2021 J2リーグ第10節 ツエーゲン金沢 VS 栃木SC これは部活ですか?
試合後監督コメント
金沢・柳下監督
勝点3を取るにはチームとしての狙いを攻守ともにやり続けられるか。栃木はやり続けて勝点1を取ったし、われわれは途中からかっこつけたり、キレイ事というプレーも見られた。そこまで力がないわけだから勝点3を取るためには相手によって戦い方を変えなければいけないし、そういうことを学ばないといけない。機能していなかったところもあるので、次はトレーニングをして、できる選手に代わるかな。
--後半は風下で難しくなったこともあったのでは?
チームとしての狙い、相手の弱いところ、こっちの強いところがあるんだから、そこを何度でも狙っていけばいいだけの話。それがやれていない。逆に風下だったらディフェンスラインの背後に入れるボールは蹴りやすい。相手も処理が難しい。狙いがあったら、こういうボールってなる。いつもやっているわけだから。それはほぼ見られなかった。狙いが分かっていないのか、自分はそうじゃないと思っているのか。それだったら試合には出られない。さっきも言ったように強いわけじゃないんだから。個人個人で判断して勝てるようなチームではない。
栃木・田坂監督
連戦の最後でしたが正直、体が重いなという印象でした。あとは今日は風があったので、特に前半はわれわれとしてはいつもどおりのプレスのスイッチやスライドがうまくいかなかったなと思います。後半は風上になったのでもう少し勢いを出そうと。ハーフタイムに走り切ろうという話をして送り出したのですが、後半はある程度はペースをつかめました。選手たちは今日はよく走り切ってくれたと思います。
後半に入ったメンバーたちもよくパワーアップしてくれたと思います。結果的に(山本)廉がゴールを奪ってくれたし、(菊池)大介にしても(五十嵐)理人にしても最後までよく頑張ってくれました。前回の勝点1は勝点2を取り逃がした内容でしたが、今日は勝点1をよく拾ってくれたと思います。今季初めての連戦で正直誰に疲労があるのか今回分かったところもあるので、次にまた経験として生かしたいと思います。
--これで4試合連続ドローです。この結果についてはどう評価しますか?
もちろん欲を言えば全部勝ちたいですが、結果はコントロールできないので、引き分けでも前節のように勝点2を取りこぼす引き分けもあれば、今日のようになんとか追いついて勝点1を奪ったという試合もあります。一試合一試合、われわれは勝点3を奪うために戦っているので、結果に一喜一憂せずに、修正するところは修正し、良かったところは継続して、また準備していきたいと思います。(Jリーグ公式HPより)
ちなみに金沢はこの3連戦 新潟戦(A)負 秋田戦(H)勝 栃木(H)分
一方、栃木は千葉(A) 新潟(H) 金沢(A)と全て分
栃木は新潟戦で西谷優希くんが負傷し上田康太くんに替わったが、それ以外は金沢と同じくメンバーをほとんど変えずにこの3連戦を戦っている。
試合を見た前提で話します
明らかにエンドの違いによる差はあった。特に後半のほうが風による影響が大きかったとスタンドでは感じていた。金沢は後半にビハインドとなる向かい風の、正面スタンドから見て右エンド。
前半も完全に金沢のペースだとは思えなかった。ボールを支配していたのはどちらかと言えば金沢のほうだったが、金沢の2トップに対して、栃木は2CBとどちらかのSBで数的優位を作って自由にさせていなかったし、開始直後のミドルカーブシュートを喰らってから嶋田くんへの圧もしっかり保つように、松本くんや面矢くんがケアしていた。
カウンターを仕掛ける左サイド、それが無理なら立て直して右サイド、といつものパターンではあったが、今回は大橋くんがあまり最終ラインに加わらず松田くんが数的優位を作っていた。それだけ中盤で人数を掛けてセカンドボールを回収したい意図は感じられた。栃木の森くんに対しての警戒もあっただろう。
