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iモード終了で思い出したこと

また1つ、新しい時代を彩った物が終わりを告げた。感慨深い…

iモードのサービスが始まったのは私が高校生だった頃。世の中の色んな物がスケルトンになってしまう異常事態がおきていた。
それまでは、ポケベルを使ったコミュニケーションだったのが一気に通話とショートメールが出来るように。
まだポケベルの前の席の友達に「3132957244」などと超くだらないメッセージを送ってくすくす楽しんでいた。
振り向いた時に私が変顔をしているというトラップね。

変わり者の代名詞NOKIAの機種を手にしルンルンだった私に友人が教えてくれたのが魔法のiらんどだっただろうか。
まだ出会い系という言葉もそれにまつわる犯罪もなかった本当の最初。
友達4人で、誰が1番返事が返ってくるかという遊びをした。
登録をしたけど、何を話したらいいのか?取り敢えずたどたどしくプロフィールなどを入力した。だいぶあっさりな内容にも反応はあっという間に50件程あっただろうか。
律儀に1件1件返していたら誰と何を話したか分からなくなって、直ぐにパンクして音を上げた(笑)
誰が1番返事が来たかというものもそれぞれがテンパってしまい結果は有耶無耶になった。
だいたい近い年齢の授業に熱心ではない男子か、運ちゃんだった。

思い出すのは、そのあと久々にサイトを開くと返事をくれていたサラリーマンのお兄さんだ。
とても丁寧な物腰柔らかな内容で、取りとめのない近況報告をし合うくらいだった。
なんて事ない女子高生の日常を聞いて楽しんでくれていた。こちらのメールの内容を汲んでくれる会話のラリーが心地よくて長く続いた人だと思う。

相手が本当にサラリーマンのお兄さんだったのか、疑うことを知らないピュアな時期だったので風貌すら想像もした事がなかった。
文字の向こうに人がいる。という感覚が備わってきた頃には、どんな人だろうと興味を持ち始めたのだけど、ある日の夕方からメールが途絶えてしまった。

嫌われちゃったかな?
なにか悪いこと言ったかな?と、すごく焦ってメールをするけど、返事がない。

ああもうなんかダメなんだ〜。と気を落とし、それから数日たってサラリーマンのお兄さんから返事が。
「ごめん、ごめん、今入院中(--;)」

「えっ!どこか具合が悪いのですか?」

「いやぁ、仕事の帰りに運転しながら○○ちゃんとメールしていたら自爆しちゃって、あはは」

あははじゃねぇ。あぶねぇ。
いや、、私のせいでもある。と猛省。

「○○ちゃん、お見舞いに来て〜♪」
「看護婦さんがおばちゃんばっか ガーン」

なんだかこれまでと様子が違う。寂しいのか、めっちゃ弱っているのか。一瞬、私のせいもあるしお見舞いに行かなくちゃ!と過ぎったが、リアルな健全な男性の感じを察すると私は心の扉がシャットダウンしてしまった。申し訳ない。会うの怖い…

「ごめんなさい。行けません。…お大事になさってください。」と返事をすると、

「冗談冗談♪ごめん、変なこと言っちゃったね。」

そのあと数日してから退院したようで、

「これを機に仕事サボってメールするのをやめようと思う(笑)長くやりとりしてくれてありがとうね。元気でね」

「はい!○○さんもね。お仕事頑張ってください」

こんな感じでキチッと終わった。
意外でしょう?

援助交際などが蔓延してクラスにもチラホラいたようだったけど、私の場合はこんなだったな。

私は、真面目だったんです。

ありがとう。そして、さようならiモード

fin


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