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2020 J2第8節 ツエーゲン金沢 VS 大宮アルディージャ 試合前にリードを許す。

策士・高木監督の1巡目の戦法

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大宮は見ての通りの堅守である(画像はSportsnaviより)。7節終了時で失点3。得点は7である。2敗はしているものの、必要以上の事はしない感のある高木監督。それはそうであろう。去年あと一歩でJ1だったのに、最後の最後でJ2沼に戻ってきてしまった。今年が異常事態だろうが何だろうが昇格は至上命題。理想家は名将には成れない。

先制点を奪ったらシャットアウト。東京V戦ではそれが顕著だった。開始1分で先制。もちろん追加点を奪えれば奪いにいく姿勢はあるものの、東京Vに7割もボールを支配させておいてクリーンシート。山雅戦に至ってはジッと我慢しておいて、相手が攻め疲れしたところを仕留めるという策士ぶり。

ここまで見てわかる事は、先制点は許してはいけないという事。そして金沢はスロースターターでゲームの入り方があまり良いチームとは言えないという事。それがわかっていれば、あんなゲーム展開になっていただろうか

タギリストの試合前

仕事を17:30に終えるべく全力疾走していたタギリスト。しかし17:00に思わぬトラブルが発生し、一人で仕事を背負う事に。3人でやれば定時に終わる仕事も1人では3倍かかるのは必然である。しかも、仕事場ではまだ入社して2か月経っていないぺーぺー。

とにかくがむしゃらに仕事を終わらせ18:30に退社。スタジアムについて最短距離でチャンカレを買い、席に着いたのが丁度19:00だった。そしてなんとチャンピョンカレーの最後の客だった。ツイている。ルーが余るともったいないからと、ありったけのルーを入れてくれた店員さん。

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誰か「ありったけのカレールー」という歌を作って欲しいものだ。長渕の兄さんの曲調が合いそうだが、もし作ってくれる方がいたらご一報下さい。どこかのチャンカレの店で豪華なトッピングのカレーをご馳走します(笑)

実は早くスタジアムに来て確認したい事があったのだが、それはまた次の機会になってしまった。ちなみに前回のホーム戦の千葉戦も、観戦しに来ていたのだが、確認できなかった。しかも選手紹介の煽りVTRも2回共に見られず。ツイているのかいないのか・・・。

しかし、試合の方は運とは全く関係のない内容だったかも知れない。

スタメン

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金沢はとうとう作ちゃんがスタメン入り。なんと2018年8月18日の対岡山戦以来のスタメン復帰。今年はターンオーバーが必ずあるから出番はあると思っていたのだが、早くも出番がくるとは驚いた。そして下川くんのSB、CHに続く3番目のポジションはSH。つい先日、新潟から渡邊くんのレンタルでの加入が発表。

サイドバックは競争激化で替えが効く事態だが、下川くんの替えは居ないようだ。

大宮は今のところ、ボランチのファーストチョイスは三門・小野コンビか。選手層が厚いので、基本どのポジションでもターンオーバー出来る。CBにややサブ感が否めないところだったが、蓋を開けてみるとさにあらず。しかも他のDFの選手はベンチに入っていないという自信のスタンス。他のベンチメンバーも豪華。誰か一人唾をつけて金沢に置いて行って欲しいくらいだ(笑)

前半

直接FKを決められたのはいつ以来?見逃している試合もあるので、定かではないが、去年は全試合分析したので決められていないはず。

しかし、重要なのはそちらではない。その前のプレー。奥抜くんに突破されそうになり石尾くんがファールしてしまったプレーだ。

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ギャップを作られる相手に慣れるのに時間を要する金沢。3バック相手は今シーズン初だ。さらには初のコンビを組む石尾くんと作ちゃん。しかもスロースターター。相手にハンデを与えてしまったも同然だった。試合前から前半の早い時間で得点を取る事を狙っていたであろう大宮。作戦勝ちである。

しかも上手いこと中間ポジションに位置取る大宮の選手。奥抜くんが倒されてなかったとして、PAに侵入しても作ちゃんが石尾くんのカバーに釣り出されていた為、ハスキッチさんにゴールを決められていただろう。

中2日の影響

金沢はホームではあるが中2日。大宮は中3日で、試合のある程度は引いて守っているという事は、金沢より体力の消耗は少ないと思われる。しかも選手層は大宮のほうがかなり厚いしターンオーバーもしている。試合に入る前から、ホームにも関わらず6:4で金沢には分が悪かったのだ。それに加えてシステム上のミスマッチ。

