになり、相談できる信頼関係が徐々に生まれたところを見た気がして、オープンアーカイブが機能していると感じました。

──「VIVAらしさ」が固定していないこと、事務局発信のものではないことがすごく大事ですよね。トリばァのみなさんがプライドを持ち、VIVAを真剣に考えている感じがありますね。

五十殿:トリばァの皆さんはこの2年ですごく変化があったと思います。初年度はどうしても声を上げる大きさに個人差がありましたが、2年目になってあるトリばァの方から「アート・コミュニケータというのは何かのプログラムを作ることが目的なのではなく、VIVAという場所でどんなコミュニケーションが生まれるかが大事なんですよね」というような言葉が出てきました。その言葉がトリばァから出てきたということが重要です。以前は、「取手にVIVAというすごい施設が出来た、それを取手市の財産にしよう」という感じだったのですが、そうではなくVIVAという場でコミュニケーションが生まれることが重要で、それそのものが財産になるのだという。この二つは大きな違いで、トリばァの意識が変わったことの表れなのではと思います。

宮内:あと今年度の動きとしては、アトレとの連携です。アトレ内の店舗から普段なら捨ててしまう梱包材やコーヒーかすなどの廃材を提供してもらい、ワークショップに利用するという動きが実現できました。それは、鵜澤さんと武田さんに呼びかけの協力をしていただいて実現できたことですね。また、廃材をどう活かすかという実験をプログラムオフィサー、ディレクター、アトレの方たちも交えて一緒に実験できたのもいい経験でした。

アトレ×VIVA素材ラボ|コーヒーかすを用いたコーヒー染の実験

五十殿:藝大の卒業生を呼んでいくつかのモノを作る大人向けのワークショップを行ないましたが、ワークショップを作るプロセスから当日の雰囲気まですごくいいものになりました。設計図通りにものを作るのではなく、素材や方法は共有するけれども、出てくるものは人それぞれで、組み合わせによって全然違うものができ上がる。その過程で「その色素敵ですね」とか「どんな組み合わせにしたの?」とワイワイ会話が弾みました。先生のお手本を真似るのではなく、参加者が自分らしさを発揮できて、さらにお互いの作品を認め合う空気になっていて。こういうワークショップができたのは、東京藝大が身近な存在だったからだと思いますし、担当したスタッフの三枝水幸さんが密に講師の先生とやりとりをしてくださったこともいい結果に繋がったのだと思います。

また、スタッフの経験値も確実にあがってきています。1年目はコミュニケーションが生まれる活動を作るぞとかなり意識的でしたが、2年目は自然に生まれるようになってきていますね。それは利用者に対する声がけにも表れていて、例えば工作室の道具を貸す時に「どんなものを作ってるの?」と話をしたり、作ったものを見せてくれたら感想を伝えたり。日々の小さなやりとりを自然にすることが、関係性の構築につながっているのだと思います。

企業が考えるアートの取り組みとPRの難しさ

──ではアトレの方にお聞きしたいのですが、企業としてのコミットの仕方として、この1年で変わったことを教えてください。

武田:まずは正直コロナ禍で、企業としては運営自体も厳しい状況でしたので、様々な取り組みの実施はできませんでした。また、現場にいればVIVAで素晴らしい活動が行われていることが分かります。ですが伝え方の面で、社内、関係者含めた遠くへ向けた発信をしなければと思っていたものの、できなかった面があると思いました。

それぞれのステークホルダーに対し、VIVAの取り組みの意義や意味を理解してもらったり、ブランディングを丁寧にやっていくことが必要だと。それはVIVAの中でアトレが担わなければならない点だなと考えています。VIVAアドバイザーの伊藤先生がよく言う「飛距離を伸ばす」というようなことができていなかった。けれども方向性が見えたという意味では一歩進めたと思っております。

──VIVAはいわゆる一般的な企業広報やPRとして社内認知もしくはビジネスの世界で認知を高めることは全然方向性が違う気がします。例えばブランディングアワードやグッドデザイン賞といったいわゆる企業的なお墨付きに積極的に応募していくという戦略はありますよね。

武田:はい、いずれ計画を立てていかなければならないことだと思っています。取手店にいると、VIVAがすごいことをやっていると肌感覚で分かっているので、率先して対話を持ちかけていなかったということが、大きな反省点です。直接VIVAに関わっていない社内の人間にも、同じアトレの中で起こっていることとして自分事化してもらうこと、それができていないことがはっきりわかったのがこの一年でした。

──現段階では、広く告知をするというよりまずは内部を耕すことが重要なのかもしれませんね。PRという点では五十殿さんと森さん、いかがですか?

