映画『首』を観た

★ストーリー
北野武の〝本能寺の変〟。

★女優
出演なし。
ないことはないが、主要キャストにはいない。さすが北野武。

★長澤まさみ研究
北野武監督は役者に「何もするな」と言うらしい。
たしかにビートたけし、浅野忠信、大森南朋は、何も演技をしていない。それが逆に凄い。浅野忠信と大森南朋は、ほかではとんでもない演技をする。そのふたりが演技を隠している。逆に加瀬亮や西島秀俊、中村獅童の組は、めちゃくちゃ演技している。それはそれで凄いのだが、もしどっちをする？という問いがあれば、後者だろう。だって、下手でも演技すれば何とかなる。でも前者3人は演技をしていない、いや実際はしているのだろうけど、しているように見せない。これは出来ない。
長澤まさみには、この部分がある。いや、「何もしないのに演技を魅せる」それ以上のものがある。
コンフィデンスマンのダー子を見ても、マザーの秋子、マスカレードホテルの山岸尚美、エルピスの浅川恵那、フリムンシスターズの玉城ちひろにしても、全く違う個性の役なのに、すべてが長澤まさみじゃないかと感じさせる。
これは長澤まさみが、役作りをする、何かをしているのではなく、自分に潜在する役と近い自分を探し出し、何もせずにその役になっているのではないか。
北野武の「何もしなくていい」の言葉は、長澤まさみ研究に新しい視点を与えてくれた。

★パンフレット
インタビューの顔ぶれがすごいから、それだけで買う価値あるけど、登場人物の写真や見出しがカッコいい。
ただ、最近のパンフレットに多いんやけど、横仕様はやめてほしい。読みづらいのよ。

★まとめ
劇場で初めて北野武映画を観た。
面白かった。もう一回は観ないだろうけど、観て良かったと思う。
僕個人的には、講談の勉強にもなった。