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2023 J2 第2節 大宮アルディージャ VS ツエーゲン金沢 レビュー 4つの問題点

スタメン

金沢は前節から2枚替え。奥田くんがベンチスタートで嶋田くんがスタメン。毛利くんはベンチ外で長峰くんがスタメンとなった。

ベンチからは豊田・黒木が消え梶浦・孫が入った。

手薄な守備陣に孫くんが戻ってきたのは大きい。井上くんの成長も促したいが、孫くんとて昨季16試合しか出ていない。

金沢に来て4勝しか味わっていないのだ。孫くんにはもっと攻守共に貢献し自信をつけてもらいたい。

大宮は新里、大澤、富山が外れ、浦上、高柳、アンジェロッティがスタメン。

前節、山口相手に敗れはしたが陣形をコンパクトにして空いたサイドのスペースに抜け出しクロスを上げチャンスを作っていた。特に柴山くんのコンディションは良さそうだったので警戒していたはず。ただ柴山くん同様、この試合では高柳くんもかなりのインパクトを残した。

問題点が4つ

たぶん、またしばらくレビューを書く時間が取れなくなると思うのでここで現在の問題点を4つ挙げておく。次回レビューを書く際に同じ問題があるとしたら「最高」には到底たどり着けないだろう。ただ、今に始まったものでは無いだけに改善される事は難しい。神頼みに近い願いを込めて指摘する。

1.攻守の切り替え

昨今はボールを奪って攻める、ボールを奪われて守る際のトランジションと呼ばれる転換を早く行う事に重きを置かれているが、その事を言っているのではない。トランジションはどのチームでも重要視されていて、金沢においても例外無く意識されている。

僕が問題視しているのは、相手の攻撃が終わってGK(白井くん)がボールを前線にフィードする、もしくはCBやボランチにパスしてからボールを前線にフィードする際の話である。

相手の攻撃が終わり自分達の攻撃が始まる。林くんやジェフェルソンさんが相手CBのマークを外す動きをする。その動きに合わせてボールを蹴る。競り合いには勝ててもセカンドボールを拾えずにボールを失う。

前節、東京V戦では苦し紛れに前にはじき返しボールを失っていたが、今節はセカンドボールを拾えずに攻撃が終了するシーンも良く見られた。

セカンドボールを拾えないという事は後ろの選手がFWの近くに行けていない、FWの動き出しに連動出来ていないという事。ただ早くボールを前に出すだけでは繋がらない。

大宮と金沢の攻撃を見れば分かり易い。ミドルサードでボールを奪った際には両軍ともトランジションを意識してゴール前に行けているが、ディフェンシブサードからのボールが出る際は金沢のFWは孤立している事が多い。

以前、柳下監督は金沢のカウンターを「激しく奪い素早く仕留める」と表現していたが、手数を掛けない攻撃を意識するあまりFWに攻撃を「おまかせ」するような形になってしまう事が多いし、それが改善される兆しは見えない。

大宮の攻撃はディフェンシブサード・ミドルサード関係なく2列目やSBの選手が飛び出してきていた。その差が大宮21本に対して金沢6本というシュート数の差に直結している。

カウンターの次の手が無い

さらに大宮はカウンターが決まらない時にはPA脇にFW・SH・SBが侵入。もう一人のFWはゴール前に位置しマンマークで対応する金沢CBを分断。ハーフスペースを攻略しやすいように仕向ける。

このようなプランAがダメならプランBといったような攻撃を金沢は用意できていない。だからカウンターがダメならボールを奪われるかボールを
後ろに戻す。戻したところでビルドアップのカタチを持っていないからシュートまでたどり着かない。

2.コーナーキックのバリエーション

下の図は72分の金沢のコーナーキックのシーンである。

この時はジェフェルソンさんがヘディングで右に開いた櫻井くんにボールを落とし、ゴール前にクロスを上げるも庄司・井上には合わず。

前半開始5分のCKでは同じ動きで林くんに合わせヘディングシュートに。

そして次は80分のコーナーキック

奥田くんがニアに、井上くんがファーに走るがこれも合わず大澤くんに弾き返される。その後、梶浦→潤也→藤村とボールが渡りファーを狙ってクロスを入れるが笠原くんがキャッチ。

金沢のコーナーキックで一番問題なのは相手GKが出られるか出られないかの微妙な場所を狙ってボールを出しているという事。一見、問題無さそうに思えるのだが、出しているボールのスピードや軌道があまり変わらないし、ゴールエリアの枠辺りを狙っているので対処しやすい。

どちらのコーナーキックも大宮の選手がゴールエリアを囲うように配置されている事から、金沢のコーナーキックを研究している事がわかる。

明らかにニアやファーを狙う事もあるが、金沢のコーナーキックの7~8割はこの形である。

しかも今回は大宮の11人が全員ペナルティエリア内に入って守っているにも関わらず、金沢は2人後方に待機させている。

もう一人ボックス内に入るなり、キッカーに近づいてショートコーナーを匂わせたりという駆け引きをしようとしない。

金沢は2020年にはコーナーキックを含むセットプレーからの得点が14あったが、昨シーズン(2022年)には7と半減している。

もう少しパターン・バリエーションを増やし相手と駆け引きをしても良いのではないだろうか。

残り2つの問題点


3.ビルドアップ
4.ジェフェルソンさんの使い方

については YOUTUBEで話そうと思っているので下のリンクから聞いてやって下さい。

結果 大宮2-0金沢 

スタッツ

ハイライト

感想

大宮の「相馬サッカー」は進化をしている印象。ただオーバーロードとアイソレーションをしているだけでは無く、上下動を激しく行い選手個々のインテンシティも高い。

小島・栗本の安定した中盤に加え、柴山・高柳・大澤・アンジェロッティなど前線に頼もしいピースが揃いつつある。敵ながら見ていて面白い。

一方、我が軍は深刻だ。
ヴェルディ戦はシュート5本(枠内1本)
大宮戦ではシュート6本(枠内1本)
決してクオリティの高くない金沢がこのシュート本数では勝てる訳が無い。

2節終了時点で無得点のチームは4チームいるが、その中でも金沢が一番シュート数が少ない。

また、大宮戦では前半・後半終了間際に得点されている。ヴェルディ戦でも後半終了間際に決定的場面を与えてしまっていた。際どい試合をモノにする為には、開始・終了間際の集中力は絶対切れてはいけないのでその点も気になる。

ホーム開幕戦に弾みをつけたかったところだが、勝ち点無しで迎える事になってしまった。

「最高」の到達点は「昇格」→「プレーオフ」→「一桁順位」→「みんなで頑張った最高のシーズン」などとベクトルを変えてしまうのだろうか。

まだ2節が終わっただけ。しかし、プレーオフにいくにはあと8敗ほどしか出来ない。早くも崖っぷち。


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