五十殿:VIVAとしてどうこの場所をプレゼンしていきたいかということは少しずつ出てきたようにも思います。例えば、VIVAではトリばァで参加する大人たちが楽しく話し合っている姿がよく見受けられ、そうした大人が真剣に楽しんでいる姿を他の人にももっと知ってもらいたい。ですが、PRをするという時にぴたりとくる写真を撮っていなかったり、そうした状況が見えるようなイベントを組むようなことができればよかったなと、振り返って思います。先ほど武田さんも言っていましたが、遠くに届けるということは意識していきたいですね。

森:最近VIVAで開催したアクセス講座のオンライン配信は、とても充実していて、振り返って見た時に本当にいいコンテンツが揃っています。特にアートに興味がなくてもケアに興味がある知人などに相談を受けたりした時に、自信を持って勧めています。たとえばアトレの社員の方たちに、VIVA全体の活動を知ってもらうというよりは、個人的なレベルから興味がありそうなトピックをお知らせすることで、そんなことがアトレ内のVIVAで行われているんだという可能性を知ってもらうようなことはできるのかなと。それはアトレの社員の方だけではなく、取手市民も同じ。それぞれの個人にきちんと情報が届き、必要なものとして認知していただけるのではと思います。

それも活動2年目でさまざまな実践が貯まってきたからできることではありますよね。ステークホルダーなどに対しても、特別なことをするわけではなく、すでに起こった、稀有な瞬間を丁寧に共有していければと思います。

──確かに、アートというと毛嫌いする方もいるかもしれませんが、VIVAの取り組みは社会との接点という意味で、非常に幅広い試みをしている場所だと思います。知的好奇心のある方はもちろんですが、介護の問題に悩んでいる方や多様性について考えている方といった、普段生活していて感じる問題意識から参加できるコンテンツもありますよね。ちょっとこれ面白そうだから聞いてみなよとリンクを送る、口コミという草の根的な活動をするだけで何かが変わっていくように思います。

武田:積み重ねてきたものがあるからこそ、活動を伝えられる部分もありますので、きちんとタイミングを考えたいですね。また、先ほどの廃材活用の話については、まだ商業施設の戦略レベルの変化ではないかもしれませんが、普段捨てていたゴミが素材になるんだというのは、皆さんの意識の上では大きな変化だと思います。その後、回収ボックスに丁寧に入れてくれるようになったり、変革は起き始めているんです。

森:そういうことも含めPRも重要なのですが、今後真剣に取り組みたいなと考えているのはドキュメンテーションです。まずは実践と実験が重要だと思っているので、無理には手を付けていませんでした。この先蓄積したものをどうドキュメンテーションして、社会に開いていくか。少し先ですが、3年目以降は取り組みたいと思っています。あと、“アート”というイメージがどうしても強いので“アート”と冠をつけないのもいいかもしれません。例えば「アトレとケア」というテーマで、アトレ取手に行けばケアの話を聞けるとか、さまざまなことが試せる、話せる、相談できる場所になればいいと思います。

──ドキュメンテーションは1つのキーワードかもしれないですね。今お話を聞いているだけでも、日々人が集まり話をするなかで、関係している皆さんの心が動いている様子がわかります。だけど、その共有手段が非常に少ない。それをVIVAとしてドキュメンテーションしておくだけでも、見つけられる可能性は増えていくし、事例がどんどん貯まっていくことにもなりますよね。

宮内:また、スタッフ間でのコミュニケーションにも深さが出てきたと感じられました。どうしても1年目はトリばァとの関係構築をすることと、プログラムを実施することが先で気が回らなかったのですが、スタッフにも少し心の余裕が出てきたこともあります。新たなプログラムのアイデアを思いついた時に、鵜澤さんや武田さんに相談をしたり、トリばァの方に相談を持ちかけてみたり。相談相手がマルチにいる状況となり、できることの幅が広がりました。

