庶民のワインリスト2023
庶民のワイン研究所は来年5年目を迎えます。
毎年年末は「十二使徒ワイン」と称し、その年のベスト12本を選んでおりました。
しかし、19年、20年、21年と過去に自分が選出したワインを眺めていると気恥ずかしさが出てきます。
なぜなら、今飲んで感動できるかどうか問われると否だからです。
それは「美味しく感じなくなった」のではなく、「想像通りの味」になってきたからです。
今年飲んだワインを振り返ってみても、ほんとうの意味で感動できるワインはなくなってきました。
逆に言えばガッカリすることもなくなってきましたし、悪い意味で「イケスカナイ一般的なワイン愛好家」になってきたのかもしれません。
そういった意味では「常にオススメできそうなワインばかり飲んでる」とも言えますし、万人受けできるワイン選びの難しさなるものを痛烈に感じているフェーズに入っているのかもしれません。
すなわち、当研究所を毎日追っていれば必然的に行間で伝えたいことは伝わると思ってますし、ツイートだけではわからないハイコンテクストな裏テーマなんかも意図的に使っていたりします。
要はワインなんて好みなんですよ。
有識者に薦められて美味しいと思わないワインも多々ありますし、結局は値段に見合う価値基準があるかどうかに集約されるわけです。
よく〇〇円の味がするとか、この値段なら高いとか、この値段なら安いとか発言してますが、各々の可処分所得や経験値によって価値基準は変わります。
普段庶民を装ってる知人に、一万円のシャンパンをドヤリングするつもりで持参したら、超豪邸(推定3億)で自分が惨めになってきましたし、「庶民」って定義すら広範囲なんですよね。
そんな心境の変化もあり、今年から十二使徒ワインを発表するのはやめようと決断しておりました。
そんな折、こんな記事に出会います。
あぁ、なんかもう理屈じゃないなって。
考えすぎてたなって。
ぐちぐち気にせず、自分の好きなワイン発表できるって素敵なことやなって。
そこで「庶民のワインリスト2023」の作成を決断します。
庶民のワイン研究所がプロデュースすればこんなワインリストにするってやつです。
必然的に「値段」「知名度」「供給量」「取引先」を考えますし、もちろん自分が飲んで好きだったものが集約されます。
それでは早速発表します。
庶民のワインリスト2023
想定はバー併設のカジュアルレストラン(郊外)。コース料理が5000〜10000円ぐらいの庶民的なお店と仮定します。想定ターゲットは過去の自分。こんなお店あったら毎週通いたいって思うワインリストを作りました。
グラス
グラスはレンタル方式。お気に入りのグラスがあれば持ち込み可能。洗い物の手間、割れるリスクなどを考慮したwin win システム。持ち込みワインも1本1000円で対応
ピッコロ 1脚330円
ギャルソン(品種別で用意)1脚550円
サヴァ(容量別で用意)1脚880円
想定仕入先:グラス市場
持ち込みワインのオプション
預かり 220円(1日)
抜栓 1100円
ワインクーラー 1100円
BYOセット 5500円(持ち込み本数無制限、OP全込)
グラスワイン 440円
オレンジ ルナーリア・ピノグリージョ
ロゼ ルナーリア・チェラスオーロ・ダブルッツォ
白 エステザルグ or マス・ド・ジャニーニ
赤 エステザルグ or マス・ド・ジャニーニ
辛泡 ロータリ ブリュット プラチナ
甘泡 天使のアスティ
デカンタ(500ml) グラッフィティ ヴィーノ (ロッソ /ビアンコ)
グラスワイン 880円
自然派ワイン日替わり(例:ヴァンサン・リカール ムスー、ピエール・オリヴィエ・ボノーム、レ・ザスレット・デュ・ヴァン)
シャンパン ポワルヴェールジャックシャンパーニュブリュット
2980円(ボトル)
フィラディス「ビコーズ」シリーズ 品種別6種類
3480円(ボトル)
E.ギガル コート・デュ・ローヌ ブラン ルージュ ロゼ
シャトー・モン・ペラ ルージュ ブラン
5980円(ボトル)
ミッシェル・グロ(ブルゴーニュ オート コート ド ニュイ ルージュ)
9980円(ボトル)
ルイ・ジャド(ムルソー)
24800円(ボトル)
29800円(ボトル)
サン ガール オルパール ブラン ド ブラン ブリュット ミレジメ 2008
解説とまとめ
グラスワイン:スティルワインは食事に合わせやすい物でセレクト。箱ワインなので抜栓の手間もなく、品質管理も安易。デカンタワインを用意することで飲酒量が多い人にも対応。
自然派ワインは酒屋さんのおまかせ仕入れで気まぐれセレクト。甘口とシャンパンはコスパ最強のやつです。
ボトル:品種と国をバランスよく選定。高価なワインはデットストックになるのが嫌で少なめ(というかあまり知らない)。ボリュームゾーンの3480円はド定番で攻める。フィラディスさんのビコーズシリーズはわかりやすさといった意味でとっつきやすいかと。
キャパが大きくなればジョージア、ギリシャ、イタリアの土着なんかも攻めたいですが、あくまで「庶民のワインリスト」ですからね。
以上が庶民のワイン研究所4年の活動から出したベストワインリスト。
皆さまのワイン選びの参考になればと思います。(店頭販売価格はリンク先のブログ記事で確認)
想定仕入先:三本酒店(ディオニー、野村ユニソン、ヴァンクール、日仏商事)かめや(モトックス、フィラディス、エノテカ、ラック・コーポレーション)WINE PRO(都光、ディヴィーノ、大手系)