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エディージャパン イタリア戦レビュー

日本 14-42 イタリア
(前半 7-24)

【試合内容】
日本は相手のフィジカルの強いディフェンスに苦しみ、これまで序盤にみせたテンポのいいアタックでの立ち上がりは披露できず。
ゲインラインを突破できずに逆に押し込まれ、キックも上手く使えず。相手の反則などから32分頃に敵陣深くに迫るも、最後はノックオンで機を逸する。
3分にPGで先制したイタリアは8分にデザインされた移動攻撃からトライ、13分にはラック周辺のターンオーバーを起点にトライを挙げ、35分にはキックカウンターを成功させてトライと、着実にスコア。
それでも日本は前半終了間際には自陣でのターンオーバーからブレイクしてCTBディラン・ライリーがトライ。

後半も中盤でゲインできずに、ノックオンで終わる最悪の入りかと思われたが、直後にCTBディラン・ライリーがインターセプトからの独走でトライ。
ハーフ団が変わりラインスピードが上がった日本はそこからアタックで徐々に前に出られるようになると、相手の反則も重なって敵陣でポゼッションするなか、何度も迫るが取り切れず。ラインアウトの失敗も非常に痛かった。
イタリアは献身的にしのぎながら、PGで加点すると、73分に日本のミスからトライを奪い、試合終了間際にもトライをマークして試合を締めた。

日本は後半はいいアタックのシーンをつくったが取り切れず。全体としてプレー選択は物足りなかった。また、セットプレーが厳しく、スクラムは安定感を欠き、ラインアウトでは好機を何度も逸した。キックは攻防ともに整理が乏しかった。

【AT】
このシリーズでみせていたテンポのいいアタックでの立ち上がりはこの試合では実現できず。特に前半は相手にフィジカルで優位に立たれて中盤でのフェイズで押し返され、手詰まり感は否めなかった。
それでも32分頃には敵陣深くに迫り、決定機を得たが最後はノックオンで取りきれず。
裏へのキックなども効果的なものとならず、コントロールが上手くいかず。相手へのプレゼントとなるようなキックも散見された。的確なキックは62分の李承信くらい。
後半はハーフ団が替わり、ラインスピードが上がって、相手のディフェンスに引き続き苦しみながらも、徐々に前に出られるようになると、敵陣でポゼッションしてゲインを創出するも、
ラインアウトの失敗などエラーが響いてトライにつなげられず。
プレー選択も乏しく、相手シンビンによる数的優位も活かせなかった。

【DF】
ラインを揃えながら、前にでてダブルタックルで対応するディフェンスは健在たが、13分にはデザインされた相手の移動アタックには対応できず。
それ以降はラインディフェンスを崩されるシーンは目立たなかったが、ラック周辺のターンオーバーからトライ、中途半端なキックからカウンターを食らってのトライ、自陣でのループプレーのミスからのトライなど自らのエラーを起点にトライを献上し続けた。

【セットプレー】
このシリーズ健闘していたスクラムはこの試合では不安定さが露呈し、マイボールでのペナルティを取られるなど起点となれなかった。
ラインアウトも非常に厳しく、大事な局面でミスを連発し、決定機を逸した。

【その他】
キック処理の配置は相変わらず整備されず、キッキングゲームでも後手に。

ゲインメーターでは数字上は上回ったものの、相手の急所へはヒットせず、逆に要所でターンオーバーにあうなどプレー選択も含め、上手くいかず。

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エディー・ジョーンズHCは「イタリアは守備が強く、チャンスはいくつか作れたが、フィニッシュまで持ち込めなかった」と話し、
「まだ幼稚園生のようなチームではないでしょうか。リーチ以外は経験の浅いチーム。しかし、過程を経ていかないと努力を積み重ねることもできない」「後半に攻撃できたことを前向きに捉え成長していきたい」と語った。

このシリーズの集大成と思い、注目した一戦は、相手の強さと日本の現状を思い知らされたゲームとなった。

このシリーズで代表デビューした選手も多く、キャップ数が少ない選手も経験を積んだ。
課題は多く出たが、これからの過程、成長に期待して引き続き注視していきたい。

次は8月末からの「パシフィックネーションズカップ2024」だ。

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