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大学教員公募戦士:「大学教授になるには」系の書籍

今回は趣きを変えて、大学教授(教員)になる方法をまとめた各種書籍を紹介したいと思います。

大学教授こそこそ日記

この一年ほどで出た絶対に外すことができない本です。ここまで生々しく大学教員の実態を露わにしたものは、なかなかないのではないでしょうか。苦労はさまざまな大学でそれなりにあるとは思いますが、苦労汎用性の高さは尋常ではないと思っています。

脱落したものの研究を続けている方

お歳を召してから放送大学大学院、さらには早稲田大学大学院へ進学され、見事博士号を取得された須藤英彦先生が、どのように勉強されたのかをおまとめになっております。

最後のほうに公募戦線にて戦ってなかなかうまくいかなかったことが書かれています。しかし研究員として研究を続けている様子がいきいきと示されています。

これから期待の分野:看護

看護の世界からの論文は非常に「出しにくい」とされています。よそから見ると医療じゃないの? と思われますが、医学の世界からみると、看護でやっていることは科学なの? と結構ひどい扱いをうけているような気がしています。

質的研究は、社会学や文化人類学でよく用いられますが、この調子で看護学で研究を進めるとえぐいことになります。ここ10年くらいでようやくそうでもなくなった印象はありますが……

社会人が大学教授になる方法

「選考のカラクリ」とは書かれていますが、カラクリというほどカラクリではありません。しかし著者も公募戦士でした。

私は手あたり次第、公募が出ている大学に片端から応募しました。10年間で、全国津々浦々80校ぐらい履歴書と研究教育業績書を送りました。

勝 弥勒. 社会人が大学教授になる方法 (p.3). Kindle 版.

内容はさほど新しいとはいえませんが、20ページほどとコンパクトにまとまっていますので、概要を掴むのには向いていると思います。

新装版大学教員を目指す若者へ

桜井先生により、若者向けの書籍です。先生は本当にまっとうに「学者」なんだなあと思い知ることができます。あまりに黒い部分を黒く示さず、あくまでも希望の灯として読めるようになっています。

しかし、その裏には多くの好奇心と多くの努力、そして判断力があったと思います。

大学の常識は、世間の非常識

もともと銀行マンであった塚崎先生が「大学」にいらした際の違和感がこんこんと書かれています。おそらく多くの実務家教員が塚崎先生と同じ感想を持つことになるかと思います。定年を迎えてからの発表はちょっと反則なような気もしますが…… 一般的なのかと問われると、退役軍人会の知る限り(経験の限り)では本当です。

Fラン大の准教授による一般論

「公募戦線」においてもっとも基本的なことが書かれています。筆者は「Fラン准教授」としていますが、退役軍人会から見ますとまだまだFラン度は低いかなぁと思うほど、ひどい話はあまり書かれていません。
しかしながら、応募から採用、さらに採用後の仕事までが網羅されていますので、非常に有用だと思っています。

教員=研究者

「公募戦線をいかに戦うか」にフォーカスされているわけではなく、研究者になるまで、さらにはその後の一般論と個人的経験が記されたものが、本書となります。

戦略的に「経営学」を専門として選択することは、おそらく「大学教員にはなりたいが、専門がうまく設定できない」という、これから戦線に立たれる方には大いに役立つのではないかと思います。

さらに「社会人なのにどうやって勉強時間を確保するか」についても触れられているのは、実際に体験した者にしか分からないところだと思います。

(ここからは投げ銭用の短文です)

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