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(私の)説明資料の作り方

最近「初学者向け」に製品やソリューションを解説する機会が増えました。とっかかりの説明をすることを期待されている事が多いようです。

難しいことをそのまま説明して理解してもらうことは難しいです。その理由と、私がいつも心がけていることをまとめます。

プレゼン資料の作り方はこちら。(全2回)

なんでわかってもらえないのか

ありがちなよくある資料の構成

  1. 機能の概要

  2. 優位点

  3. 利用シーン

  4. リリース時期

  5. 販売に関する情報(ライセンス、提供形態など)

情報としては必要十分で、これで理解してもらえれば嬉しいですよね。なにしろ準備も簡単です。開発や本社が作成した資料の体裁を整えればいいんですから。

でも、こういう説明を受けたとして、翌日まで内容を覚えている人は殆どいません。お客様に質問されてスラスラと回答できる人も、あまりいないです。

これは説明を聞いた人が「できが悪いから」ではなく、人間の脳はそういうモノだそうで。

忘却曲線(wiki)

まんま適用ってわけにはいきませんが、人間はどんどこ忘れていく生き物なのです。

説明のレベル

同じことを伝えるとしても、相手によって情報を変える必要があります。よく「小学生にもわかるように~」なんて話をする人がいますが、小学生にはわからんよw

どのくらい前提に違いがあるのか。
以前は3と4を同じくらいに考えていましたが、どうやらそうはいかないことがわかってきたので、分類を細かくしました。

  1. お母さん
    同じ国で生活した程度なので、「一致」する「常識」を探すのは困難。

  2. 高校の同級生
    同じ青春を謳歌してきたので、時代に基づく「常識」が一致している。

  3. 同僚
    同じ業界に所属しているので、ビジネス上の「常識」が一致している。

  4. チームメンバー
    同じ仕事に従事しているので、テクニカルな「常識」が一致している。

下に行くほど共通の前提知識が多いので、説明に必要な情報は少なく軽くなります。

社内向けは「3.同僚」に説明する想定で組み立てます。なお登壇の場合、2と3の間くらいを意識しています。

どんな説明をしているか(やっと本題)

ありがち説明をもう一度書きますね。

  1. 機能概要

  2. 優位点

  3. 利用シーン

  4. リリース時期

  5. 販売に関する情報(ライセンス、提供形態など)

これでうまくいかないのは、前提が合わないことも原因の一つですが、聞き手主体になっていないことが、最大の原因です。

いらない情報

「4.リリース時期」「5.販売に関する情報」は機能を理解する上で、全く必要がないです。売る時にわかっていればいいので、説明しないようにしています。

機能は重要か

「1.機能概要」「2.優位点」「3.利用シーン」の順番って、一見すると理にかなっているように思えますが、これらを別々に説明することは、理解しにくくなる原因だと思っています。そもそも、「機能」なんてパッと頭に入ります?

こういう構成にしています

  1. 機能登場以前の世界(潜在/顕在課題を示す)

  2. 課題が解決した状態(利用シーン)

  3. 誰を幸せにしたのか(優位点)

  4. 経験から語る使用感(経験談)

  5. まとめ(機能概要)←いらないかも

ポイントは、

  • 元あった順番を逆にする

  • それ以前の歴史的なことを最初にそえる

  • 自分の感想をつける(ない場合は取材してくる)

そのテクノロジーが生まれた背景を必ず説明します。そのうえで、自分の感想を話すのはとても効果があります。機能やスペックは覚えてもらえないですが、「経験談ストーリー」は説得力がある。

「これは現実の機能なのだデータシートの話ではない

最後に

今回まとめてて思い出したんですが、TED「サイモン シネック: 優れたリーダーはどうやって行動を促すか」の方法に近いですね。なるほど。

既存の資料を読むだけらAIでいい。資料以上の情報が無いなら対面の意味がない。自分が説明する意味を考え抜いて準備しようと思います。

おしまい。

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