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【1ミリのすきまエッセイ】次の人、どうぞ

1996年ころまでは13リットルだったトイレの洗浄⽔量は、1997年には10リットル、2000年には8リットルに。更に、2006年以降、6リットル以下の節水便器が登場し、2008年には出荷される大便器の主流となりました。

トイレナビ(一般社団法人 日本レストルーム工業会)より


「次の人は?」

そう発しながら、息子はトイレを後にする。

築30年の古い賃貸マンションに住む、いち庶民である我々。

賃貸は修繕の自由がない。

直したくても直せない。

在るがままを素直に丁寧に使い続けるしかない、そんな運命の下に毎日を送っている。

ことに困っているのは、トイレ。

大や小の選択もないレバーの戻りの悪さはもちろん、通常であってもタンクに水が溜まるまでに数分間はかかる。

朝のトイレラッシュ時に危うく何回も流そうものなら、レバーはすっかり力尽き、その働きを完全に放棄する。

その悪影響が次はタンクへと及び、溜める気をなくしたタンクは惜しげもなく水を流し続ける。

昨今のSDGsに全く関心のないわが家のトイレの態度には、もう、うんざりである。

しかし、「わが家=賃貸」。

この運命をしかと受け止め、粛々と生活を送るしかない。

タンクの容量は、便器に応じて必要な水量として設計されています。この水量が足りないと、便器の洗浄が十分できなかったり、便器や排水管内で汚物が詰まり、汚水があふれて家財などをぬらす財産損害発生のおそれがあります。

トイレナビ(一般社団法人 日本レストルーム工業会)より


上記の内容を考慮し、「これくらいだったらいけるだろう」という自己判断・自己責任の上、粛々生活において必須項目となっている「2度使い」のルールを改めて確認したい。

・息子(小)の後→大人1人(小)のみOK。
・息子(大)の後→即流す。
・息子(小)の後→希望者がいない時は即流す。
・大人(小)の後→誰にも声を掛けずに即流す。
・いわんや大人(大)をや。

2度使いの条件


長々と申し訳ない気持ちをもって、ルール確認を終わりたい。

このルールが実行されるのは、一日で2~3回だろうか。

わが家の古いトイレがいささかの節水の心をもっていれば、我々はこんな努力もしないでよかろうに、と毎日思う。

鉄は熱いうちに打て、五十の手習い。

先日泊まったビジネスホテルでも息子と夫で「2度使い」を実行していた。

新しいルールはみなが一丸となれば、それはすぐに実行され、習慣化される。

ちなみに、ビジネスホテルのトイレは最新型なので、かえって詰まってしまうかもよ、と注意した。

慌てた息子がすぐさまレバーに手を掛ける。


焦らなくても大丈夫。

あなたのそういう心掛けが大切だからね。

まずは、気持ちからでもSDGs。


本当に、わが家の古いトイレにも見習ってもらいたいものだ。


おかず、増えます。