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ブルーオーシャンとレッドオーシャン #63

ブルーオーシャン=碧い海は、全く汚れていないキレイな海、つまり、今までになかった新しい市場を表しています。

レッドオーシャン=赤い海は、既に存在する、競合企業が多くひしめき合って、限られたパイ(利益)を奪い合う市場を表しています。

レッドオーシャンの市場は、成長が鈍化し、プロダクト・ライフサイクル(PLC)上の「成熟期」に入っているケースが多いと思います。

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出典:GLOBIS 知見録

レッドオーシャンの中で生き残るために取り得る戦略は、基本的に、

①価格で勝負
②差別化で勝負
③ニッチ市場を探して勝負

の3パターンに限られると思います。

レッドオーシャンの市場でよく引き合いに出されるのは、歯磨き粉や歯ブラシの市場です。店頭に並ぶ種類の多さを見て、誰もが商品の選択に悩みますが、このようにニーズが限られた中で商品がひしめき合う状態がレッドオーシャンとなります。

ブルーオーシャンでは、レッドオーシャンと違い、差別化戦略やニッチ戦略により、価格も一定の水準を維持することができ、誰もいない「碧い海」(市場のパイ)を悠々と占有することができます。

このようなブルーオーシャンの市場を意図的に獲得していく戦略をブルーオーシャン戦略といいますが、それにはイノベーションにより、新しいビジネスを創り出す必要があります。

イノベーションとは、既存のものを改善すると共に、新しいニーズや満足を満たす商品・サービスを生み出していくことですが、このイノベーションを実現するには、クリエイティビティの要素が重要になります。

クリエイティビティは、才能、環境、プロセスの相互作用によって生み出されるもので、主にその社会において奇抜で役に立つ事物であるといえます。

例えば、iPhoneは、クリエイティブな商品と言えると思いますが、このクリエイティビティは、イノベーションの中でも更に突き抜けて、新しい世界を創り出すようなものだと思います。

では、どうすれば、ブルーオーシャンに繋がるクリエイティブな要素を組織の中で育むことができるのでしょうか。

異業種のクリエイターを集めて、自由なプロジェクトチームを育てる企業で有名なのは、Googleです。

Googleの強みは、クリエイティブなイノベーションを育むためのサポートとノウハウがしっかりと確立されているところだと思います。

Googleでは、どんなに周りにばかげていると思われても本人がやりたいと思えば、自分の労働時間の20%をそのアイデアに費やす権利が従業員に与えられているそうです。

例えそのプロジェクトが失敗に終わっても非難されることのない企業文化が確立されています。ブルーオーシャン戦略を実現するには、このような企業文化の醸成が必要なのだと思います。

ブルーオーシャン戦略を採ることが、レッドオーシャンの市場で戦うより有利だといえるのは、新しいベンチャー企業が既存市場と新しい市場に進出した割合と売上の割合、さらにその際の利益の割合をそれぞれ見れば明らかだと思います。

ある調査によると、ベンチャー企業が、進出する市場割合、売上割合および利益割合は以下の通りとなっています。

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出典:Kim, WC & Mauborgne, R, 2004

ほとんどのベンチャー企業が既存市場へ進出するなか、14%が新しい市場を開拓しています。そして、その14%の企業の利益割合は61%となっており、既存市場進出企業の39%を大きく上回っています。

クリエイティブでイノベーティブな企業は、市場の成熟とともに消えていく企業をしり目に大きな利益を集められるので、持続可能な地位を常に保つことができます。

現代社会においては、クリエイティビティやイノベーションの必要性が特に言われますが、これらに心血を注ぐには相当の企業努力が必要です。

一方で、このような取り組みからブルーオーシャンを目指すことで効率的に利益を得ることが可能になりますので、サスティナビリティ(事業継続)を実践していくためにも、ブルーオーシャンへの船出にチャレンジしていくことが必要に思います。

出展:40歳からのMBA留学:オーストラリアでビジネスを学ぶ-Chapter31 ブルーオーシャン戦略とシルクドソレイユ-


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