(私の)説明資料の作り方
最近「初学者向け」に製品やソリューションを解説する機会が増えました。とっかかりの説明をすることを期待されている事が多いようです。
難しいことをそのまま説明して理解してもらうことは難しいです。その理由と、私がいつも心がけていることをまとめます。
プレゼン資料の作り方はこちら。(全2回)
なんでわかってもらえないのか
ありがちな資料の構成
機能の概要
優位点
利用シーン
リリース時期
販売に関する情報(ライセンス、提供形態など)
情報としては必要十分で、これで理解してもらえれば嬉しいですよね。なにしろ準備も簡単です。開発や本社が作成した資料の体裁を整えればいいんですから。
でも、こういう説明を受けたとして、翌日まで内容を覚えている人は殆どいません。お客様に質問されてスラスラと回答できる人も、あまりいないです。
これは説明を聞いた人が「できが悪いから」ではなく、人間の脳はそういうモノだそうで。
まんま適用ってわけにはいきませんが、人間はどんどこ忘れていく生き物なのです。
説明のレベル
同じことを伝えるとしても、相手によって情報を変える必要があります。よく「小学生にもわかるように~」なんて話をする人がいますが、小学生にはわからんよw
どのくらい前提に違いがあるのか。
以前は3と4を同じくらいに考えていましたが、どうやらそうはいかないことがわかってきたので、分類を細かくしました。
お母さん
同じ国で生活した程度なので、「一致」する「常識」を探すのは困難。高校の同級生
同じ青春を謳歌してきたので、時代に基づく「常識」が一致している。同僚
同じ業界に所属しているので、ビジネス上の「常識」が一致している。チームメンバー
同じ仕事に従事しているので、テクニカルな「常識」が一致している。
下に行くほど共通の前提知識が多いので、説明に必要な情報は少なくなります。
社内向けは「3.同僚」に説明する想定で組み立てます。なお登壇の場合、2と3の間くらいを意識しています。
どんな説明をしているか(やっと本題)
ありがち説明をもう一度書きますね。
機能概要
優位点
利用シーン
リリース時期
販売に関する情報(ライセンス、提供形態など)
これでうまくいかないのは、前提が合わないことも原因の一つですが、聞き手主体になっていないことが、最大の原因です。
いらない情報
「4.リリース時期」「5.販売に関する情報」は機能を理解する上で、全く必要がないです。売る時にわかっていればいいので、説明しないようにしています。
機能は重要か
「1.機能概要」「2.優位点」「3.利用シーン」の順番って、一見すると理にかなっているように思えますが、これらを別々に説明することは、理解しにくくなる原因だと思っています。そもそも、「機能」なんてパッと頭に入ります?
こういう構成にしています
機能登場以前の世界(潜在/顕在課題を示す)
課題が解決した状態(利用シーン)
誰を幸せにしたのか(優位点)
経験から語る使用感(経験談)
まとめ(機能概要)←いらないかも
ポイントは、
元あった順番を逆にする
それ以前の歴史的なことを最初にそえる
自分の感想をつける(ない場合は取材してくる)
そのテクノロジーが生まれた背景を必ず説明します。そのうえで、自分の感想を話すのはとても効果があります。機能やスペックは覚えてもらえないですが、「経験談」は説得力がある。
「これは現実の機能なのだ」
最後に
今回まとめてて思い出したんですが、TED「サイモン シネック: 優れたリーダーはどうやって行動を促すか」の方法に近いですね。なるほど。
既存の資料を読むだけらAIでいい。資料以上の情報が無いなら対面の意味がない。自分が説明する意味を考え抜いて準備しようと思います。
おしまい。
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