──すごくいい関係性が育っている感じがしますね。アーカイブは、関わる人々の意識がとても重要ですよね。残すという視点を常に持っていないと、何を残して何を残さないかというようなことはきっと考えないと思うんですよね。オープンアーカイブも含めVIVA自体が日々変化する、そのプロセスをどうアーカイブするかは重要な問題だと思います。もちろん全部を記録することはできないと思うのですが、徐々に何を記録すべきかということは浮かび上がってくるのではないかと思います。その際に、VIVAのコアメンバーが常にこの場所の動きを見ているというのは利点になるのではと思います。実現したら、場所のアーカイブの新たな形ができるのではないかと。

宮内:相談の件数は確実に増えているので記録するようにしています。相談の内容は非常に様々です。工作室を使う藝大生が進路について相談してきたり、ワークショップに参加してくださった方がご自身の職場で受け持つ発達障害の生徒をVIVAに連れてきてもよいかという相談があったり。そういう時はVIVAがコミュニティのハブとして機能しているのだと感じられます。単なる雑談のように思えることも多いのですが、そこに新たな活動の芽が潜んでいるようにも。

3Dプリンターでうまく出力いかなかったけど、だんだんコツを掴んでいった藝大生

個々人の間のコミュニケーションを耕す

──どこに相談していいのかわからないような相談に乗ってもらえそうという開かれた雰囲気を持っているのは、すごく重要ですよね。そうした相談からこの場を使いたい、コミットしたいとなる方もいるということですよね。また、講座に来た方が新たな活動を起こす連鎖が生まれているのもいい傾向なのではと思います。では、話を少し変えて、この一年での反省点を教えてください。

高木:雑談のようなものなのかもしれませんが、トリばァ同士がお互いがみえる話をする機会をもっと作れたらよかったなと思います。

何かの目的がある会話ではなく、会議が終わった後の廊下だったり、喫煙所とかの方がその人の素が出るような気がしています。そのことが、今後の活動に良い影響を及ぼしていることを端から見ていて実感しました。

その意味でも、実践講座の上條さん回で実施されたトリばァ同士の他己紹介はお互いのことが見え、かつ次のコミュニケーションの素地となるとても良い回だったなと思います。

本記事インタビュアーの上條桂子さんをゲスト講師に迎え行った実践講座で他己紹介をする様子
*オンラインとオフライン開催

スタッフの三枝水幸さんと、最近トリばァのモチベーション維持について話しました。現在は、1ヶ月に2回は活動に参加するといったルールがあるのですが、僕たちはあまり厳しくしていません。掲示板に一定の頻度でコメントをもらって出席とするなど、参加の気持ちを途切らせないためのコミュニケーションを考えています。スタッフの方から、トリばァのパーソナルなことや体験をシェアしやすい質問を投げかけることができれば、もう少しトリばァ同士の理解も深まるかもしれません。次年度に向けて何かできればと思っています。

──トリばァに参加してくださっている方々は、それぞれ非常に経験豊かな方たちなんだと思います。でも皆さん大人なのでお互いに気遣う部分がきっと多いし、退職後の活動はご自身がされてきた仕事と切り離すべきだと考えている方もいらっしゃると思います。でも、皆さんの豊富な人生経験をうまくプログラムに活用できたら、もっといいのではと客観的かつ楽観的に見ていました。

武田:確かにお互いにパーソナルなことを話す機会はほとんどなかったですし、私自身、自分のことすらも分かってもらおうとしてこなかったですね。イベントを終えた後、帰りに喫茶店で話す何かが重要だったりしますよね。

森:それこそ飲み会が担っていた場所をそろそろ意図的に設計しなければならないかもしれないですね。コミュニケーションの手段としては、スタッフ間はslackを使い、トリばァとはブログサービスを用いたオンライン掲示板を使っていました。ブログサービスを使ったアート・コミュニケータとのやりとりはとびラーの手法に則っていましたが、スタッフとトリばァの境界を少し曖昧にしてクローズドだったやりとりをもうすこし表に出してもいいのかなとも思います。全部ではないにしても、線引きを曖昧にしていくといいかもしれません。あと、3年目以降のトリばァOBOGに向けた掲示板も必要ですね。

