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最近本を読めてないなーって方へ 〜ながらでできる「耳読書」のススメ

こんにちは、AI歴25年の遠藤太位郎です。普段は、 東京学芸大学にて、教育AI研究プログラム 准教授やAIスタートアップ エクサウィザーズのAIエンジニアリングフェロー、理化学研究所AIP 客員研究員などを務めています。

コロナになって以降はフルリモート生活で、授業なども完全遠隔になりました。子供達と過ごす時間も増え、とても貴重な機会をもらったなと感じています。

ただ、そんなリモート生活でもフラストレーションを感じていた点がありました。

本を読む時間が取りにくくなったのです。子供が小さくてバタバタしている中、落ち着いて読書時間を確保する難易度は格段に上がりました。

そこで試してみたのがオーディオブックによる耳読書です。

半年ほど前から始めており、思いの外よくてQOLが増大しています。

この記事では、自分なりに試行錯誤したノウハウや、オススメの聴き方などを紹介していきたいと思います。

ちなみに、現在使っているアプリはAudilbleとaudiobook.jpです。共に1.5-2倍速で聴いています。

Audibleの聴き放題が始まって以降、その利便性は更に加速しています。

使い分けとしては、聴き放題のAudlbleをベースにし、audiobook.jpではAudibleにないものをピンポイントで購入して補完しています。

耳読書のメリット

メリットとしてまず一番に挙げられるのは、特に新しく時間を確保したわけではないのに本が読めるという点。

聴く場面としては
家事中(洗い物、掃除、洗濯、等)
休憩時間(一人での食事、風呂、運動、等)
移動中(特に歩いていたり、自転車など、スマホを見れないシーン)

などを活用することで、毎日1-2時間程度、本を読むことができるようになりました。

1冊の朗読時間は5-15時間程度が多いので、仮に1.5倍速で聴くと3-10時間程で読み終わります。週に10時間聞くことができれば、それだけで1-3冊も読めてしまいます。

例えば分厚い翻訳系の洋書を、時間を確保せず1週間でインプットできてしまうのは、自分にとって新しい世界観でした。すごい!

また、副次効果として家事のおっくうさが減るというのもありました。耳からインプットしながらやることで、洗い物や洗濯などもポジティブな時間になり、QOLが向上しました。

耳読書の特徴

あえて目と耳の読書を比べるとしたら、目からの読書はじっくり考えて理解を深める、耳からの読書は対話&インスピレーション、といった感覚があります。

耳からの読書はどんどん流れていきます。ある意味、筆者と対話している感覚もあるかもしれません。話の内容に共感したり、突っ込んだりといったことが、目で読書するよりも起こっている気がします。

また、自分の場合基本的に動きながらになるので、普通の読書のように全集中する感覚はありません。むしろ動いている分、目で読むよりリラックスしているかも。

動きながらリラックスして聴いているからか、対話感覚だからか、インスピレーションは目で読むより湧きやすい気がします。時々ハッとした気づきが起こることがあり、そんな時は再生を一時停止して、着想を噛み締めています。

耳読書を最大限する方法

耳読書は、どんどん本が読めるため、油断すると聴きたい本がなくなってしまうことがありえます。また、気分によって聴きたい本も変わったりします。耳読書は基本ながら読書なので、本を読むタイミングは突然やってきます。その瞬間すぐに聞き始められるよう準備しておくことで、常に読書ライフを楽しむことができます。

今聴きたいものをストックしつつ、いつか読もうと思っていた本を常時何冊かストックしておくのがオススメです。

自分がやっている工夫としては「出た時に気になっていたけど、読むタイミングを失ってしまっていた本」を揃えたりしています。

例えば、サピエンス全史上下→ホモデウス上下→21 Lessons の一連の本は思いっきり読むタイミングを逃してしまったのですが、ずっと気になっていた本でした。時間を作って全部読む気力も起きてなかったのですが、これを全部DLし、スキマ用にしました。

