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DFこそ才能が大事

お久しぶりです、へそのゴマです。

バスケットボールは全選手がOFとDFをするので、よく「どっちのほうが大事か」という議論がされます。しかし、その中で「どっちのほうが才能ゲーなのか」という議論はされません。というのも、ステレオタイプとして「OFのほうが才能ゲー」であり、「DFは努力すればある程度誰でもできる」というのがあるからです。

しかし、僕はこれがずっと昔から疑問でした。そしてこの3,4年NBAをがっつり観はじめて、この疑問が確信と変わったので、今回はなぜ僕が「OFよりDFのほうが才能が大事だと思うか」について書いていきたいと思います。

はじめに:前提整理

いきなり理由に入る前に、今回の議論の前提を二つ整理していきたいと思います。

一つ目は、今回の話はNBAに限るということです。
この「DFのほうが才能大事説」を思い始めたのが現役としてプレーしてた高校時代なので、NBAに限らずすべてのカテゴリーに当てはまると思っているのですが、これから述べる理由はすべてNBA観戦中に思ったことなのであくまでNBA限定にさせていただきたいと思います。

そして二つ目は、あくまで個人の考えに過ぎないということです。
上述したように、今回の記事は「学生時代に思っていたこと」→「NBA観戦する中で肉付け」という順序なので、僕の主観が多分に含まれます。また、NBA観戦といっても、ほぼニックスの試合しか観てない(笑)ということも断っておきます。
ですから、「なるほど。こういう考え方もあるな」くらいの視点で読んでいただけると幸いです。

以上、二点の前提を踏まえたうえで理由のほうに入らせていただきます。

理由①:身体的優位性

才能という言葉を聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
僕は真っ先に「身体的優位」と答えます。
これは自分自身が身長が低い中でプレーしている中で実感していましたが、バスケの中では間違いなく一番大切な才能です。

バスケの中で大事な身体的優位は「身長」「ウイングスパン」「体重」…とあげだしたらきりがありませんが、これらすべてOFよりもDFの方が大事になってくることが多いです。
というのも、バスケのOFにおいて身体的ビハインドをカバーするテクニックというのはいくつかありますが、逆にDFにはそういったものがあまりないからです。

実際歴代のNBA選手を見てみると、OFでスペシャルな選手で身体的ビハインドを持った選手は意外といますが、逆にDFでスペシャルな選手で身体的ビハインドを持つ選手というのはほぼいないのではないでしょうか。それどころか、DFが得意な選手はほぼ全員何かしら身体的優位性を持っていることが多いです。
そしてだからこそ、「DFが得意な選手がOFも得意になること」はよくありますが、「OFが得意な選手がDFも得意になること」はあまり見かけないと思うのです。

今のニックスでもミッチやシムズはもちろん、僕のイチオシであるデュースもウイングスパンという意味では他に負けない武器を持ってます。
彼らの身体的武器はもちろんOFでも活きますが、DFの方が無条件に活きてくるということに議論の余地はないと思います。

理由②:高い運動能力が必要

バスケは手を使ったスポーツなので、他の競技に比べても圧倒的にボールを持ったOFが主導権を握ります。

つまり圧倒的にOFが先手をとれるということです。DFはあくまでOFの動きに対して対応しなければならないので、OFと同じ運動量、俊敏性では負けてしまいます。スタートからOFに先手を取られている状態なので、相手に抜かれないためには相手よりも高い運動能力が当然必要となります。

実際、NBA選手も年をとればとるほど衰えるのはOFよりもDFの方が影響が大のと思います。技術がより重要なOFではベテランの経験が活きやすいものの、この運動能力は誤魔化すことが限界なのではないでしょうか。

理由③:センスが重要

OFが先手を取ったうえでDFが勝つためには、OF以上の運動能力か相手の動きをよむしかありません。そして、この「よむ」、あるいは駆け引きの能力は、経験が同じだとするとセンス以外の何物でもないと思います。

相手の動きに対する反射神経、目線を見極める動体視力、そしてそれらをもとにした次の相手の動きの予測。ニックスではIQが高いレベルで遂行しています。
これらは、ある程度までは鍛えることができるかもしれませんが、限界があり才能が占める幅が大きいことに疑いの余地はないと思います。

そして、これらは優れたディフェンダーになるのならもちろん、平均以上のディフェンダーを目指すのならだれもが要求されます。
対して、OFはどうでしょう。確かにセンスは必要ですが、ボールハンドラー以外の誰もが要求されるわけではありません。最悪、シュートさえ入ればコーナーに突っ立っててもスペーシングを広げ有効なプレーヤーとなれるわけです。

最後に:NBAで生き残るならDF

いかがでしょうか。
以上の理由から僕は「DFの方が才能が大事」だと考えています。

そのうえで、NBAで生き残るならDFの才能があったほうが圧倒的に有利だと思っています。
というのも、DFで穴になるとスクリーンなどを使って相手に狙われることになるのに対して、OFではシュートさえ入ればスペーシングにも貢献できるので、穴になりにくいからです。

こう考えると、トレイヤングなどのプレーヤーは「OFがすごいからDFができなくても目をつぶられている」のではなく、「DFでのマイナスをOFの得点量でカバーしている」と考えることができます。
つまり、DFの才能のない選手がNBAで生き残るには、それをも凌駕する圧倒的OF力が必要であり、そっちの方が圧倒的にハードモードだと思うのです。
ニックスでもOF力に問題のなかったケンバやフォーニエは、自身のDF力を補うほどのプレーではなかったためにプレー時間を失いました。


最後に僕はかつての自分のように身長が低いながらもバスケをしている学生に伝えたい。
DFの穴を補うくらいの圧倒的得点力、OF力を磨いてほしいと。
それしか生き延びる術はないと思います。険しい道のりですが、逆にやらなきゃいけないことがシンプルでわかりやすいとポジティブにとらえてくれたらいいなあと思います。

タイムリーな画像(笑)

すべての小さいバスケットボール選手にエールを。
Go Knicks!








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