宮内:TAPの他の事業の伴走役(ファシリテーター)も、募集するとかなり自発的に参加してくれます。同じ方が多くはあるのですが。VIVAがある駅ビルから地域に出る活動も少しづつ増えてきています。

田中:私からも反省が1つあります。私は主にオープンアーカイブの管理、作家や業者、藝大美術館の方とのやりとりをしていて、スタッフの中でおそらく一番トリばァとの関わりが薄かったです。来年度以降は、VIVAをよく見守って、トリばァのことももっと知っていき、オープンアーカイブを絡めた企画を一緒に考えたいなと思いました。

宮内:初年度はアート・コミュニケータのプログラムもVIVAでは初めてのことだったので、どのようにトリばァと関わるとよいのかということに難しさを感じている人もスタッフの中にはいました。トリばァも年齢や経験が様々で、何が正解で失敗かもないことだと思うので、仕方のないことだと思うのですが。一方で今年はトリばァとの接点が増えてきて、直接やりとりをすることでどんどんポジティブになって行きました。すごくいい変化だと思います。どうしてもたくさんの他者と関わることが多い現場なので、私たちも関わってもらう人たちに先入観を与えないよう気をつけないとと思っています。

ゼロから作る評価と価値

──VIVAはJR、アトレ、藝大、取手アートプロジェクト(TAP)という四者の産学連携事業になりますが、ディレクションをされてきて二年目の変化はありましたか?

五十殿:絶賛もがき中です。

森:四者の関係も必要ではあると思いますが、VIVAに関わってくれるアーティストとの信頼関係を構築していくことも重要だと考えています。現在、企業を絡めた様々なアートプロジェクトが立ち上がってはいますが、アーティストが企業に利用されたという印象になってしまっては本末転倒なので。オープンアーカイブの作品も含めて、VIVAを構成する要素をきちんと機能させていくためには、アーティストやアート・コミュニケータは欠かせない存在です。ただ、アトレさんは資金的な協力をしていただいているので、それに対しての責任は持ちたいと思っています。

武田:施設を継続していくためには必要な話ですよね。今のお話、とても腑に落ちました。僕ら企業が見ている距離感と森さんが思い描いている未来はおそらく全然違う。ただ、二年目になって、森さんが見ている景色に少し近づけているような気はしています。なかなか社内では説明しづらいですが。

五十殿:VIVAでは評価基準すらも自分たちで作る必要があります。そこが面白いところでもあるけど、まだ全然正解がないし日々起こることに対処することで精いっぱいという部分はあります。ただ、このような産官学が連携した文化施設で、しかもコミュニティを生み出そうとしているという取り組みはなかなかないので、この四者が連携するからこそ生まれるVIVAの価値についてもう少しちゃんと言葉にしたいなと思っています。

それぞれのVIVAの3年目に向けた目標

──では3年目に向けてのお話を伺いたいです。1年目は立ち上げの大変な時期、2年目は運用してあれこれ反省点も出てきた。少しづつVIVAが育ってきている感覚はそれぞれにお持ちだと思います。いよいよ3年目を迎えるにあたって、プログラム、発信、また初めてトリばァがデビューする(3年のVIVAでの活動任期を終え、社会に出ていくこと)ことなどに対して、それぞれどのようにやっていきたいかお聞かせいただけますでしょうか。

アトレ|武田文慶

武田:やりたいことはやはり外への発信です。マグマのように熱い気持ちや取り組みはすごくはまってきているので、あと一押し、二押しすれば坂を転がり落ちるように進みそうです。そのためのキーワードが何なのか、転がす方向をどちらにするかをアトレ、藝大だけでなく行政も含めた4者で考えていきたいと思います。あとは関係者だけでなく、アトレに買い物に来るお客様とVIVAのもう一歩進んだ関係性を生み出すことにチャレンジしたいです。

