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エディージャパン初陣!!イングランド戦レビュー

イングランド 52-17 日本
         (前半 26-3)

メンバーについては別投稿を参照。
当初先発予定だった13番ディラン・ライリー(埼玉WK)が欠場し、リザーブからCTBサミソニ・トゥア(浦安DR)がスタートに。23番にはメンバー外からFB山沢拓也(埼玉WK)が入った。

【試合内容】
イングランドが8トライで大勝。フィジカルの強さとプレー精度の高さで実力差をみせた。

前半、日本が敵陣深くに入っても取りきれないのに対し、イングランドはSOマーカス・スミスを中心に敵陣に入っての好機を確実にスコアにつなげる。日本は相手のシンプルで的確なアタックに対応できず。

日本は序盤こそテンポのいいアタックをみせたものの、コンタクトの強い相手の出足のいいタックルとブレイクダウンのプレッシャーに苦しんだ。
スクラムはまずまずで、ラインアウトも安定、モールディフェンスもよく、セットプレーは一定の評価。

後半もイングランドが序盤からトライを重ねほぼ押し込まれる時間が続くなか、
日本もSH藤原忍ら交替選手の勢いもあり、66分にようやくこの試合初トライを挙げると、69分にもトライをマークして連続トライ。
しかし、反撃はここまでで試合終盤にはラインアウトモールから失トライを喫した。
途中出場で初キャップのSH藤原は攻守に際立つ働きをみせた。

総じて相手に力の差をみせつけられ、
エディージャパンの初陣は完敗となった。

【AT】
超速ラグビーを掲げたテンポのいいアタックは序盤に片鱗がみられた。ハーフのループやショートパスを上手く使いながら、FWが力強く走り込み前進。敵陣深くに入ったものの取りきれず。
徐々にコンタクトの強い相手の出足のいいディフェンスとブレイクダウンのプレッシャーに苦しみ、やや手詰まり感が出る。
それでも32分にも勢いのある連続アタックをみせたが、スコアにつなげられず。
前半はPGの3点のみ。
後半もブレイクダウンターンオーバーに合うなどなかなか光明を見い出せず。
54分には相手ディフェンスの隙間を突いた鋭いアタックで決定機を得るが、相手ペナルティもありトライをとれず。
少ないチャンスを活かせないなか、66分に途中出場FL山本凱(東京SG)のキャリーを起点に、最後はWTB根塚洸雅(S東京ベイ)が飛び込んでようやくこの試合初トライ。直後にはLOワーナー・ディアンズ(BL東京)の突破からFB山沢拓也(埼玉WK)がトライ。
連続トライが生まれたものの、反撃はここまで。

テンポの速いアタックは取りきれないと消耗が激しい。継続できる体力とフィジカルを高める必要があるが、取りきれない際にエリア取りをリセットできる効果的なキックも活用したい。アタックの終わらせ方が重要だ。
総じて、ミドルポッドへのパスを多用した結果、ラインスピードの速いディフェンスに捕まり外まで回せず、ブレイクダウンのプレッシャーをもろに受けるシーンが目立ち、苦しかった。終盤はバックドアを使った階層のあるアタックが一部みられたが。

【DF】
ハイパントなどキック処理は相変わらず不安定で、ライン後方を抑えるシステムなどを含め未整備な印象。
ディフェンスも機能的とは言えず、近場での前進も許すうえ、大外も微妙。特にラックサイドは何度もSHアレックス・ミッチェルに仕掛けを許した。
局面ではジャッカルやターンオーバーを決めるなど奮闘したが、フィジカル的にも差し込まれる場面が目立った。
モールディフェンスは素晴らしく、試合終盤にはラインアウトモールを押し込まれたが、試合を通してほぼ止めていた。

【セットプレー】
最も評価できるのはラインアウトの安定感。相手ボールへのプレッシャーという点では物足りないが、マイボールは確実に確保する安心感があった。
スクラムは代表経験の浅いフロントローが並んだなか、反則を取られる場面もあったが、マイボールの球出しなどまずまずの印象。

【その他】
8選手が代表初キャップを獲得するなどキャップ数の少ない若手中心のメンバーで臨み、今後の可能性を示した。
特に途中出場したSH藤原忍(S東京ベイ)は攻守に目立つ働きを披露した。
今回の面々について、エディー・ジョーンズHCも「非常に素晴らしいこと。若者の学びといった観点からも今後の大きな糧になる」と語る。
「日本代表が世界トップ4に入るためには、2027年ワールドカップまでに各ポジションで3人、能力の高い選手を用意しなければならない。それは必須だ。今、そのプロセスを始めている」と、課題の選手層解消へ期待がかかる。まだまだこれからだ。

試合結果を受けて、エディー・ジョーンズHCは「キャパシティーという点で、フィジカルもメンタルも現状は追いついていない」と話す。
80分を戦い抜くには「フィジカルとメンタル両方の能力を高める」必要があると言い、「最初の15分はイングランドを押し込み、主導権を握った」と収穫も語った。
主将を務めたマイケル リーチも「自分たちが目指した超速ラグビーは少しずつ見えた。練習の成果は出てるけど、15分、20分まで。今後どんどん伸ばしていきたい」と。

「超速」の意識は垣間見えたが、
全てにおいてまだまだこれから。

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