3対2の数的不利で金沢の第1プレッシャーラインは簡単に越えられてしまう。主に大宮の左サイドからの攻撃が多かったが、大宮のWBは主に金沢のSHがマークについていた。大宮のシャドー2人には金沢のSB。しかし出たり引いたりして、マークを渡す作業を加えさせギャップを作っていく。逆サイドでは大外に拡がり幅を取る。シャドーは中間ポジションを取って、わかりやすいマンマークにはさせない。はっきりと1対1になっていたのは、ハスキッチさんに付いていた石尾くんだけだった。

さらには元々ラインコントロールに重きを置いていない為に、前線との距離が広がってカウンターも出来ない。縦パスも遠すぎて有効打にはならなかった。

陸次樹くん、もっとエゴイストになれ!

この日もルカオさんはルカオさんだった。前後左右にボールを追いかけ溜めを作る。相手の裏を取ろうと走る。比較的近くでプレーすることの多い陸次樹くんは、常にルカオさんを見てから動かなければならない、受け身の状態に見えてならない。

群馬戦で初得点を決めた男は、大宮戦では再び鳴りを潜めてしまった。位置取りや動きが被る。ボールをルカオさんに預けて、自分はルカオさんを追い越そうとはしない。正直、攻撃に関してチームからの注文があるような気がしない。「ルカオを見て動け」と言うだけで具体的な事は言われていない気もする。二人の関係性で崩すという場面を見た記憶が無いのも、根拠のひとつだ。わがままになると、試合に出られない可能性も否定できないが、このままでは、夢の海外移籍なんかできる訳が無い。エゴイストになれ。陸次樹くん。

前半は計画どおり

プラン通りに終わった大宮の前半。引いて守るだけではなく、ボール保持率を高めてリスクをも軽減。後半の交代もある程度ターンオーバー的なものにして低燃費な試合を目論んでいただろう。しかし金沢は今までと少し違う顔を見せる。

後半、窪田=高安?

「後半、(窪田が)高安に代えられたところを見たら、窪田 稜のプレーはまだまだ物足りない。高安に関しても同じ役割で送り出した。」と試合後に語ったヤナ将。本当に同じ役割だったのかは定かではないが、調子の悪そうだった窪田きゅんとは明らかに違う動きをしていた。

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同じくハーフタイムから入った島津くんも、テクニックで相手にボールを狩らせる間合いに入らせなかったり、SHからSBに下がった下川くんが、持ち前の仕掛けやクロスで持ち味を発揮していたが、インパクトは高安くんの方が大きかった。初めてとは思えないポジションでのセンスを感じるポジショニング。長谷川くんや大橋くんからボールを引き出す動きも、スペースを見つけての動きだしも良かった。

サイドの活性化によって、プレッシャーが弱くなり、陸次樹くんのボールを持てる回数も多くなる。前半4本しかシュートを打てなかった金沢が、サイド活性化の効果で後半開始15分で7本のシュートを放った。

期待のパターンが左右

前節の2点目で下川くんが、右足で蹴った外に逃げる回転のクロスをルカオさんが頭で合わせるパターンが、得点の期待できるパターンだとお話ししたが、この試合では左足で蹴る内側に巻いてくる回転のクロスをルカオさんの頭に合わせてみせた下川くん。

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これをルカオさんを囮にして陸次樹くんに合わせるという事が出来たら、オシャレだなぁ、と思ってしまった。そしたらクリャイッチさんも止められなかったかもよ。どうかご検討下さい。

そしていつもの交代へ

この日のいつもの交代には、かなり疑問符を付けざるを得ない。正直、ルカオさんが下がった事で、大宮はホッとしたのではないだろうか。スギウラーズが出る事が悪い訳では無いが、もう少し交代を伸ばしても良かったのではないかと思った。特に最後の15分は、疲れも影響したのか金沢のシュートは2本。先ほどまでの勢いが全く無くなってしまった。特に下川くんの疲労は顕著だった。

試合終了

ゲームプランと準備

確かにクリャイッチさんのスーパーセーブもあった。しかし、身体が重いのか気持ちが追い付かないのか、ゴール前の迫力に欠ける場面もあった。試合前から6:4に持っていかれたのが影響したと僕なりに分析する。高木監督のゲームプランをひっくり返すには至らなかった金沢。最後のゴールキックを蹴るクリャリッチさんに「出せ!終わりだ!」と叫ぶ高木監督の声が西部緑地に切なく響いた。勝てば官軍。しかし次は勝てる。いや勝たなければ。しかし高木監督は2巡目の策をもう考えてあるに違いない。




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