ソーシャルゲームとECの違い
この記事はユアマイスター Advent Calendar 2021年の22日目の記事になります。
こんにちは。ユアマイスターのプロダクト部 兼 マーケティング部のたぐちです。
突然ですが、僕の経歴は下記のようになっております。
2013/4~2019/12:ソーシャルゲームのPdM.グロースに関する諸々
2020/1~2021/3 :ECマーケットプレイスのPdM.グロースに関する諸々
2021/4~ :サービスECマーケットプレイスのPdM.グロースに関する諸々
ソーシャルゲームからECへ転身しましたが、PdM(名前は違った)とグロースに関する諸々をミッションとしていることは変わらないです。
両業界で必要な能力は共通する部分も多いですが、考え方は異なる部分が多いと感じたので、今回はソーシャルゲームとECの違い・活かせそうな部分をいくつか挙げていきます。
①ARPPUの偏り
ソーシャルゲームは個人の課金額に上限のない「青天井型のガチャ」が存在するケースが多く、ユーザーの資金とモチベーションが尽きない限りARPPUを上げられる構造になっています。
1回のイベントで100万円課金するユーザーもザラで、上位2%程度のユーザーで売上の8割以上を作っています。
このことから、ソーシャルゲームでは上位2%のARPPUを上げるためのイベントや施策が行われることが多く、特にUUを増やせない衰退期のゲームはこの傾向が強くなることが多いです。
これは【高頻度×無制限に課金可能な仕組み】が起こしている事象で、実際の物やサービスを商品としているECでは再現が難しいと感じています。
ただし近いことは可能で、例えば消耗速度の早い商品の定期購入プランなどがそれに当てはまります。
頻度と制限という考え方から商品や売り方を考える視点はECでも役に立ちます。
②DAUの重要性
ソーシャルゲームでは無料Uを増やして徐々にモチベーションを上げることで課金Uへと成長させるため、モチベーションの高い無料Uの数を図るためにDAUを見ることが多いです。
またFQ5という「当日を含めた5日間で何回ログインしたか」を図る指標があり、起動頻度もかなり重視して追います。
「モチベーションが高ければ毎日起動する」の因果を逆にして、「毎日起動させればモチベーションが上がる」と考えることも多く、ログインボーナスや曜日ごとのイベントなどの工夫が行われることが多いです。
ECでも例えば一度購入してもらったユーザーに対して、購入以外の目的で来訪するきっかけを与えることで、リピート率を上げることは可能だと思います。
③商品と在庫
ソーシャルゲームでは商品が全てデータなので、無限の在庫を低コスト・低リスクで保持できます。
(ECからしたら夢のような話ですね)
その分商品の制作に経費を集中させることも多く、開発・デザイン・映像・音声含めて莫大な費用がかかります。
承認欲求など精神を充足させる商品が多く、この考えはECでも購入体験やその後のレビュー時に活かせると思っております。
例えば同じ商品を購入する場合でも、提供者からの応援メッセージなどが入っていたりすると、無機質な商品に感情が生まれて記憶に残る体験になったりします。
④ファン度
使う理由を洗い出していくと下記のような違いがあると思います。
ECマーケットプレイス:便利・安心・お得
ソーシャルゲーム:楽しい・好き
ユーザーを【ファン化】させるためには、好きになってもらう必要があります。
ソーシャルゲームはその性質上、感情に訴えかける商品が多いためファンを増やしやすいです。
一方利便性やお得さという合理的な基準で使う理由を決めるECには、好きという感情が必須ではないためファンを増やす難易度が高いです。
ここで好きとは少し違いますが、【習慣・中毒性】を持たすことができればファンになってもらうことは可能だと思っています。
「毎日来訪しないと損するかもしれない」
「なんとなく商品を探すのが日課」
など、生活の一部にまで落とし込むことができればそれは≒好き≒ファンと言えるのではないでしょうか。
まとめ
ほんの一部の例でしたが、商品の性質やユーザーの判断基準の違いとそこから見えてくる共通部分や活かせる考え方を書かせていただきました。
既存の枠に囚われず新しい商品や売り方にチャレンジすることで、誰も気づいていない価値を探し続けようと思います。
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