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水溜まり 上

昨日久々に水溜まりに落ちた。
コンクリートを歩くのに疲れたから、土の上を歩こうと暗闇で歩みを進めている最中の出来事である。

目的地へ続く道だろうと思っていた所が実はぬかるみだった。そんな記憶をふと思い出した。

小六、まだ将来について微塵も心配していなかった頃。六年生を送る会という催しで寒い時期だった。卒業生3人一グループとなって校内を回り、在校生各クラスが用意してくれた出し物(クイズ大会から腕相撲勝負、お化け屋敷など)に参加する恒例行事である。
適当なものから工夫を凝らしたものまで、あまり知らない学年の子が用意してくれた出し物を楽しんで催しも終わりが近づいていた。

テンションが上がり、同級生グループで話が弾む。
そのまま音楽室に入り、5年生によるお化け屋敷へ。暗闇を進むと、足を引っ張る役の子が登場。よく話す子だ。親しみが湧く。続いて突然響く楽器の音に驚きつつも足取り軽く先へ。

子ども用プールに何かが入っている。他の2人が避ける中、こんにゃくか何か入っているのかなと好奇心から足を踏み入れた。それに、せっかく用意してくれたのに体験しないのは5年生もガッカリするだろう。

ズボッ

中には水が入っていた。
すごく驚きつつも靴下が濡れたまま出口から出た。靴下はほんのり赤く染まっていた。
なんでも赤い絵の具を水に溶かした「血の池」だったらしい。

(水へ)入ると思わなかったと5年生に驚かれつつも大丈夫、そのうち乾くからと答えて集合場所の体育館へ向かった。

上履きは洗濯して卒業まで履いたが、靴下はどうしたか記憶にない。

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