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エディージャパン ジョージア戦レビュー

    日本 23-25 ジョージア
 (前半13-18)

【試合内容】
試合の早い段階で14人となるなか、フィジカルの強い相手に対し攻守にハードワークをみせたものの、及ばず惜敗。

序盤テンポのいいアタックをみせる日本は9s、ループ、ショートパスを駆使しながら勢いよく走り込みゲインを創出。幸先よく3分にWTBジョネ・ナイカブラが先制トライ。
ディフェンスではラインを揃えた上がりとダブルタックルでフィジカルが脅威な相手に対応。それでもペナルティから、ジョージアに9分、12分にPGを沈められ1点差に迫られる。
日本は17分にPGを決めてリードを広げるも、19分にFL下川甲嗣が危険なプレー(クロコダイルロール)で退場して14人に。
直後にラインアウトモールからトライを許す。
日本は25分にPGを決めて再びリードを奪うも、中盤でのブレイクを起点に深く攻め込まれた28分にトライを献上し、逆転を許した。
前半は13-18で折り返す。

後半、48分のシーンなどしっかりとした対応で好ディフェンスをみせると、徐々に攻撃の時間帯を得て、テンポよく間に走り込むアタックで相手を苦しめる。
相手の反則も重なり、56分にPGを決めると、その後も敵陣に攻め込む。迎えた64分にはPKのタップからFWが粘り強く当たって、最後は大外のWTB長田智希が逆転となるトライを挙げる。
その後はジョージアの猛攻に決死のディフェンスをみせるも、反則が重なりLOサナイラ・ワクァがシンビンに。2人少ない状態になると、74分にFWにねじ込まれてトライを献上。GKも決まって逆転を許す。
直後のキックオフリスタートでは途中出場SO山沢拓也のキックがミスとなり、痛恨。
その後、自陣に迫られたのち、ターンオーバーに成功するも、再びマイボールを失い及ばなかった。

早い段階で1人少なくなり、試合運びが難しいなか、粘り強いハードワークでフィジカルの強い相手に対応。
接近した戦いで64分には逆転に成功したが、試合終盤の相手の猛攻は厳しく、反則やエラーも重なって逆転を許した。

【AT】
エディー・ジョーンズHCが「立ち上がりはこれ以上ない出来」と語ったように、序盤からテンポのいいアタックで次々と勢いよく走り込み、ゲインを生み出す。9s、ループ、ショートパスを上手く使いながら、ボールを散らしていいかたちを作った。
14人となり難しい展開となったが、アタックの時間帯に入れば、ラン能力のある選手がディフェンス間に走り込み、相手を苦しめた。

【DF】
統率されたラインを揃えた上がりとダブルタックルでフィジカルが脅威な相手にしっかりと対応。
試合序盤に14人となるなかでもハードワークをみせて献身的にファイト。48分頃の対応は素晴らしいものがあった。
しかし、いい立ち上がりでトライを奪った後にペナルティから2本のPGを与え、また、試合終盤には反則が重なりトライを献上し、粘り切れなかった。
14人となってはディフェンスシステムが組めず、評価しずらいのが大前提ではあるが。

【セットプレー】
スクラムはFLの位置にWTBを入れた時点で劣勢は免れないが、そのような状況下においては一定の評価に値する出来。
ラインアウトはマイボールを失わずに安定感があった。

【その他】
早い段階で14人となったため、ゲームメイクが難しかったのは否めないが、キックをもっと活用してもよかった印象。31分のSH齋藤直人、43分のCTBディラン・ライリーの後方へのキックは非常に効果的だった。
また、キック処理はまずまず。

ハードワークが光るなか、LOでの先発となったリーチマイケルに加え、FLファウルア・マキシ、PR竹内柊平が攻守によく顔を出し、献身的な働きを披露した。


リーチ主将は「日本らしい戦いだった。ただ、満足する結果ではない」「経験、経験と言っているが、この負けを受け止めないと」と語った。

エディー・ジョーンズHCは「ほぼ60分間を14人で戦うことになり、非常に難しい状況だった。最後の10分はさらに1人を失った。力不足の面が見られた」「がっかりした。(数的不利で)落ち着きがなくなり防御が崩れたのが敗因」と話した。

テストマッチ初トライを挙げた長田の「足りない部分は明確。攻撃ではチャンスを作ったら(トライを)取り切る。防御では規律。修正して準備したい」という言葉が全てを体現した。

勝てなかったが、後半に逆転したことは素晴らしかった。

次戦のイタリア戦、改めて現在地を知る意味でも重要な一戦。多いに期待したい。

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