ひとつに「挨拶」があります。挨拶ができなければその先のやりとりもない、コミュニティが作れないわけですから、まずは気軽に挨拶できる仕組みを考えたいです。自慢になってしまいますが、実はアトレ取手のバックヤードでは従業員同士の挨拶が非常に活発な店舗なんです。これは他のアトレに勝っている所だという自負があります。VIVAにいらっしゃるお客様ともそのような関係になれたらと思っています。トリばァさんの中にもVIVAをよく利用する学生と何かをやりたいという気持ちはあると思いますが、急に話しかけるのは難しいので、仕組みを考えていきたいです。

VIVAプログラムオフィサー|髙木諒一

髙木:今動いているVIVAラボには、パークにいる人たちとコミュニケーションする実験をする日があるので、武田さんもぜひ来てください。サンドイッチマンのような看板を持って話しかけたり挨拶したりする部隊と、お悩み相談机で待ち受ける部隊とに分かれて実験をする予定なので、一緒にやりましょう。

武田:分かりました!

VIVAプログラムオフィサー|宮内芽依

宮内:3年目はトリばァが安心してデビューできるような環境を作っていきたいです。アクセスの講義を聞いたりして、いろんな人がいるんだなあと実感して、場や人が変われば自分らしさも変わることや、様々なところで居場所を自分で発見していけることを想像できる時間が取れるようにしたいです。

VIVAプログラムオフィサー|田中美菜希

田中:まず1つ目はトリばァともっと仲良くなること。オープンアーカイブでは、自画像の活用とたいけん美じゅつ研究所で貯まっている調査依頼書の活用を目標にしたいと思っています。

──では、鵜澤さんいかがですか? このチームでは一番アートに興味がなかった鵜澤さんの意識がどう変化するかに注目しています。

アトレ|鵜澤克弘

鵜澤:前までは作品を見てもふーんという感じだったのが、今は何だろうこれという疑問が出てきて、気になるから調べてみようかなと少しずつ思うようになりました。熊澤先生のレクチャーを受けて、オープンアーカイブの歴史的な価値が初めて腑に落ちましたので、自分のように分からない人にも少しでも分かってもらえるようにしたいです。少しでも興味を持って、ファンになってくれる方を増やしたいです。アトレの社員、他のアトレなどにも広げていきたいですね。

髙木:高校生や学校の先生と話す機会があるのですが、コロナの影響で授業が終わったらすぐ帰らなくてはいけないので、放課後の時間がなくなっていたり、オンラインが増えているようです。集まれる居場所がないのでVIVAは貴重な場所だと言ってくれる方もいます。オンラインも便利ですが、対面だからこそゆるいやりとり、雑談が生まれるところもあるので、そういった機会をもう少し増やしたいです。それこそ先程、森さんが言っていた飲み会に代わる場のようなもの、トリばァ以外も広く雑談できるような場になったらいいなと思います。そこに行けば誰かと会える場までいければ面白くなるのではないでしょうか。

VIVA共同ディレクター|森純平

森:僕は鵜澤さんの英才教育をすることにします。鵜澤さんと何かプロジェクトしてみたい!

ディレクションに関しては、VIVAは敢えてディレクションはせずに、場の可能性も人の可能性もまずは開いていった2年でした。3年目の次年度も同じように開き続けていこうと思います。3年目以降は戦略的に開いた可能性の背中をもう一歩おしたり、すこし手を握って支えてみたりしていこうと考えています。

VIVA 共同ディレクター|五十殿彩子

五十殿:一つはアトレさんがVIVAを語る時の言葉を見つけたいです。例えばアトレの社長がVIVAのことを他の人に自慢できるようなものです。また、3年目はトリばァがデビューする年なので、VIVAだけではなく学校やスポーツ少年団、あるいは福祉施設のような外部のコミュニティとの関わりが増えるといいなと思っています。それがVIVAがここにある意味をつくっていくと思っています。


現在、たいけん美じゅつ場では2022年度から活動するアート・コミュニケータ「トリばァ」を募集中です!

2022年3月27日(日)には、VIVAの一年の活動を振り返り今後の展望を話すフォーラムを開催いたします。


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