セカンドハーフ通信 第10話 スケジュール管理の落とし穴

スケジュール管理の落とし穴

会社を辞めた直後はやることが多く、スケジュールがいっぱいだった。健康保険や失業給付、税金関係の手続き、お世話になった方への挨拶、身の回りの整理、いままで溜めていた家の片付け、新しく取り組みたい仕事の準備などだ。

それらが一段落した後、これからはだらだらしてはいけないと思い、スケジュールを埋めていった。映画やスポーツ、友人との会食、買い物、語学の勉強、エッセイの執筆などをスマホのスケジューラーに入れていく。スケジュールが埋まるとなんとなく充実しているような気分に浸っていた。

ところが、ある時妻にスケジュールをみせると逆に驚かれた。「何でそんなにびっちりスケジュールを組んでいるの?せっかく自由な新生活が始まったのに!」といわれ、はっと我に返った。サラリーマン時代と違ったスタイルで新しいことをやろうとしていたはずなのに、結局、内容は変わってもサラリーマン時代と同じようなスタイルになっていたのだ。

そもそもスケジュールをきっちり立て、それをこなすこと自体は目的ではない。なのに、きっちりスケジュールを立て、予定通り実行していることに満足している自分がいる。時間を気にせず「今」を楽しむはずではなかったか?

もちろんスケジュールを立てることは悪いことではない。ただ、なにかに追われる癖がついてしまっていると、1つ1つのイベントをじっくり味わったり、ときには予定を変更して気ままさを楽しむことができない。

これからの指針である「今を楽しむこと」に改めて立ち戻ろう。

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