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2020 J2リーグ第14節 ジュビロ磐田 VS ツエーゲン金沢 レビュー 「限界」

初のPV会

今回は、僕が代表を務めているツエーゲン金沢応援集団「RED TAG」の初のPV会を行った。

消毒・換気・密を避ける、食べ物は食べる分だけ持参、ゴミは自分で持ち帰る、マスクの着用など、感染対策を行ってのPVとなった。

感想は、一人で見るより断然みんなとみる方が楽しかった。傷が深くならないし、喜びも倍増するだろう(多分)。スタジアムに行っても、今は一人で見るしかないが、このPVはみんなで話せるから良い。一応タギさんのワンポイント解説なども交えてみた。コロナの感染状況を見ながらではあるが、今後も出来れば月イチくらいでやりたいイベントなので、興味のある方は「RED TAG」のアカウントをフォローして、イベントのお知らせをお待ちください。

スタメン

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ホームの磐田のスタメンは5人の変更。前節は町田相手にターンオーバー。後半から主力を投入するも、町田の守備を崩せずスコアレスドロー。ホーム戦にほぼベストな布陣で帰ってきた。

さらに昨季まで、金沢にいたCB山本義道くんがマリノスから期限付き移籍で磐田へ行くことが木曜日に発表。

久しぶりに義道くんのプレーを見たかったが、楽しみは取っておこう。というか、僕のプランでは義道くんは今頃、欧州のクラブに行っているはずなのに・・・

金沢は作田→廣井と加藤→杉浦恭の2点の変更。陸次樹くんは前節、足首を捻った感じだったからかベンチからのスタート。

独り言

思うんですけど、ベンチメンバーのウォーミングアップってあんなに必要なのでしょうか?交代するとわかってからアップし始めたらダメなのでしょうか?なんだか最近思うのです。戦況も自分で把握できずに身体を動かして、いざピッチへってどうなの?海外のリーグでは、出番までベンチでジッと試合を見ていて、長くアップをしているところをあまり見かけない気がするのですが。気になったので呟いてみました。

地獄の振り返り

前半の中盤までは金沢は磐田相手に対等にやれていた。磐田は攻撃時3-1-4-2のような形になる。金沢は島津・杉浦恭が前からプレッシャーをかけボランチへのパスコースを切る。磐田CBのパスコースをSHへの斜めのパスかFWへの縦パスに限定し、ボールの出どころを囲んでボールを奪取する。そこで奪取できなくても、次にボールを出したところへ激しくプレスしボールを奪う。

下の図は試合時間31分34秒からのものだが、しっかりとプレスする事で磐田の選手間の距離を遠ざけて、かつ相手のプレーの選択肢を無くしボールを奪うという事が出来ていた。

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大井くんが即時奪回のスライディングを仕掛けるが、それが失敗する前に他の磐田の選手はゴール前に戻る。金沢のポジティブトランジションが遅い訳ではなかったが、さすがの磐田。良く連携が取れている。

この時間までに金沢はシュート4本、磐田が2本。もちろんボール支配率は金沢が37%といつも通りで、磐田と互角の戦いをしていた。いや、金沢は100%、磐田は70%くらいの力で均衡を保っていたのかもしれない。前半残り15分で磐田のギアが上がった。

磐田は金沢にしっかり対策

36分20秒、磐田のファイナルサード右側に山田くんが侵入し、小川大くんにパスを戻す。ルキアンさんがゴール前に移動。マンツーマンディフェンスの金沢はゴール前の選手に引っ張られて、戻すボールに寄せが甘くなる。

宮崎くんにパスが渡ると、今までゆっくりだったパスのリズムが急に早くなり、ルキアンさんを経由してワンタッチで小川航基くんに。石尾くんを背負いながら反転して打ったシュートはゴールポストに弾かれる。

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磐田の大体の狙いは下の図のような感じだ。

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何故この時プレッシャーが掛けられないかというと、ここまで押し込まれたところで下手に近づいて躱されると致命的だからです。

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しっかり守備ブロックを敷いてくるチームには、横に早くボールを動かし揺さぶりをかけクロスも多様するが、金沢のマンツーマンの4-4-2に対して、しっかりハーフスペースを使って一度押し込んでから、ボールを戻しイッキに仕留めるという狙い。クロスも他の試合よりも少ない。

