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【毎日が400字】家族全員コロナ感染(その3)

明け方、トイレを覗く。

息子の嘔吐。

なにーーーっ。


昨日からお茶しか口にしていなかった息子は、苦しそうに胃液だけを吐き続けた。

こ、これは重症化かも。

息子は3歳のときにノロウイルスに感染し、低血糖と脱水症状で意識不明になり入院した過去をもつ。

あのときの悪夢再来かっ。

不安になりながらも、本人が「吐いたら少し楽になった」と言うので、しばらく様子をみることにした。

★4月5日(3日目) 夫(37.0度)
ほぼ昨日と同じ症状が続いているらしい。
喉の痛みとだるさが残り、不快感がある。
まだ平熱に戻らないが食欲旺盛、すき焼き風うどんをひとり楽しむ。

★4月5日(2日目) 妻(37.8~38.9度)
まだまだ死にそう。
午前中は37.8度なので少しは家事ができるが、午後から高熱になり寝込む。
すべての症状がMAXで現れ続ける。
リンゴが復活。

★4月5日(1日目) 息子(37.5度)
早朝に嘔吐を何度か繰り返す。
その後も微熱は続く。
だるさと食欲不振でぐったりしている。

ぐえっ、という異様な音を発しながら、嘔吐を繰り返す息子を見るのは辛い。

顔色は青白く、唇はプール開きのときのような紫色に近い。

血の気がない。

低血糖が起こっているのかもと、心配でたまらない。

こんなひどい目に遭わせて本当に申し訳ない、と心が痛む。

おいっ、夫よ、お前だよ、お前。

息子の姿を恐る恐る確認した夫は、無言で寝室へ消えて行った。

クソクソクソクソッ。

はらわたが煮えくり返り過ぎて、もう何も言葉が浮かばない。

午前中は38度を下回ったので、少しは体が動く。

まだまだ続いているガンガングラグラの頭痛、
機関銃のごとく出続ける空咳、
あらゆる関節の痛みに耐えながら、
トイレの消毒を念入りにする。

便座や壁、スイッチやドアノブ。

今のうちにできる家事を少しでも。

各部屋の除菌、洗濯、それと・・。

そうこうしているうちに、突然激しい悪寒が襲いかかってきた。

来たか。

体の中でいくさが始まった。

白血球 VS コロナ。

私の白血球は総動員で頑張ってくれている。

ここはおとなしくひたすら横になり、全面的に応援体制に入る。

夫よ、残りの家事は頼んだ。

★4月6日(4日目) 夫(36.5度)
やっと平熱にもどる。
しかし、喉の痛みとだるさはまだ残っている。

★4月6日(3日目) 妻(37.3~38.8度)
午前中は微熱だが、やはり午後からは高熱になる。
素麵など、のど越しの良いものを少し食べる。
あまりにも肩や背中が痛むので、カイロをあてる。
頭痛が少しやわらいできた。

★4月6日(2日目) 息子(37.3度)
嘔吐はなくなる。
微熱は続き、食欲が回復しない。
一日中、寝る。

午前中の微熱のうちに家事を終わらせる。

あのガンガングラグラの頭痛がやわらいできたのは有難い。

しかし、案の定、午後からは高熱に。

そろそろ来るぞ、とコロナの出方がわかってきた。

ぶるっときたら、高熱決定。

私の体は、午後からいくさが始まるサイクルとなっているらしい。

おい、コロナよ。

絶対に負かせてやるぞ、覚えとけ。

午後からは布団に入り、ひたすら寝る。

息子の食欲回復を祈りながら。


おかず、増えます。