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取らずに卒業はもったいない! 法政キャリアデザイン学部おすすめ授業(本も紹介)

 名古屋から東京に出てきて3年が過ぎ、私は早くも4年生になろうとしています。ありがたいことに、4年春学期では2つの講義で授業アシスタントを担当させてもらえることになり、新しく入学して学び始める1年生のサポートができることを嬉しく思います。

 何か先輩として1年生に伝えられる「有意義な情報」はないだろうかと考えたとき、やはり真っ先に思いつくのは「面白い講義」を共有することです。

私が言う面白い講義は、楽に単位が取れる科目(いわゆる楽単)のことではありません。3年間を振り返って記憶に残っている講義や、受けてよかったと思える講義です。この記事では、そんな私のおすすめ科目を、幅広くご紹介しようと思います。

①ILAC科目(教養科目)

倫理学Ⅰ/Ⅱ

担当教員:森村修先生
教養科目でも特に良かったと感じる授業。哲学や倫理学というと、実社会とはほど遠いものではないか、使えない学問なのではないかという印象を持つ人もいるかもしれませんが、この授業で倫理学が私たちの生き方や考え方といかに結びついているかということを知ることができました。

先生は、授業中に寝るなど不真面目な態度には厳しいですが、真面目に授業を受けていれば、ものすごく分かりやすい解説に聞き入ってしまうでしょう。

Practical English(ビジネス・コミュニケーション)A-Ⅰ/A-Ⅱ

担当教員:戸嶋まゆみ先生
あまり知られていませんが、キャリアデザイン学部の必修英語科目は別の英語科目に代替することができます(最新情報は分からないので、各自で確認してください。入学したときに案内の紙が配られるはずです)。

せっかくなので、より自分の興味に近い英語科目を受けたいなと思ったため、私は必修英語のうち2科目2単位を変更することにしました。そこで履修したのがこの科目です。

先生は有名な脳科学者の茂木健一郎氏とも関わりがあるらしく、海外経験など様々な経験をされている興味深い方でした。おすすめポイントは、学習者向けに分かりやすく書かれたスティーブジョブズの伝記を読むことを通して英語学習を進められる点です。予習が少し面倒に思うこともありましたが、必修英語を以外の体験ができたことが良かったと思います。

日本文学と文化LG/日本文学と文化LH

担当教員:榎本正樹先生
知る人ぞ知る有名授業。それは「新海誠のアニメ映画を観る授業」です。とは言っても、授業時間内に映画を視聴するのではなく、映画のシーンを画像で順に追いながら解説をしてくれます(おそらくオンライン授業形式になってから)。

ちなみに私はLH(新海アニメの授業)さえ取れればよかったのですが、なぜかシステム上LG(映画化された小説についての授業)もセットで取らなくてはならない体制でした。しかし、受けてみると、原作小説がどのように映画化されるかという興味深い視点で作品を眺めることができたためLGの方も良い授業だったと思います。

レポートは授業で取り扱った小説や映画の中から1作品を選んで作品論を展開するというものなので、気に入った作品が1作品でもあれば楽しんで取り組めるのではないかと思います。

②学部の基幹科目

ファシリテーション論

担当教員:鈴木まり子先生
実は1年生から受けられるこちらの科目。ファシリテーションとは「会議を促進すること」「話し合いを円滑に進めること」を目的とした司会・進行の技術です。この授業は私が大学で受けた授業の中でもかなり実践的で日常に活かすことができるものだったので、ぜひとも受けていただきたいオススメ科目です。

部活・サークル・ゼミなどで、複数人で話し合うための場を企画することは、よくあるかと思います。そうした話し合いが終わったときに「結局今日集まった意味は何だったのだろう?」となってしまってはもったいないですよね。これを防ぎ、有意義なコミュニケーションを創出するための考え方が技法を学ぶことができます。

ライフキャリア入門A

担当教員:田中研之輔先生
言わずと知れたキャリアデザイン学部の有名教授、タナケンによる授業。これを取らずに卒業するのは、正直かなりもったいないと思います。社会人講師の登壇やインターンシップの紹介などがあり、大学生活を充実したものにするために1年生のうちに受けることをおすすめします。

ライフキャリア入門B

担当教員:齋藤嘉孝先生
ひとことで言えば「家族論」についての授業です。恋愛・結婚・子育てなどについて扱います。大学生の恋愛事情についてのデータを見たり、家族をテーマにした映画を視聴したりと、面白い授業でした。学生からの人気もかなり高い印象です。

ライフキャリア入門C

担当教員:安田節之先生
安田先生はウェルビーイング(幸せ)を中心において研究を行われています。私自身も、人のキャリアデザインを考えるときに幸せは中核的なものだと考えているため、安田先生の授業は好んで取っていました。

ライフキャリア入門Cでは、先生の2つの専門分野のうち「コミュニティ心理学」という領域について学ぶことができます(もうひとつの「プログラム評価」については世代間交流論という科目で学べます)。

コミュニティ心理学は、人の息苦しさを取り除き、幸せな人生を実現するために、個人ではなく集団・環境に対して働きかけるという比較的新しい心理学的アプローチです。ちなみに個人に対してこれを行うとカウンセリングの領域になります。人とコミュニティ、幸せな人生に興味がある人には受講をおすすめします。

③展開科目(専門科目)