またリズムを変えるが如く、ルキアンさんが縦に走るタイミングで山田くんから絶妙のパスが出た。

ルキアンさんが廣井くんに足を出されても全く身体がブレず、小川航基くんへ強引なグラウンダーのクロス。ルキアンさんと廣井くんが競っている時に小川航基くんは石尾くんと駆け引き。ボールが来る前に、一瞬石尾くんの視界から消えて、石尾くんが振り返った時には、少し後ろにいた航基くんがシュート態勢に入っていた。

自陣に押し込まれてパスを回されてチャンス、という完全に磐田のペースが続いての得点だった為、なんとか前半終了まで持ちこたえて欲しいという思いだったが、そう甘くは無かった。

前半を終わってみると磐田がシュート9本。前半の残り15分で7本打たれた事になる。チーム内で休む時間帯と激しく攻める時間帯とをコントロールしているかのよう。

ターンオーバーしているチームがペース配分をしていて、ターンオーバーなど無関係なチームが試合開始から全力で走る。しかも敵に合わせて戦い方を変えてくる。分が悪いのは「質」だけでは無かった。

真夏の悪夢、後半

後半の入りも金沢は悪くなかった。しっかり前からのプレッシャーをかけられていたし、サイドでボールを奪って下川くんが惜しいクロスを上げる場面もあった。

しかし、ボールを保持してパスを回すという事、すなわちポゼッションサッカー自体に慣れていない金沢。攻め急いでクロスを出してボールをロスト。そこから味方がボールを持ったと見るや、誰もいないスペースに走り込むルキアンさん。しっかりそれを見逃さずロングボールが飛んでいく。ルキアンさんの後ろからトップスピードで走る小川大くん。アッという間に金沢陣内へ。

ここでもまだ金沢ディフェンスは激しくプレッシャーをかけに行けたが、頼盛くんが山田くんにファールして磐田のFKに。距離は30メートルくらいか。

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ヘディングの競り合いがこぼれて磐田の山田くんの前に落ち、フリーの宮崎くんにパスしてミドルシュート。誰かに当たってボールの方向が変わりGK白井の逆を突くアンラッキーなゴール、かと思っていたらしっかりと小川航基くんがヒールでボールの方向を変えているという技ありのシュートだった。

その後も何とか磐田の連動した攻撃に食らいついて自由にさせないようにする金沢だったが、疲労の色は濃く見えた。

交代のメッセージは届かず

ここで不可解な交代が起こる。杉浦恭平OUTで加藤陸次樹IN。これはメンバー発表の時に予想は出来た交代。しかし、島津OUTでホドルフォINには驚いた。

陸次樹くんとチット(ホドルフォ)さんの2トップ。二人に前線からボールを追いかけてもらおうという意図。それ意外の事は何かあったのだろうか。2枚交代後に何か変わった事はあっただろうか。

64分31秒磐田のスローインから山田くんが窪田きゅんを振り切り、金沢右サイドを突破。ゴールライン際まで深く入り込んでルキアンさんにパスするも金沢SB渡邊くんがブロック。そのボールが小川航基くんのところに行ったがそれも金沢キャプテン廣井くんがブロック。この時はまだ全員が死んではいないように思えた。

だが、66分35秒。本塚くんが石尾くんにパスを出そうとしてミス。大森→山田とボールが渡り3失点目。

本塚くんは実戦経験がまだ少なく、頭が真っ白になったのかもしれない。この失点の前に映った顔は精彩を欠いていた。本塚くんだけではない。2-0のビハインドで前線を替えて前からプレッシャーをかける。中盤から後ろには何の変化もない。今替えて欲しいところ、今変化をつけるべきところはそこじゃない。疲労がピークで頭が回らない。そうなっていても不思議ではない。

試合終了までの長い時間

ここから金沢は崩壊する。3失点目の直後に給水タイムがあり本塚OUTで杉井INと窪田OUTで高安INとなったが、完全に足が止まった。ボールホルダーにカバーに行けなくなりボールを失う。すぐに囲んでボールを奪い獲る体力、いや気力が無かったように思う。体力・気力の差。前と後ろの連動が無く、別のチームになっているようだった。杉井くんが1人でボールを奪いに行っても取れるはずがない。

