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淡々と。2

映画【PERFECT DAYS】観てきました。
期待通り、あるいは期待以上の作品で心ががっちり持っていかれました。
正直、もっと何も起きないストーリーを予想してましたが、思った以上に色々が起きました。
それを絶妙にただ日々が繰り返すかのように描いてあり、油断すると見落とすように散りばめられていました。
いやはや、それもリアルなことなんでしょうね。
ほかの人がどう感じるかは不明ですが。

音楽がとても貴重なアイテムとして登場するんですが、この物語の主人公のように寄り添う音楽が提供できたなら、と曲がりなりにも音楽やってるニンゲンとしては思えました。

丁寧に生きていれば時間は勝手に流れるから、その流れる時間を愛でるように生きることができたらそれは完璧な日々なんでしょうね。

まだまだ僕なんかはその領域に達してないですが。

そうです。憧れの生き方なんです。
いつかはそんな生活ができれば、と願ってるところがあります。
そして僕が表現したい世界観もこの作品のようなアプローチなんです。
どちらも今の僕とはかけ離れていますけどw
根底にはこれがある。

今まで一番好きな映画は【めがね】と言ってきました。
【かもめ食堂】(こちらも大好き)の影に隠れがちですが、おそらく一番よく観た作品でもあると思います。
よく言われるのはこれも【何も起きない】。
僕から言わせてもらえば、『【めがね】はアクション映画』
何も起きないどころか心の風景が激しく変わる変わる。
少ない登場人物の心はどんでん返しの連続。
特に何度も観返すと、それがどんどん鮮明になってゆく。
たぶん観た数20回は下らないと思いますが未だに発見があります。

それは【かもめ食堂】も同じですが。(これも匹敵するくらい観返してます)

今回観た【PERFECT DAYS】は僕の中でこれに並んだと思うのです。
何度もまたこの世界観を求めて観るだろうな、と。

同時にヴィム•ヴェンダース監督作品、ほかの作品を観たことないはずなので掘り下げようと思ってます。

僕の勘違いかも知れませんけど、レイトショーで1/3ほど会場に入った客は、同じような想いを抱いていたような気がしました。
ライブ会場でごく稀に感じる一体感にも似た。
エンドロールで誰も立ち上がらなかったのも予想通りでした。

まるで客席までがひとつの映画のようだった。

いい体験。
そう、体験という感じの映画でした。

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