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【スターの悲鳴はとどかない】どんな著名人でも、瞬時に失墜する

終身雇用制がファンタジーだと知れた現代には、“著名人”の地位もおなじ。いま時代を牽引しているスターにも、明日の保証はない。このトピックでは、「業界ピラミッドは幻想」だと、知ることができる。“昭和感覚人”の影響に痛みを感じているアーティストの、ために書く。

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アーティスト情報局:太一監督
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監督がスタジオから発する生存の記
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『 仮想敵 vs 感情軍 』

すこしだけ、昔の話だ。
“不景気”という嘘の風潮を蔓延させることに成功した経済人たちは、バブルに匹敵する戦後最大級の好景気を謳歌しながら内部留保を拡大させていった。その絶頂期にパンデミックが発生、世界が一時停止した。経済が停止し、ひとびとは未来を見失った。

気付いただろうか。
事業家たちの間では当然の話だが、企業は困っていない。“世界一時停止”を見誤って現状維持を狙った者だけが現金を溶かし、困窮しているに過ぎない。

と、こういう事実を言葉にすることで圧倒的多数の“苦境民”の反感を買い、“仮想敵”としてロックオンされる。徹底的な人格否定で押しつぶすアクションは悪意ではなく、“正義感”がためだ。正義には迷いがない。迷いがなければ、反論にもダメージはない。後乗りが続き、“感情の軍隊”が誕生する。エビデンスに無関心な「感情軍」に勝てる者など、いない。わたしがこんなことを書ける理由はシンプルに、圧倒的多数側の苦境民だからだ。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:「ハリー ポッター」著者J.K.ローリングの“トランスフォビア”は容認できないが、彼女のオンラインハラスメントも容認できない

王室の回顧録やハゲた億万長者の宇宙への打ち上げ、プレイボーイのバニーになったドリー・パートン、復活したキャリー・ブラッドショーのベルトなど、インターネットが大好きな日もある。また、ある日には正反対のことが起こる。Twitterユーザーが “J.K.ローリング” の郵便受けに「とても素敵なパイプ爆弾」を願うことなどです。

ローリングと彼女の個人的なトランスジェンダー説の話が繰り返されていることに不満を感じながらも、彼女を攻撃した人たちの嫌なやり方から目をそらすことはできません。彼女がレイプされることを願ったり、彼女の死を願ったり。悪名高い(そして多くの議論を呼んだ)トランスジェンダーに関するエッセイから1年間のローリングの扱いは、率直に言って、ひどいものだ。正当化できないレベルに。

ローリングへの憤りは理解できる。私たちは、彼女がその巨大なプラットフォームを利用して、危険なレトリックを押し付けるのを見ています。ローリングの行動に同意しませんが、彼女の悪意を望むものでも無い。敵意が蔓延しているインターネットの心理を心配している。

憎しみはどこからでも生まれる。心配なのは、共感性が死んでしまうことだ。ローリングが嫌がらせを受けていることに対して、言い訳や正当化をしたくはない。脅されたり侮辱されたりするたびに、彼女は自分の怒りを正当化している。

侮辱合戦に陥れば(オンライン、オフラインを問わず)コミュニティが損なわれてしまう。文明は、礼節を重んじることから創られるのだ。 - JULY 21, 2021 VOGUE US -

『 ニュースのよみかた: 』

「ハリー ポッター」著者J.K.ローリングの不用意なTweetが発端で炎上し続けている状況に、同情できないし味方もしない。反論を黙らないならファンのコミュニティを無くすだろう、という記事。

一般的なスターなら、数十人が引退宣言している程の状況だ。その裏で新作を書き上げて発表し、新ドラマもローンチさせている彼女のメンタルの強さは他意なく、「世紀のスター級アーティスト」だと言える。真似しようなどとは、想わない方がいい。不可能だ。

『 格差社会に発生した、世界同時“平等” 』

格差社会が急拡大していることにより、“会社”という城の権威は崩壊した。その影響から必然、“社内ピラミッド”が機能不全を起こしている。テレワークに対応できない機械音痴の上司など、足手まとい以外のなにものでもない。それは対外的にも派生しており、他社の上司とて、ただの時代遅れな“印鑑”に過ぎない。図らずも脱印鑑が推奨され、クラウドサービスを介したオンラインによる記名押印が完了できる現在、その役目すらも無用になっている。

「そんなことはない!対人こそが事業であり、上下あっての人間関係だ!!」と激高する方もいると想うが、気にしなくていい。時代に遅れている自覚がない以前にいまだ「感情主導」の意見を持ち出す原始人に、未来は無い。

『 もう“上司”はいない。 』

日本は30代を中心に、進展している。肌感では既に、20代が社会の中核にアクセスできており、40代はもう重荷になっている。50代以上は足手まといだ。意外なことはなく、活況なタイやフィリピンでは更に10歳若い。

“実力主体の現代インフラ”が、機能してる。オンラインは“世界”であり、日本語を交わしていてもそこではデファクトスタンダードがルールになっている。性別も年齢確認もない国際ルールはプラットフォームを介して、「平等」である。

『 著名人に告ぐ。 』

キャリアも受賞歴も認知度も現在の威光も、もう貴方を護らない。スターを支えた業界は崩壊寸前にあり、ファンも仲間も保身に追われている。頼みの綱のメディアは既にスターだった貴方よりも、インフルエンサーのみならず個人、コミュニティの意思を尊重する。狙われたが最期、現在の「ブランド」を維持することはできない。必ず、地に墜ちる。

スターのブランドは“襲名性”よろしく、貴方が失墜した翌朝にはその椅子に、次の誰かが座っている。その人物はギラギラしたライバルではなく、最も近くにいて、まったく毒の無い人間だろう。あなたはただその時に備えて、“一般人”に学び、業界に感謝し、社会を愛し、最新を受け入れればいい。ただそれだけだ。

そもそもに我々は最初から、誰も必要とされていない。

日本コンテンツ産業界ですらどの主要部署であっても倍率は、常に200倍だと言われる。絶対に必要なスターなど、無い。常に代わりがいて、人々は“変化”を求めている。去る瞬間も美しくあれ、我らが憧れのスターとして。

『 編集後記:』

徒歩か自転車だ。こんなにシンプルな移動方法で生活できている今を、想像すらできなかった。8時間歩けば、どこにでも移動できることも知った。目指すは、トランク2つだけで暮らせるミニマルな生活。最も大きな仕事道具の“モニター”を撤廃するために、ヘッドマウント ディスプレイかスマートグラスの高画質化を待っている。

「昭和アナログ生活」と「最先端ガジェット」の相性こそ、現代ライフハックの最適解だ。

昭和を生きた未来人になるべくこの瞬間のUpdateを欠かさず、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

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