見出し画像

2021 J2リーグ第26節 ツエーゲン金沢 VS ジュビロ磐田 らしさは次節以降に

磐田戦プレビュー↓↓↓

https://youtu.be/m6zFvqzq0rY

首位 VS チャレンジャーというゲームプラン

前半の入りはとにかくガッカリした。前日のYOUTUBEプレビューでの予想は対等なモノ同士が闘う場合を想定したものだったし、少なくとも磐田の前節の相手・東京V、前々節の相手・甲府は対等だった。しかし、金沢は挑戦者として耐える、という道を最初から選び僕のプレビューはまたも外れた。だからプレビューは難しい。

(しかし、試合に対する判断基準は見えると思いますんでお時間のある方はご覧ください。)

あいまいなマーク

耐えるという選択をする事自体はダメな事ではない。ただ、結果的にFWがファーストディフェンダーとなるはずの第一プレッシャーラインを簡単に越えられ、磐田の中盤にフリーな時間を多く与えてしまう。

画像1

ボールが中央付近にあるフラットな状態でも大谷くんはサイドには移動せず、ほぼ中心に位置していた。そして金沢両SBが磐田両IHを見るといういつもの3-4-2-1対応の時とは異なり中盤の枚数を増やし、あるいはFWがプレスバックして磐田の中盤に対応する形をとっていた。これには磐田にボールを与える事を大前提として、それでも中央を固めて守る。そしてカウンターを仕掛けるという意味があった。

稲葉くんが187㎝に対してルキアンさんが181㎝。外からクロスを放り込まれても中の枚数が多い事もありそうそう点は入れられない、そういう時の集中力はあるチームだ。SBは基本的にマークを与えてられていない為、CBーSB間の門番となり侵入を防ぐ。ただ、サイド深くに入られてグラウンダー気味のクロスを入れられる場面が多くなったり、相手の中盤へのマークがあいまいになり余裕を与えてしまう事が序盤から目立つように。

チーム原則を疑う山本康のフリー

そのあいまいさの象徴的シーンが25分27秒。その9秒前にセンターサークル付近でボールを受けた山本康くんが金沢左サイドにボールを出し前線に上がるのをついていく丹羽くん。山本康くんがPA脇に入っていく瞬間に前にいた藤村くんがチラッと山本康くんを確認する。そのしぐさで受け渡しが出来たと思ったのか、自分がファイナルサード深くまで行く事が適切ではないと判断したかは定かではないが、ついていくのを止めてしまいPA脇でフリーでボールを持たせてしまった。

山口戦が中止になり磐田戦までの準備期間で練習してきたであろう中盤のマーク。しかし、いつもの3-4-2-1と異なる対応は普通では考えられない場面を作り出していた。山本康くんがボールコントロールに手間取ったために事なきを得たが。

今、カウンターを仕掛けるという事は・・・

金沢は前半に関して攻撃をほとんどさせてもらえなかったと言えるに等しい。カウンターが鳴りを潜めて早2年。中断期間に原点回帰という記事を目にしたが、すぐに武器として使えるほど相手も甘くはない。特に今年はロングカウンタ―時にシュートにまで至る確率は11.3%(22チーム中18位、Football LABより)しかも、ボールを奪った位置はゴールからかなり遠い。

これは、金沢がそういう戦法を選択したのだから仕方無かった。自ら確率の低い選択肢を選んだ。しかし同じ戦法を取っていたとしても確率を上げる事は出来た。

試合時間7分28秒の大石くんが磐田の山本康くんを躱しての攻撃。9分22秒の小川大くんに入るパスを大橋くんがカットしてからのカウンター。26分53秒の恭平くんとのワンツーで右サイドに大谷くんが抜け出したシーンなど、どれも攻撃の形までは作り出すのだがフィニッシュにたどり着けずに相手にボールを渡してしまう。

変わらぬ攻撃

これは僕がYOUTUBEでプレビューした時に課題として挙げていた「攻撃に人数を掛けられるか」という事が全く進んでいない事を意味していた。

7分28秒と9分22秒の攻撃では大橋くんが攻撃の可能性を広げる事をしない代わりに、ボールを奪われた際にすぐに獲りに行けるように位置していたし、26分53秒の攻撃に関してはあんなにキレイに大谷くんが抜け出したのに6秒後にはカバーも出来ずに囲まれて奪われてしまうというお粗末さ。

画像2

ただ、以前から何度も言っているようにこれはベンチスタッフの方針。得点のチャンスであっても大橋くんをファーストディフェンダーにしているし、大谷くんを見殺しにするような攻撃になるようになっている。それをやり続けていればいつかチャンスはやってくる、という事。そこからは選手のクオリティ頼みなのだ。