アントレプレナーシップ論ⅠⅡ

担当教員:松本真尚先生ほか
スタートアップやイノベーション創出の支援をしている株式会社WiLとタイアップして行われている授業。授業の中で、大手企業の事業開発担当者の方にお越しいただき、出されたお題(課題)を解決するための事業アイディアを考えます。

ただ座って聞いているだけの授業ではなく、自らのアイディアを考えて発表し、良いアイディアは評価してもらえるので、記憶に残る授業になりました。

キャリアカウンセリングⅠ~Ⅲ

担当教員:廣川先生、高橋先生、宮脇先生
自らの生き方をデザインし、他者の生き方をデザインするサポートをするというキャリアデザイン学部の理念に最も近い科目ともいえるのが、キャリアカウンセリングの授業だと思います。

この学部らしい授業ですし、キャリアについて専門的に学ぶためにぜひおすすめしたい科目です。私は3つとも履修しましたが、もっともおすすめは「Ⅱ」(高橋先生)です。キャリアカウンセリングの理論や考え方についてひとつひとつ丁寧に学べます。「Ⅰ」の廣川先生もカウンセリングの考え方を学べますが、カウンセリング以外の本の紹介やゲスト登壇も多い印象のため、2番目におすすめです。「Ⅲ」(宮脇先生)はケーススタディで、説明的な授業の印象でした。

メディア文化論

担当教員:堤信子先生
メディア文化論は学生からの人気が高い授業だと思います。講師の堤信子先生はフリーアナウンサーで、メディア業界の当事者からお話を聞くことができます。

アナウンサーから(テレビ番組以外で)色々なお話を聞く機会はまずないと思うので、貴重な機会になると思います。

外書購読B

担当教員:門脇仁先生
ライフキャリア領域にある英語の授業です。特徴的だったのは、希望者が自分で好きな英語文章を選んで、それを解説する授業を行えることです(これをやるとテストのときに加点してもらえます)。

自分の好きな分野の簡単な英文を選び、興味をもってもらえるようにそれを解説するという貴重な体験ができました。

世代間交流論

担当教員:安田節之先生
ライフキャリア入門C(上で解説)と同じ安田先生の授業です。先生の2つの専門分野のうち「プログラム評価」という領域について学ぶことができます。

プログラムとは、目的のある活動です。例えば、オープンキャンパスや、参加型のイベント、授業などがそうです。そうした活動が、本当に効果があるものか、より高い効果を上げるにはどうしたらいいのか考える方法を学びます。実際に架空のプログラムを設計してみるグループワークを行い、実践に結びつけながら考えられる点が良かったです。

身体表現論

担当教員:叶雄大先生
小学校のレクリエーション活動のような、体を動かすことで人とコミュニケーションをとることについて実際に行いながら学ぶ授業です。雰囲気も学級レクのような感じで楽しく、想像力を使う大変面白い授業でした。かなりおすすめです。
映画予告編のシナリオを作るグループワークも面白かったです。

文化マーケティング論/ブランド創造論

担当教員:横井先生、石原先生
どちらもビジネスの現場でクリエイティブな活動をしている実務家による授業。横井先生は「自己紹介2.0」など印象的な本を執筆されています。大学にこもって研究をしている教授ではなく、実際に現場で活躍している人が何を考えているのか知りたい人におすすめです。

キャリア研究調査実習F

担当教員:大西未希先生
実際に現地に行って、観察したことを書き起こすことで調査を行う「フィールドワーク」をまちづくりと関連づけて学ぶことができます。

実践をくり返しながら研究の技術を身に着けることができるため、卒業論文を執筆する前に受けると重宝するかもしれません。普段見慣れた景色を違った視点で眺めて、分析して、何かに役立てるという経験は一生もののスキルになるような気がします。

建築フォーラム

これは完全に番外編なのですが、法政大学には他学部の授業を履修することができる「他学部公開科目」の履修制度があることを説明したくて書いてみました。

自分の場合は建築に興味があったため、デザイン工学部の授業を履修するという貴重な経験ができました。公開型セミナーのような授業だったので、専門用語が連発して難しいということはなく、楽しんで参加することができました(もちろん単位ももらえます)。

良い授業を選ぶコツ

ここまで様々な授業を紹介してきましたが、一番はやはり自分の目と耳で確かめることだと思います。私の考える良い授業を選ぶコツを2つ、最後に書いておきたいと思います。

第一に、きちんとシラバスを読むことです。シラバスには授業のすべてが載っています。シラバスは担当教員が書いているため、文章を通して授業の親しみやすさ、分かりやすさ、自分に合っているかどうかが判断できるでしょう。

そうしたら第二に、仮履修期間に多めの授業を取り、面白くない授業をどんどん切り捨てていくといいでしょう。経験的には、初回授業に参加してつまらないと思った授業は最後まであまりモチベーションが湧きません。先生が棒読みで淡々として、面白くないなーと思った講義はどんどん切る。それができるように、少しおおめに候補をリストアップしておくといいのかもしれません。

本を買おう

大学で賢くなれるかどうかは、どれだけ本を買って読めるかにかかっていると感じます。専門書は高いため、私も買うのをためらっていましたが、安く手に入れる方法を知り、購入して読み込むようになってから学習の密度が格段に変わりました。

コツも何もないのですが、メルカリ・ラクマ・アマゾンなどで中古本を買うと、本を安く手に入れることができます。大学での学びを充実したものにするために、ぜひお試しあれ。

最後までお読みいただきありがとうございます!いただいたサポートでさらに学びに励もうと思います。「スキ」もぜひお願いいたします!