ファーストロジックさんの「将棋選考」に参加しました。(勝手にPR?)

※ファーストロジックの人事担当者様が、ご親切にも本記事の掲載を許可してくれました。

最近の僕の行動を振り返ってみると、勉強も就活も遊びもバイトもろくにせず、将棋ばかりやっているようです。病気ですね。

そんな将棋廃人の僕にとっては、夢のような採用試験を用意してくださった企業がありました。それが「㈱ファーストロジック」さん。

全国オール学生選手権を主宰し、先日は新将棋会館建設に1000万円の寄付をされるなど、将棋界の発展に物凄く貢献してくださっている企業です。

僕にとっても、オール学生は奨励会退会後に初めて結果を残すことができ、将棋を続けるモチベーションになった思い出深い大会です。(過去記事宣伝)

「ファーストロジック」という企業名からわかる通り、論理的思考を大切にする社風と、将棋の論理的に先の展開を読む競技性にシンパシーを感じ、支援いただいているようです。

社会人になって将棋を辞めてしまう方が多いことを考えると、将棋に理解のある企業が増えてくれることは、アマチュア将棋界の興隆にも追い風になることでしょう。いち将棋ファンとしてもありがたい限りですね。

さて、試験の内容は、プロ棋士と対局し、その内容や結果次第で選考の一部をパスできるというもの。言うまでもなく狭き門ですが、学生時代の頑張りを、嘘くさい言葉で語る就活にはうんざりしてきたところなので、日頃の鍛練をこれ以上なく明白に示すことができるチャンスだと捉えて臨みました。


【1図】

今回、試験官を務めて下さるのは瀬川先生。
奨励会を三段で退会後、企業勤めを経て棋士編入試験を突破された経歴を持つ先生です。

力を見極めるという主旨か、やや珍しいタイミングで仕掛けられました。△73桂を保留しているのがポイントで、自然な▲68飛には△86歩▲同歩△75歩▲同歩△66歩と取り込んで、▲74歩の反撃が桂に当たらないことを主張します。

本譜は1図から▲同歩と取り、以下△86歩▲22角成△同銀▲64角△73桂▲86角△33角▲77桂△85桂と進んで2図。

【2図】

居飛車は歩損の代償として、軽快に桂を捌いてきます。ここで▲64角と指した手がぴったりで、難解な中盤から少し抜け出したように思いました。
以下、△77桂成なら一旦▲同飛と取り、飛車交換なら振り飛車十分。△81飛の辛抱も▲55歩で振り飛車ペースでしょう。

対局ルールは平手で3~4面指し。受験者有利かと思いきや、持ち時間がプロ30分対挑戦者10分なので、周りが先に終わると不利になります。秒読みは30秒なので、長引くとプロ側が凄く忙しいです。

くじ引きにより、僕は3ターン目で、ここまでは瀬川先生の7勝0敗。しかし、僕の横に座ったのが関西で最上位クラスの実力を持つ学生2人だったこともあり、チャンスは十分あると思いました。

2図以下、▲64角△81飛▲85桂△同飛▲86歩△81飛▲55歩△63金▲45桂△44角▲42角成△同玉▲68飛と進んで3図

【3図】

▲42角成が事実上の決め手で、3図は玉の固さが大差で振り飛車優勢です。以下、押しきって勝つことができました。

手順中、▲86歩に△65飛は、▲91角成△69飛成▲68飛△99竜▲63歩(A図)で、これも振り飛車良しです。

【A図】

多面指しとは言え、プロに勝てたのはとても嬉しい経験になりました。隣の対局も挑戦者が勝利し、このターンは学生側が2勝を挙げましたが、全体としては瀬川先生の11勝2敗で、プロ棋士の強さを示した格好です。

対局待ちの間、普段は会議室として使用されているという控え室で、お菓子を食べながら他の学生と練習将棋や検討をするなど、リラックスして過ごさせていただくことができました。
無駄な物がない環境も自分に合っていたのか、実力以上の将棋が指せたように思います。

また、対局後はオフィスの見学をさせてもらいました。職種ごとの「シマ」のような区切りがなく、壁紙やポスターも一切ないという、今まで見たことがない雰囲気の職場で興味をそそられました。
これも、「無駄なことをしない、やらないことを決める」という社風の表れで、派閥を作らない風通しの良さに繋がっているそうです。
「どんなオフィスで働きたいかというイメージは重要」by尊敬する僕の叔母なので、見学の機会があるのは嬉しいですね。就活生の方はマイページより、オンラインでのオフィスツアーも可能なようです。

今回、僕は対局を含めて非常に貴重な体験をさせてもらいました。ファーストロジックさんは選考のスピードが早く、25卒の採用に向けても動き出しているそうです。次にこのような機会がある際には、将棋の腕に自信のある方は応募されてみてはいかがでしょうか!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?