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G検定 人工知能研究の歴史

人間の心理とAI効果とは

多くの人が、人間特有の知能だと考えられていたものが機械で実現できると、「それは知能ではない」と感じることがあります。これはAI効果と呼ばれる心理的な現象です。時代とともに「人工知能」のイメージが変化してしまうのも興味深い現象で、この効果により人工知能の貢献は過小評価されていると主張するAI研究者もいます。

人工知能とロボットの違い

一般的には、人工知能とロボットの研究はほぼ同じものと考えられることがあります。しかし、専門家の間ではこの2つは明確に異なります。簡単に言えば、ロボットの脳に当たる部分が人工知能になります

脳以外の部分を研究対象としているロボットの研究者は人工知能の研究者ではありませんし、人工知能の研究はロボットの脳だけを対象としているわけではありません。例えば、将棋や囲碁のようなゲームでは、物理的な身体は必要ありません。つまり、人工知能の研究は「考える(知的な処理能力)」という目に見えないものを中心に扱っている学問だと考えてよいでしょう。


ロボット研究と人工知能の違い

世界初の汎用電子式コンピュータ

1946年にアメリカのペンシルバニア大学で、世界初の汎用電子式コンピュータとされる「エニアック(ENIAC)」が開発されました。エニアックは、驚くべき17,468本もの真空管を使った巨大な電子計算機でした。このエニアックは、当時としては圧倒的な計算力を持っていました。
エニアックの誕生は、将来的にコンピュータが人間の能力を超える可能性があることを示すきっかけとなりました。この出来事は、コンピュータ技術の発展に大きな影響を与え、現在のような高度なコンピューターや人工知能の研究へとつながっていきました。

ダートマス会議

1956年にアメリカで開催されたダートマス会議で初めて「人工知能」という言葉が使われました。この会議には、後に人工知能や情報理論の研究で重要な役割を果たす著名な研究者たちが参加し、コンピュータが知的に行動したり、思考したりするプログラムの実現可能性について議論されました。

人工知能のブームと冬の時代


人工知能の研究は、ブームと冬の時代を何度か繰り返してきました。最初のブームは、コンピュータが推論や探索を行えるようになった時代で、特に英語とロシア語の機械翻訳が注目されました。しかし、複雑な現実の問題が解けないことが明らかになり、研究は冬の時代を迎えました。

次のブームは、コンピュータに知識を与えることで賢くなるというアプローチが盛んになった時代で、専門知識を大量に持つデータベースを利用したエキスパートシステムが実用化されました。しかし、知識の蓄積・管理が困難であることが分かり、再び冬の時代に突入しました。

現在のブームは、大量のデータを利用して人工知能が自ら知識を獲得する機械学習が実用化された時代です。さらに、人工知能が特徴量を自ら習得するディープラーニングが登場し、画像認識や人間の囲碁のチャンピオンに勝利するなどの成果がありました。

それぞれのブームは互いに重なり合っており、各時代で主役だった技術も今でも重要な研究として継続されています。最初のブームは「推論・探索の時代」、次のブームは「知識の時代」、現在のブームは「機械学習と特徴表現学習の時代」と言えるでしょう。

1956年にアメリカで開催されたダートマス会議で初めて「人工知能」という言葉が使われました。この会議には、後に人工知能や情報理論の研究で重要な役割を果たす著名な研究者たちが参加し、コンピュータが知的に行動したり、思考したりするプログラムの実現可能性について議論されました。

人工知能の研究は、ブームと冬の時代を何度か繰り返してきました。最初のブームは、コンピュータが推論や探索を行えるようになった時代で、特に英語とロシア語の機械翻訳が注目されました。しかし、複雑な現実の問題が解けないことが明らかになり、研究は冬の時代を迎えました。

次のブームは、コンピュータに知識を与えることで賢くなるというアプローチが盛んになった時代で、専門知識を大量に持つデータベースを利用したエキスパートシステムが実用化されました。しかし、知識の蓄積・管理が困難であることが分かり、再び冬の時代に突入しました。

現在のブームは、大量のデータを利用して人工知能が自ら知識を獲得する機械学習が実用化された時代です。さらに、人工知能が特徴量を自ら習得するディープラーニングが登場し、画像認識や人間の囲碁のチャンピオンに勝利するなどの成果がありました。

それぞれのブームは互いに重なり合っており、各時代で主役だった技術も今でも重要な研究として継続されています。最初のブームは「推論・探索の時代」、次のブームは「知識の時代」、現在のブームは「機械学習と特徴表現学習の時代」と言えるでしょう。

詳しく人工知能のブームと冬の時代

■第 1次 AIブーム (推論・探索の時代 :1950年 代後半~1960年代)


コンピュータによる「推論」や「探索」の研究が進み、特定の問題に対し
て解を提示できるようになったことがブームの要因です。東西冷戦下のア
メ リカでは、特に英語― ロシア語の機械翻訳が注 目されました。しかし、迷路や数学の定理の証明のような簡単な問題 (「 トイ・プロブレム (おもちゃ
の問題)」 )は 解けても、複雑な現実の問題は解けないことが明らかになっ
た結果、ブームは急速に冷 め、1970年代 には人工知能研究は冬の時代を迎えます。

■第 2次AIブーム (知識の時代 :1980年 代)


コンピュータに「知識」を入れると賢くなるというアプローチが全盛を迎
え、データベースに大量の専門知識 を溜め込んだエキスパー トシステム と
呼ばれ る実用的なシステムがたくさん作 られました。日本では、政府に
よって「第五世代コンピュータ」と名付けられた大型 プロジェク トが推進 されました。しかし、知識 を蓄積・管理することの大変さが明らかになって くると、1995年 ごろからAIは再び冬の時代に突入します。

■第 3次AIブーム (機械学習・特徴表現学習の時代 :2010年 ~)


ビッグデータと呼ばれる大量のデータを用いることで、人工知能が自ら
知識を獲得する機械学習が実用化されました。また、知識を定義する要素
(特徴量と呼ばれる対象を認識する際に注目すべき特徴を定量的に表した
もの)を人工知能が自ら習得するディープラーニング (深層学習)が登場し
たことが、ブームの背景にあります。ディープラーニングを用いたチーム
が画像認識競技で圧勝 したことや人間の碁のチャンピオンにディープラー
ニングを用いた人工知能であるAlphaGoが勝利するなど、象徴的な出来事
が重なり、また、人間を超える超知性が誕生する(シンギュラリティー)可能性に対する懸念などが広まったことで、期待値がさらに高くなっています。

人工知能のブームと冬の時代まとめ


大まかに言うと
第 1次AIブームは「推論 探索の時代」
第2次 AIブームは「知識の時代」
第3次 AIブームは「機械学習と特徴表現学習の時代」
であると言えるでしょう。
ただし、より正確には、この3つは互いに重 なり合っています。
たとえば、第2次 ブームの主役である知識表現も、第3次ブームの主役である機械学習も、本質的な技術の提案は、第1次 ブームのときに既に起こってお り、逆に、第1次 ブームで主役だった推論や探索も、第2次ブームで主役だった知識表現も、今でも重要な研究として継続されています

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