基本はその時に気になる本を読むのですが、そういった本はいつもあるとは限りません。そういうタイミングでスキマ用の本を読み進めると、思いの外進みます。

分厚い翻訳系の洋書など、集中的に聴いてしまってもよいですが、意外とそんなチョコチョコ読みもありだと思います。

あとは、やはり何度も聴きたい本というものもありまして、お気に入りの本を憶えるまで繰り返し聴くというのもステキな読み方だと思います。

耳読書に向いている本、向いていない本

テキストベースで進んでいく物語やノンフィクション、ビジネス書などは基本的に向いていると思います。ただ、もちろんですがメモを取ったり、付箋を貼りながらといったことは難しいので、あくまでもざっと流すイメージになります。熟読したい場合は目で読むのが向いているかもしれません。耳で聴いて気にいった本は、別途Kindleで買ったりもしています。

他にあまり向いていないと感じる本を挙げるとしたら、こんな感じでしょうか。

・図を参照することが多い本
図はダウンロードできるのですが、何かしながら聴くことが多いので、チェックするのはハードル高いです

・診断&解説系の本
耳で聴いて診断結果を出すのはだいぶ難しいです。仮に出せたとしても、自分に該当しない解説が続くので、聴いててなかなか辛いものがあります。

・ワークが多い本
止めて考えればいいので善し悪しなのですが、個人的にはおっくうで続かなかったです

・技術書
図が多い、数式が多い、ワークがある、など、向いていないというか、オーディオ化もほとんどされていないかも

まだまだオーディオブックになってない本も多いので、未だにKindleや紙で買うことも多いです。Audibleは聴き放題なので、気になった本はラジオ感覚でどんどん聴いてみる、合わなかったら次に行く、みたいな聴き方もありと思います。

快適に聴くためのノウハウ

聴こうとした瞬間にすぐに聴ける状態にしておくのがポイントです。そのために第一は、あらかじめダウンロードしておくこと。聴けるタイミングができた瞬間、すぐ聴けるフットワークが肝心です。

イヤフォンは、骨伝導がオススメです。耳が楽で痛くならないですし、耳を塞いでいないので、外の声や音も聞こえます。自分の場合家事をしながらなので、家の人の声が聞こえるのは重要ですし、移動中は周りの音が聞こえると安全です。

最後にちょっとハック的ですが、audiobook.jpは、高額の月額会員になってすぐ解約するのがお得だったりします。Audibleは聴き放題プランに入り、audiobooj.jpはAudibleで対応していない本をピンポイントで買うのですが、その際に一瞬だけ高額の月額会員になると、ポイントバックなどもありちょっとお得になります。買ったポイントは半年ほど有効です。audiobooj.jpはスマホ版とweb版で使えるポイントが違うのですが、このテクニックが使えるのはweb版のみだったりします。全体的にweb版の方がお得なので、自分は購入時はwebにログインして買い、聴く時はスマホアプリを使っています。

最後に

耳読書のおかげでだいぶQOLが上がったので、noteの記事にしてみました。紙から電子書籍でだいぶ読書ライフが変わりましたが、電子書籍からオーディオブックの変化もそれ以上に読書ライフを変えてくれました。

もちろん紙の本や電子書籍は不要というわけではなく、実際今も結構買っています。それぞれの媒体に良さや、向き不向きがあり、選択肢が増えたということかもしれません。

ただ、積読を崩すハードルの低さは圧倒的に 紙>電子>オーディオ です。同じ本で3種類出ていたら、最近は間違いなくオーディオを買っています。それだけ気楽に、さっと読めるのです。

「本を読むのが好きだったけど、最近忙しくて読めなくなってしまった」「出勤しなくなったら、電車での読書時間が消滅してしまった」方など、ぜひ耳からの読書を試してみてはどうでしょうか。本がどんどん読めて作業も捗る生活が待っています。

また、こうして耳読書をする人が増えることで、本の可能性もまた広がっていくかもしれないと感じています。耳読書は基本的に可処分時間を奪いません。あらゆるエンタメが可処分時間の奪い合いをしている中、ラジオのように聴くという行為は、一周回って新しい感覚があります。古くて新しい耳からのインプット、色々と探求してみませんか。


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