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【アニメーションを、飾る】漫画とアニメの間に、「原画」がある

“アニメーター”という職業がある。誰もが知っていながらその実、顔が浮かばない。それは彼らが作品の発表方法を知らなかったため。このトピックでは、「地位に相応しい作品の発表方法」を、知ることができる。新解釈の作品を生み出しつつも既存のプラットフォームに違和感を感じているアーティストの、ために書く。

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アーティスト情報局:太一監督
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日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、
監督がスタジオから発する生存の記
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『 作品の生み方、公開方法は変わる 』

アーティストはガジェットとプラットフォームの進化に応じて、作風を変えている。ただしくは都度、新たなタイプのアーティストが誕生し、価値化され、増殖している。一方で、圧倒的な価値化はさらに難易度を増し、既存のプラットフォームだけでは表現できないジャンルが存在している。誰にも認知されていながら、誰からも観えない業界、が存在してるのだ、

たとえば、アニメーションの中に。

そこで、日本に入っていないニュースをお知らせしておこう。

■ 最新国際ニュース:近年のNetflixのアニメーション戦略に新作がラインナップ

Netflixはアニメーション映画「Extinct」のアメリカでの配給権を獲得し、2021年11月に上陸することになった。その他のNetflixの地域でもこの映画が配信される予定だが、まだ完全なリストはない。

この84分の映画は、Cinesite、China Lion Films、HB Wink Animationなどの制作会社やアニメーションスタジオが参加している。

「Extinct」の正確な上映地域はまだ正式には発表されていない。この映画は当初、2021年11月のリリースラインナップの一部として発表された。実写版『カウボーイビバップ』シリーズや『ティック、ティック...ブーム!』と並んで、2021年11月19日にNetflixに登場する。

この映画は多くの地域ですでに劇場公開されており、イギリスの場合は2020年8月にSky CinemaとNowTVで公開。その他、国際的に販売された例としては、ドイツではConstantin Film社が劇場配給、オランダではIndependent Films社が配給、その他地域ごとの個別の配給契約が無数にある。

近年のNetflixのアニメーション戦略は、ほとんどが自社制作に移行しているがそれでもNetflixは、外部に配給するために多くのアニメーション作品を獲得している。今年、Netflixがソニー アニメーションから独占的に3本の長編アニメーション作品を獲得したことは特筆すべきことだ。 - OCTOBER 22, 2021 What's on Netflix -

『 ニュースのよみかた: 』

Netflixの最新アニメーション映画がストリーミングのみならず、各国劇場公開およびテレビ放送でもクリーンヒット。しかもNetflixは“内製”を拡大しつつ更に他者作品の配給権も獲得して巨大化し続けてる、という記事。

まさに、要塞だ。
視聴者には知られていないがNetflixの強さは、「アーティスト増産」にある。彼らは、自社作品を生み出すためのアーティストを、あらゆる方法で育成、増産してる。各国のローカルに“Netflixアニメーション スタジオ”が発足し、それがその国最大のアニメーション スタジオになることは、時間の問題だ。しかももう、止まらない。

既存の業界を存続するも、Netflix型新業態を選ぶかも、決定権は「アーティスト」にある。

『 表に出られないアーティストたち 』

世間のイメージするアーティストとは、“表に出ている”アーティストのことであり実のところでは、出られないアーティストが大多数である。それは、“受注仕事”を手がけるいわゆる、職人領域のアーティストたちだ。

受注仕事とは、いわゆるメジャー作品のようなスタジオ企画製作作品や、レギュラーを引き継いだ作品に参加している状態のことだ。どんなにキャリアとスキルがあっても、敬愛される巨匠であっても国を越える精鋭であっても、“受注仕事”に生きている以上、手がける作品をみずから発表することは許されない。扱う作品のIP.に抵触するためだ。

