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アフターコロナのアイスコーヒー

全日本コーヒー検定委員会講師部会ではメールマガジンを発行しています。輪番制で忘れた頃に自分の番が来るのですが、2月26日発行分がたぐちの担当でした。ご興味を持たれたら下のリンクからメルマガ登録していただければと思います。

早いもので今夏のアイスコーヒーの味作りが終わりました。弊社では毎年1月~2月にこの作業を行います。コロナ前まではコーヒーの供給が安定していたこともあり、微調整をする程度で製造に取り掛かっていたのですが、コロナ後は様々な理由でなかなか骨の折れる仕事になっています。

インストラクター2級の講義でお話しているように「味覚の温度特性」というものがあり、温かいコーヒーと冷やしたコーヒーでは味の感じ方が違うため、アイスコーヒーは深煎りのコーヒーを濃く抽出することが一般的です。コーヒーを濃く抽出するためには・・・ということも講義でお話ししています。

どの部分がなかなか骨の折れる仕事になったかと言いますと、寒い時期に冷たいコーヒーをたくさん飲まなければいけないということではなく、コロナ以後はコーヒーの価格や流通量、品質が安定していません。そのため今までと同じ作り方をしても、味も価格も今までと比較してだいぶ違ってしまいます。

ここ数年は毎年、イチから商品設計を始めるといいますか、そうせざるを得ない状況になっています。使用するコーヒーの種類が違えば、ブレンド配合も変わってきますし、当然焙煎プロファイルも粉砕方法も抽出方法も変わってきます。これらを「味覚の温度特性」を重視しつつ決定していきます。骨が折れる仕事とは言ったものの意外と楽しかったりするのはコーヒー屋だからでしょうか。

特に今年はカネフォラ種(ロブスタ)の需要が大幅に上がり驚くほど高騰しており、おいそれと使用するには抵抗があるようになってしまいました。価格が上がるだけならまだしも品不足を起こしており、アイスコーヒーのハイシーズンに向けてカネフォラ種を確保しておく必要がありそうです。もし最悪の事態が起きて、カネフォラ種が入手できなくなったらアラビカ種を代替品とする、なんて今までになかったことを考えないといけないかもしれません。今年の夏もアツくなりそうです。


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