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末寺の末事 85

 感謝のバランス感覚。たぶん平たく言えば、「身の程を弁える」ってことなのだろう。「地獄は一定すみかぞかし」ってことなのだろう。

 解ってる。知ってるけど、この表現というか、アプローチは正直好きになれない。「オマエなんか元よりダメ、どーせダメなんだから、これで上等だろ。」と絆されている気分だ。

 地獄生まれ無間育ち、悪そなオニはだいたい友ダチ、って境遇の方を何とかしてくれよ。貶めるだけ堕としといて、「な、ダメだろ?はい、いい加減に感謝しろよー。」って、なんか違うくないか?

 違うんだろうな。そんなこと言ってる時点で、「身の程知らず」なんだろ。もっと、徹底的にグウの音もでないくらい叩きのめされて、初めて到達できるのが、感謝の領域な気がするし、よく「日常の小さな有り難うを見つける」みたいな小気味いい言葉も耳にするけど、何か作為的だし、僕は偽善者っぽくてニヒニヒしてしまう。

to be continued



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