【毎日が400字】家族全員コロナ感染(その3)
明け方、トイレを覗く。
息子の嘔吐。
なにーーーっ。
昨日からお茶しか口にしていなかった息子は、苦しそうに胃液だけを吐き続けた。
こ、これは重症化かも。
息子は3歳のときにノロウイルスに感染し、低血糖と脱水症状で意識不明になり入院した過去をもつ。
あのときの悪夢再来かっ。
不安になりながらも、本人が「吐いたら少し楽になった」と言うので、しばらく様子をみることにした。
ぐえっ、という異様な音を発しながら、嘔吐を繰り返す息子を見るのは辛い。
顔色は青白く、唇はプール開きのときのような紫色に近い。
血の気がない。
低血糖が起こっているのかもと、心配でたまらない。
こんなひどい目に遭わせて本当に申し訳ない、と心が痛む。
おいっ、夫よ、お前だよ、お前。
息子の姿を恐る恐る確認した夫は、無言で寝室へ消えて行った。
クソクソクソクソッ。
はらわたが煮えくり返り過ぎて、もう何も言葉が浮かばない。
午前中は38度を下回ったので、少しは体が動く。
まだまだ続いているガンガングラグラの頭痛、
機関銃のごとく出続ける空咳、
あらゆる関節の痛みに耐えながら、
トイレの消毒を念入りにする。
便座や壁、スイッチやドアノブ。
今のうちにできる家事を少しでも。
各部屋の除菌、洗濯、それと・・。
そうこうしているうちに、突然激しい悪寒が襲いかかってきた。
来たか。
体の中で戦が始まった。
白血球 VS コロナ。
私の白血球は総動員で頑張ってくれている。
ここはおとなしくひたすら横になり、全面的に応援体制に入る。
夫よ、残りの家事は頼んだ。
午前中の微熱のうちに家事を終わらせる。
あのガンガングラグラの頭痛がやわらいできたのは有難い。
しかし、案の定、午後からは高熱に。
そろそろ来るぞ、とコロナの出方がわかってきた。
ぶるっときたら、高熱決定。
私の体は、午後から戦が始まるサイクルとなっているらしい。
おい、コロナよ。
絶対に負かせてやるぞ、覚えとけ。
午後からは布団に入り、ひたすら寝る。
息子の食欲回復を祈りながら。
おかず、増えます。