マガジンのカバー画像

さしみのおつくり

11
かつおのたたき
運営しているクリエイター

#暇なら読んでみて

真実

「どういうこと?」と引きつった顔であの子に聞いた。
腹部を擦りながら『お腹痛い!お腹痛い!』が最初の言葉だった。
そんな三文芝居をただただ無言で見つめていると、『あなたのことで相談に乗ってもらってただけ、本当に何も無い。ただの友だちだよ。』と答えた。
前科、と私が表現できる立場なのかは分からないが、そのことが脳裏によぎった私は、「お前からマッチョに電話かけてみろよ。」と、怒り気味に言った。
開口一

もっとみる

免罪符

あの時から止まっていた時間が再び動き出した瞬間だった。

かつて公開したその時のやり取りである。
青が私で、赤があの子である。
私の家へやってくることが決まってから気が気でなく、ソワソワしていた。
洗濯物をただ一箇所にまとめただけだったり、片付けと呼べる代物ではなかった。
彼氏が居たため遠慮していたのかどうかは分からないが、付き合いのあるグループの友人の中で私の家をその時まで訪れていないのは彼女だ

もっとみる

浮かれすぎて空飛んじゃってるよ

(※記憶が曖昧なところは辻褄が合うように、適当に補完しています。)

「なんかキョドっているし、おかしな人なのかも」と桜色の女神はそう言いたげな目で私を見ていた気がした。

お昼になった。
レン兄の元へと足を運ぶ。
「なんか色々大変そうですよね。」と私が言うと、「大変だ。お弁当を忘れてしまった。」と彼の口から返ってきた。
「母が惣菜パン大量に買ってきてくれたんですけど、食べるもの無かったらどうぞ。

もっとみる