見出し画像

【現状維持は幻想】作品より、仕組みを創った者だけに近未来あり

企業が業界を支えられなくなった今、あらたな活動が始まっている。できるアーティストは、業界の核となる“仕組み”に注力している。このトピックでは、「目先にとらわれない近未来創り」を、知ることができる。このまま暮らしても人生が変わらないことに気付いているアーティストの、ために書く。

--------------------------------------------------------------------------
アーティスト情報局:太一監督
×
日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
--------------------------------------------------------------------------

『 今日の活動は、過去の準備の成果 』

現状維持とは、“挑んだ結果の失敗”をいう。現状維持を願ったなら必ず、失速する。アーティストは間もなく、創作すら続けられない生活環境に直面する。企業は存続を優先して事業方針を変更する、顧客は投資方針を変更する、成功しているアーティストは「趣味」で創作を続け、一般アーティストは「副業」で創作を続け、クリエイターたちは転職を余儀なくされる。

防ぐ方法はない、もう始まっているのだから。図らずもこれは世界的な風潮であり、逃げ場もオアシスもない。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:GUCCIが、非営利団体支援のためのインパクトファンドを始動


ロサンゼルスを拠点とし、ファッション界の次世代を担うグッチの経営者のアントワン フィリップスは、ラグジュアリーブランドの奨学金プログラムや、全米12都市の非営利団体を支援するインパクトファンドを通じて支援している。


「ロサンゼルス出身の有色人種の男性として言えることは、さまざまな都市で次世代の有色人種のクリエイティブを強化し、機会を増幅させることです」

フィリップスは、ロデオドライブにあるGiorgio ARMANIのセールスマンとして、ファッションの世界に足を踏み入れた。Yves Saint Laurent、COACHでPR.を務めた後、ロサンゼルスを拠点とする高級ブランド&カルチャー エンゲージメント担当VPとして入社した後、2019年に立ち上げたのが、「Gucci Changemakers North America」。その焦点は、ファッション業界。

500万ドルのインパクトファンドと、ファッション関連のキャリアを計画している多様な背景を持つ学部生を対象としたニーズベースの奨学金プログラムの2つのプログラムが含まれる。

GUCCIではダイバーシティの取り組みが進められていたが2年前、“ブラックフェイス”を表現していると思われるセーターが物議を醸したことで、ブランド自身も苦境に立たされた。

AMPAS(米国アカデミー賞協会)のCOOであるクリスティン シモンズ氏が語る。「アカデミーには基盤となる多種の部門がありまず。多くの会員は大スターではなく、まだ駆け出しです。そのために助成金に頼っていることは、理解されていません。助成金を受けることで、その活動はさらに拡大させることができるのです」 - JULY 23, 2021 THE Hollywood REPORTER -

『 ニュースのよみかた: 』

GUCCIが全米と有色人種対象のインパクトファンドを開設。アカデミー賞協会も“助成金”の使用を推奨、という記事。

ハイブランドとファッション業界は、前例のない苦境にある。

なお、いくつか備考を。

GUCCIは他にも、この助成金対照者には、GUCCIでの任務や6週間のオンライン支援プログラムを提供。これらは多くの学生たちが“残り200万円”が足りずに卒業できていないという調査実態が反映されている。

インパクトファンドとは、
投資は一般的に、「リスク」と「リターン」の価値判断からなる。そこに第3の「インパクト」を加えた投資をいう。“インパクト”とは、損得だけではなく“社会的や環境的な効果”を価値とみなすリターンのことだ。

日本では、企業によるインパクトファンドが讃えられない。また個人のインパクト投資にも、“偽善”の声が上がる。まだ人々が、豊かだということだろう。格差は爆発的に拡大しており、もう止まらない。その頃、必然的に必要になるのが“助成金”であろう。

わたし自身も、いくつかの代表を務める会社も一切、助成金を受けたことがない。恥ずかしながらわたしはそれを、誇りだと想っていた。しかし、「助成金を受けることが、助成活動を拡大させる。」確かにその通りだ。

わたしは今、ブロックチェーン業界の若き精鋭たち、各国企業たちと合同で、インディペンデント映画界支援の大型ファンド組成を準備している。技術的には問題なし、投資家たちは天井知らずの勇者揃い、管理庶務にはクレバーな精鋭が集結。まるで順風満帆を描いたかのようなアベンジャーズ揃いなのだが、ローンチ可能かどうかは判らない。「法律」が壁になっている。
需要と供給のすべてが揃っているこの現状で、「前例がないので――」という法の壁を前にしている。

いったいこの“法”は、誰のためのものなのか、と想う。なるほど、“補助金を求め、遣うことは、その活動を拡大”させる、力になる。

『 “仕組み”という未来 』

頼みの綱の「助成制度」は一時の延命に過ぎず、助成金に救われている間に経過した時間分、苦境は増している。

ならばこそ、我々一般アーティストが創作活動を続ける方法は2つしかない。「向上に挑戦し続ける」か「仕組みに挑む」かだ。
向上への挑戦は当然として、「仕組み」を考えるべきである。

仕組みとは、“近未来への準備”のこと。
特に、自身の価値を活用して“他者”を支援することを指す。「それどころではない!」という深刻な状況にある人もいるだろう。だからこそ、目の前の誰かを支援して、“共に”未来に備えた方が効率がいい。

材料となるのは、“現在のあなたの価値”だ。
出し惜しみせず、全放出するべき時だ。
安心していい、誰も奪えない。

『 未来を設計する 』

目先の生活、現金を追うのは負けた証だ。本人がどれだけ虚勢を示しても、“新作風の小作”をフリー プラットフォームにアップロードしても、それは効果の無い趣味に過ぎない。時間を浪費したという現実だけを抱えることとなる。

明確な設計のうえで、活動に移すことが重要だ。「勘」に未来を委ねるならそれはギャンブルなのだから。設計には、「人」「技術」「計画」のバランスが必要だ。なお、やり遂げずに人間関係を理由にプロジェクトを離れたことのある人間には、近づかない方がいい。それはその人間の性質であり、繰り返す。手を取り合うには危険だ。

『 編集後記:』

アーティストは企画の設計時に、情報を遮断しはじめる。これまでにインプットしてきた情報を、精査する作業に突入するからだ。それでもどこかから流れ込んでくる“力”のある情報がある。多くは“ニュース”だが、例外もある。

「オリンピック」は強い。どう遮断しても、メダルの数まで都度の情報が入ってくる。羨ましくてしかたがない。

静なる今を抱えて未来を描く、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記