見出し画像

末寺の末事 166

 色褪せたという表現がしっくりくるのだが、これが老化ということかどうかは初めてなので解らない。他に言葉が見つからない。

 大きな喜びや興奮するような事はない。その代わり辛い悲しみや、酷くガッカリするような事もない。至極単純だが、そんな感じ。雑。

 僕の安き心は、いまここ。こんなもの憧れの対象にはなるまい。魅力など無いように思う。
 でも安らいでいる。不安や不満や、止め処もない焦燥感に苛まれる生き方。しかも、そこに大した意味はない。そんな暮らしから脱却したところに安らいで揺られに身を任す。

 辛い時もある。悲しい気持ちにもなる。落ち込んで、焦ったりもするだろう。そういうのが無くなったりはしない。ただ振れなくなった、それだけ。心がブルブルしない。

 フラフラ、ユラユラしている。
何がどう違うのか、きっと伝わらない。そんなものに価値などないのだから。僕にとって意味があるだけだ。

to be continued



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?