だが、両軍とも得点シーン以外にそこまでチャンスと言える場面は多くなく、31分の大谷くんが抜け出して放ったシュートくらいだろうか。
後半になってもセカンドボールをお互いに狙うのは継続されたが、あれだけ散水しておいてグラウンダーを狙わずに向かい風を受けながら、足をとられながらも空中戦をしたのが未だに疑問。
金沢のサッカーはこれまでも狙いをしつこいほど行うものでは無かった。直近で言うと千葉戦ではクロスに弱い千葉に対してもクロスを狙うわけでは無かったし、町田戦でも高さで勝るのに空中戦を仕掛ける意識が薄かった。
だからヤナ将のコメントの後半部分に関しては、サンドウィッチマンのコントのセリフを引用し「ちょっと何いってるかわからない」とでも言っておく。
というか、そこまで選手と監督の理解が不十分なのは日本人監督ではないのではないかと目を疑ってしまう。特に5年も同じチームを率いているとは思えないコメント。
スタンドから見ていても劣勢は把握出来たし、3連戦の疲労も考慮すると勝っていた状況でも交代カードを先に切る判断は出来た。
失点数分前の私のツイートである。ヤナ将のコメントでは誰とは言っていないので真意は分かりかねるが、芝が滑るせいもあり金沢全体のトランジションが鈍く感じた。
更には栃木はラインを上げ、金沢の2トップに対してCB・SB4枚で囲んで自由を奪っていた。時にはボランチの上田くんが入り5枚になる事も。そのくらい栃木のラインは高く、しかも向かい風でもゴールキックは高く上がり押し戻されてはセンターサークル付近で急降下してくるのだ。栃木が5-3-2のように見え、セカンドボールを次々と回収するのは60分あたりからだろうか。
試合当初からテンションの高かった両軍の選手。先に交代カードを切った栃木は、金沢のサッカーを観ている人ならわかる通り、例に漏れず運動量が多いSHやFWから替えていく。フレッシュで強度の高い栃木は、ドンドン金沢陣内にボールを押し込んでいく。
栃木は9節まで、9得点を挙げているが5点がセットプレーからの得点である。金沢陣内でプレーしてコーナーキックやロングスローに持ち込みたいのは誰が見ても明らかであった。
狙い通りに試合を運ばれて、それに対応できずに失点する。それでも負けなかったのだ。迷いの中でもよくやった方ではないかと思った。
田坂さんとの違い
試合後のコメントは、部活の監督のコメントならそれで良いかもしれないが、あまりにも選手に対してのリスペクトに欠ける。
個人個人で判断して勝てるチームではない
何度も言うが5年目である。チームの意図が浸透していないのは監督を含むコーチ陣の責任であり、その選手を使っているのは誰あろう監督だ。あまりにも醜いコメントだったので田坂監督との比較をさせてもらった。田坂さんは疲れも考慮して試合に対応している。もちろん選手にも敬意払っているし、コメントがどれだけ影響力を持っているのか理解している。
我々は保護者ではない
このレビューのタイトルは部活の方に失礼に当たるかも知れないので先に謝っておくが、そのくらいチープなヤナ将のコメントだと思った。
柳下監督がいうから間違いない。という人もいるだろう。ただ、いままで金沢と戦って負けた監督のコメントを見ても、選手のせいにしている人はあまりいないと思う。それを考慮してもまだヤナ将神格化の派閥の多い事を否定するつもりは無い。
5年という年月がクラブを部活化させてしまったのか。それでも良しとする我々が悪いのか。我々は部活を見守る保護者なのか?「詳しい事は分からないから何も言えない」というなら、正に保護者と一緒だ。保護者のほうがまだマシだ。息子に当たるであろう選手達が悪く言われても何も思わないのならね。
とにかく、それがただ同点になっていくのを見ているしかなかった私の今回の感想だ。
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