何とか前半を1点でしのぎ、後半に望みをつなごうと思った矢先の失点。そしてミスからの失点。愛媛の時のような逆転劇を期待した方もいたかも知れないが、愛媛戦は5連戦の初戦。前の試合から中5日でしかもホームゲームだった。さらにあの時は主将の魂のゴールがあったが、この試合では疲れ切った金沢の選手達の魂を奮い立たせるものは無かった。

金沢にとっては何点獲られても同じだった。ただ後半の残り半分はとてつもなく長かった。しかし磐田は攻撃の手を緩めない。もし勝ち点で並ばれた時に得失点差で昇格できなかったら元も子もないから、かもしれない。磐田には課せられた使命がある。

試合終了

あまりに無策で限界

「力の差が出た試合だった。われわれの選手たちもボールを奪うことはできている。でも奪ったボールをつないでシュートまでいく回数よりもミスをして相手に渡してしまう回数のほうが多い。明らかにジュビロの選手たちは、奪ったら確実にシュートもしくは得点につなげていた。もちろんボールを持っていない選手たちのサポートの動きが足りない部分もありますが、明らかにこちらの選手たちのパスの精度は低いなと見ていました。果敢にボールを奪いにいってやられているぶんには仕方がない」

試合後のヤナ将のコメントをJ’GOALから抜粋しましたが、若干DAZNのコメントとニュアンスが違うと思いますが大枠は違わないでしょう。

悔しくて悔しくてたまりません。山雅に0-4、0-5で負けた時にも似た感情が心の中を支配しました。

何故もっと選手を総動員してリーグ戦を闘わない?

中2日や3日でターンオーバーせず、ずっと同じメンバーで磐田とやって6-0。それを選手のパスの精度が低いせいにする。4年も監督していてそんな事言うなんて、あまりにも選手がかわいそうだ。

確かに磐田の選手に比べたら、選手としての経験も無いし技術も無いかもしれない。しかし、監督就任1年目ならそのコメントでもいいかもしれない。だがもう4年目だ。なぜ、技術の向上に力を注いでこなかった?今まで少ない手数でパスをつないできたのは誰のプラン?4年続けてきたものはなんだったんだ?

山田くんや山根くんはどこへ行った?

山根くんがいるのにFWでチットさんを使ったり杉井くんにボランチをさせたり。練習見れてないからわかりませんが、いつそのポジションの動きを仕込んだの?山根くんを外してまでチットさんを出したという事は、チットさんがFWとして山根くんより上だと判断したという事なのか。ベンチに一人少ない事もあった。監督のこだわりが6-0の惨敗を招いた。

この試合に臨むまで、そしてこの試合の最中も、あまりにも無策で腹立たしい。

遅かれ早かれこうなるだろうと思っていた僕のツイートです。これは無策で自分のこだわりで選手を出さない監督、それを許すクラブなど周辺の空気、また監督を神格化する一部のファンサポに対して呟いています。

色々な事情があるのはわかります。しかし現実に怪我人が出て、満足に補強も出来ず、レンタルしてもらっている選手を出さず、適正なポジションじゃない選手を出して、それに対して何も言わない。僕はそんな事が出来るほど大人ではないので言わせていただきました。

もちろん長年指導者としてやられている監督は、いままでリスペクトしていましたし、嫌いかと言われればそうではありません。だから6-0だから解任だ!という訳でもありません。ただ、今の選手とはもっと上にあがりたいが、上にあがるにはヤナ将のマンツーマンでは限界がある。選手の気持ちは僕にはわからないけど、僕は選手のせいで負けたと言われて悔しい。精一杯の戦略を練ったのなら仕方ないが、そうだとは思えない。

違うポジションの選手を使ったりするのだったら、3バックなど他のやり方もあるのではないだろうか。クロスやドリブルの切れ味がある下川くんをずっと使い続けて消耗させてしまうのも考えものだ。

色々なご意見があると思います。皆さんが各々考えること、その想いが未来のツエーゲン金沢を作ると思います。僕の想いはこれを見てくださっている方とは違うかも知れませんが、皆さんも僕も間違いではありません。良かったら僕にコッソリ教えて下さい。それでは。

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