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優しさの連鎖

‪幼き頃の夏休み‬。

わたしはさほど裕福ではない家庭に育った。

‪わたしの育ったその地域では、
毎日早朝のラジオ体操があった。‬

‪そこではスタンプカードが用意されていて、‬
‪たくさんラジオ体操に参加すると景品が貰えた。‬

‪わたしには姉がいるが、姉たちはスタンプカードを所持し、気ままに起きれた時は、ラジオ体操に出かけていた。
その当時、小学生に満たなかった私は、そのスタンプカードもらえなかったので、そのスタンプカードが欲しくてたまらなかった。

私が欲しくて欲しくて泣いていると、
母が厚紙と色鉛筆で見様見真似で、
そのスタンプカードを作った。

わたしはとても嬉しかったが、
そのスタンプカードは姉たちが持っている
きれいに印刷されたものとは、雲泥の違いだった。しかし、当時のわたしは
とにかくそれが嬉しくて、
その手作りのスタンプカードに紐を通し、
首から下げて姉たちよりも多くラジオ体操に出かけていた。

ラジオ体操には、担当のおじさんがいて、
最初こそ、戸惑っていたが、
慣れたらその手作りスタンプカードに
当たり前のようにスタンプを押してくれた。

当然、みんなと同じように、
たくさんラジオ体操に行ったわたしは
景品をもらうことができた。

大人なっても、いまだになぜか残るこの記憶。

母の愛と、おじさんの優しさ、

わたしは、それ無くして今はないと思う。



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