自己嫌悪と後悔

過去の出来事であの時あーすれば良かった、こーすれば良かった。そうすればまた違った未来があったんじゃないかと後悔で今、凄く自己嫌悪陥っている友人がいる。そんな彼の話。
とあるカップルが別れた。そんなに長い付き合いじゃなかったけど、彼はちゃんと好きになっていた。別れの理由は彼女が彼を受け入れられなくなったから。十分、別れるに値する理由。
彼も受け入れ、未練はないようだ。
理由のきっかけは彼女が彼の家に遊び来た日。付き合って日も浅い段階だった。ご多聞に漏れず情事をしようとするが、彼女が最後までを拒んだため彼は最後までしなかった。彼は彼女の心を傷付けた。
逆説的な捉え方ができなかった。彼はピュアすぎた。彼女を大事にしすぎた。恐らくお互いが傷付いたのだと思う。これが二十歳そこらの若造の話なら若気の至りで済む話。それこそ中年の恋愛でこれは聞いていられない。
情事は「なさけごと」とも読める。まさに字は体を表すではないが、事を進めていればこの関係性が続いていたかも知れない。
その日を境に彼女の気持ちが離れたとのこと。その後も何度か連絡を取り、会ったりしていた。でも、会ってるが楽しくなかった。彼女の気持ちが離れているため空回りしているから。空気を察して彼はコミュニケーションが取れないと言っていた。その頃、彼女に予定があった為、3週ほど会わないタイミングがあった。彼女からの連絡は一切なかった。しかし、彼は彼女の気持ちに目を伏せ、見ないようにしていた。その為、彼の心は押し潰されかけていた。彼女にその一連について問うと、どう行動したら嫌われるか考えていたとのこと。この答えは彼には堪えた。彼から別れを切り出すように仕向けて来たから。しかし彼は彼女を信じていた為、その行動は起こさなかったなかった。結果、彼の心が蝕られた。彼女はズルい女だった。彼は経験が少なかった。普通の男性ならその程度の女性の行動は予期できたレベル。恋は盲目、よく言ったもの。
そんな冷めきった関係の二人に冗談は通じない。彼はそんな時でも彼女に笑って欲しかった。自虐とジョーク混じりのトークをしたそうだが、彼女はクスリともしなかった。彼は最後までその姿勢は崩さなかった。別れ際、歩きながら彼女がスマホを操作しているのが見えた。彼女は次の予定の為の道順を調べていた。そんな彼女に「LINE、ブロックするの
早くない!?」彼にとっては渾身のジョークだったが、冷めきった関係の中では、逆ギレされる結果となった。余計な一言。彼の後悔。彼女には聞こえない声で「ありがとう」をつぶやいた。シャイな彼なりの彼女へのお礼。

みっともない話だが、その晩彼は酒に溺れた。「○ね」「○ケ」「カ○」をつぶやき連呼していた。それが彼自身に向けた彼自身への暴言と知るのは翌朝の話。自己嫌悪進行中。早く彼に立ち直ってもらいたい。

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