具体的にたとえば、漫画原作をアニメーションにする場合、「原画」を手がけるアーティストが参加する。だが原画は、発表できない。著作権に抵触するためだ。原画を担当したアニメーターに“著作者人格権”があろうとも実質、機能していない。それが、日本である。

ならば、わたしたちが表に出す。

『 原画という世界 』

漫画とアニメーション作品の間にあるのが、「原画」という世界だ。
アニメーションの色がつく前、動く前、その原型となるのが「原画」である。アニメーションの作画を左右する原画を手がけるアニメーターが、存在するわけだ。アニメファンには常識ながら、一般人には知られていない世界だ。

アニメーター、誰もが知るこの職業には“顔”がない。宮崎駿さん、押井守さん、庵野秀明さん彼らは“監督”でありもう、アニメーターではない。

アニメーターの技術とは、漫画家やイラストレーターのそれとはまったく異なり、あらゆる作家の作風を完全に表現できるスキルを以てしてさらに、手描きの画を重ねることで“演技”を生み出す演者でもある。

実写映画監督のわたしが “原画を描くアニメーター” を応援するのは、彼らが究極の “カメレオン型俳優” でありながら未だ、表に出る方法を持たない、影なる精鋭だからだ。わたしは彼らに、ステージを用意する。

『 アニメーションを、飾る 』

アニメーターの“原画”を照らす。しかし、画集や出版では、動きを伝えられない。そもそもに、届けたいのは読者ではなく“観客”なのだから。

「アニメーションを、飾る」

それは正しい原画鑑賞のかたちである。
わたしたちは銀座のギャラリーに、アニメーションを飾る方法を生み出した。日々多くの“観客”を迎え、中には保有したがる感覚の鋭い方々も多い。


『 理解できない。アニメーションは“観る”もの 』

だが一方で、「理解できない。アニメーションは“観る”もの。」という意見も2件あった。想定内だったので嬉しく、できれば直接取材させて頂きたいところだ。わたしは、アニメーションを観るもの、という人々と対峙したい。作品が“消費”され、その影響からアーティストたちが人間的生活維持にギリギリな苦境に追い込まれている状況を目の当たりにしているためだ。

面と向かい合って語らい、「わかったよ!観るだけじゃなく、愛するよ!!」と言わせたい。気絶するまで殴られながら笑顔で正面に立ちたい。

名乗り出て欲しい。わたしは映画監督の太一、作品とアーティストが消費される状況を観過ごせない無力のジジイだ。いつでも取材に伺わせて頂きたいと想っている。できればその時、カメラを回させて欲しい。プロセス エコノミーな現代、それもまた魅力的なコンテンツだと想い。国、場所問わず基本20時間以内に急行するのでなにとぞ。

■ 太一個人Mail:taichi@edlead-j.com
 携帯電話:090−3804−2064

『 編集後記:』

スタジオを創る。
12月を機にもう一つ、スタジオを用意している。かつてDMM.comの亀山会長がまだ社長だった頃、“DMM.make”という、物づくりのプラットフォームを創っていた。とても個人では買わないような高性能機器を満載した“コワーキング型工房”だ。「アーティストや開発者には嬉しいですけど、採算合いますか?」とたずねると、「儲かるわけないと想うよね。ただ、面白そうだよね。」と笑った。

いまクラファンやMakuakeをはじめ多くのニッチ高性能ガジェットが、DMM.makeから打ち出されている。たしかに、面白くなっているのだ。

わたしはあの日、亀山さんの言葉をただの放言だと想った。だが、ただの「現実」であった。彼にとってみれば、成功しない理由がなかったのだ。12月のスタジオは、他業種アーティストが集い、個展から販売、ニュース化までも一貫できる環境を想定しようと想った。

可能性を最大化するために心の声を大切に、映画製作の現場へ帰るとしよう。では、また明日。

■ 太一(映画家):アーティスト業界情報局 × 日本未発表の国際映画業界情報 あるいは、 監督がスタジオから発する生存の記