末寺の末事 68
何れにしても、始末はつけなけばならない。遅かれ早かれ、きっとお迎えは来ると信じている。たぶん、手遅れで間に合わないこともあるだろう。すると、それが僕の遺すものだ。満ち足りているのなら不満は要らない、感謝だけ。
今ないものは無理に足さない。それは加える為に苦悩しないということ。あるものは既にある、ないものは既にない。そこに感謝を遺して始末してゆく。
永い間、人生とは「引き算」だと思ってきたけれど、「引き算」でも「足し算」でもない。掛けたり割ったり、苦手な数字を計算せずとも、答えは始めからある。という『生き方』がある。
始末というと「引き算」的に捉えるかもしれないが、だからこそ、そこに感謝がないなら、放置や放棄になってしまう。投げ出すというのは、人生の投げ出し、命の投げ出しでもある。それもまた『生き方』なのだろう。
感謝とは、満ち足りて穏やかに安らぐということ。
to be continued
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