大谷くんは相手を何とか剥がしてさらに相手ディフェンダーの後ろにいる味方にパスを通さなければいけないというタスクを背負っている。もちろん皮肉たっぷりだが、このシーンをみれば、いや今年の攻撃を見ればそう言わざるを得ない。

ありがとう

とにかく、前半は耐えるというプラン通りに終わった。選手やサポーターを鼓舞する花火も上がった。花火に関わった方々、本当にありがとう。真夏に金沢で花火を見られるのは久々だ。サッカーを見ない人達にも届いた事だろう。北陸火工さんにも少しでも仕事をしてもらえた事が何よりだ。

配置変更で反撃へ

後半から金沢はいつものような3-4-2-1対応の配置へと移行。ただ磐田IHに金沢SBがマークにつくという形ではなく金沢SBはハーフスペースに相手を侵入させないようにするという役割。

画像3

役割がハッキリした事でチャンスが作れるようになっていた。

54分30秒に大石くんがボールを見ていた小川大くんから離れて幅を取ってパスを引き出し、ワンタッチでゴール前にグラウンダークロス(相手ディフェンスに跳ね返される)。

このシーンが先に挙げた場面と決定的に違うところは、フィニッシュの一つ前までたどり着けたというところ。先に挙げた場面はフィニッシュまで最低でも2つのプレーが必要だった。

交代は成功

ようやくチャンスを作り出せてきた金沢は珍しく早めの交代カードを切る。

大谷→高安 大石→ホドルフォの2枚替え(後半12分)

その1分後、磐田も 山田→大森 大津→金子翔

どちらもフォメ変などはなく交代した選手のポジションに入った。

特に高安くんが入った直後から持ち味を発揮。付いてくる松本昌也くんを躱しながらパスを受けドリブルでペナ角へ移動し、恭平くんに鋭角にパスを出す。恭平くんがスライディングシュート。角度が無かったのでGK三浦くんに防がれたが、ようやくフィニッシュにまでたどり着いた良いプレー。

しかしこの後も磐田の攻撃のターンが続き、金沢は後藤くんの先を読むプレーやファインセーブ、ルキアンさん以外はゴール前に入らせない必死の守備で飲水タイムまで耐えしのぶ。

そして恭平→瀬沼 丹羽→金子昌 という交代。金子くんがFWで投入されるのは初めてではないだろうか。そして代わった瀬沼くんがいきなり驚きのゴラッソ。

大井くんを背負いながらヒールでボールを反対方向へ浮かせてボレーをサイドネットに叩き込む。歓喜というより驚きにも似た歓声。静かにしろというのが無理というもの。FWが得点したのは6/13の愛媛戦以来という待ちに待ったゴール。

しかし、ここからだった。耐えて先制点を獲ったという事で気が緩んだわけでも無いだろうが、4分後に失点。

遠藤くんに気がついて動いたのが少し遅れた。大森→ルキアンの動きを追ってしまった為に、クロスを警戒していたはずの守備が簡単に破られた。首位の磐田だけに関わらず、前後半の開始・終了間際と得点後は特に気をつけなくてはいけない時間帯。試合は振り出しに。

交代は成功、しかしそれは計画を実行したという事

しかも、試合開始から稲葉くんが必死にルキアンさんについていたとはいえ、フィジカルで押さえつけられているシーンも何度かあったし、このゴールシーンの直後にも身体を当てているにも関わらず少しのズレを作られクロスを出されていた。稲葉くんが悪いとは思わないが、FWとSHを交代するという計画を実行する事に終始した結果、庄司くんは試合に慣れさせるためにあとで投入するという計画をしていた結果の失点に思えてならない。むしろプロ4試合目の稲葉くんがここまでよく頑張ってくれた。

逆転負け、意識を変えなきゃ繰り返し

気をつけなくてはいけない時間帯という事で言えばPKを与えたシーンも同様だろう。微妙な位置だったかも知れないが、あの位置であれだけ激しく倒してしまえば誤審とは言えない。審判のせいにするのは何度目か。止めないと同じことの繰り返しだろう。

スタッツ

ハイライト

感想

リーグ前半戦からの振り返りがされていないのかとも感じるが、今回は磐田がボールを持つ事を前提とした試合となってしまった為、実際に判断するのは次節以降にしておきたい。ただし、セヌのゴラッソ以降のカウンターが刺さらなかったことも付け加えておく。長崎戦はすぐにやってくる。順位は変わらなかったが、下との差は確実に狭まった。

ツエーゲン金沢応援集団「RED TAG」運営費用としてありがたく使わせていただきます