記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

想いは伝えないと届かない(恋×シンアイ彼女 感想) 

恋×シンアイ彼女はUs:trackから発売された美少女ゲームである。

今回プレイした理由としてはセールで安かったこと、新島氏がシナリオを担当しているという点で前から気になっていたことが大きい。
さらにこの作品は人を選ぶと言われており、怖いものみたさもあった。

さっそく感想を書いていく。

ここからはネタバレ全開です。



最初に

プレイした率直な感想としてはやってよかった。
前半少し退屈な部分もあったが、CGも綺麗で音楽もよく作品全体として満足度が高い。シナリオの好みがわかれるため、人に進められるかはともかく良い作品だった。

この作品がいろいろ言われているのは星奏(せな)というヒロインがあまりに異色だからであろう。

それに触れつつ、2点について書いていく。
ゆい、凛香先輩ルートについては今回は触れません。ごめんなさい。


彩音ルートと星奏ルート

このゲームの物語は5年前、突然引っ越してしまった星奏が洸太郎のもとに戻ってきたところから始まる。

5年前、洸太郎が星奏にラブレターを渡すが返事をもらえていない。
2年前、彩音が洸太郎にラブレターを渡すが返事をもらえていない。
共通ルートではこのことが発覚し、三角関係が始まるといった流れで個別ルートに分岐する。

彩音ルートの感想から
第一印象は典型的なツンデレキャラかなと思ったが、予想以上に重いキャラだった。それが良いのだが。
彩音は初恋を拗らせた女の子。
シナリオは甘酸っぱい青春イチャラブな感じでプレイして幸せな気持ちになった。特に告白シーンはCGと相まってすごく良い。

このシーンが一番好き

2年前のラブレターの返事がもらえずに一度フラれたと思いながらも専門から転科してまで主人公を追いかけてきた一途なヒロインっぷりに脱帽した。みんなから愛されるキャラであろう。
彩音の魅力が伝わる良いシナリオだった。

次に星奏ルートの感想
こちらの第一印象は不思議系のほわほわした感じのキャラ。
ふわふわしていて星奏の心情が読みづらいなと思った。
個人的に良いなと思ったのは洸太郎の想いに対して手紙で返事をするところ。5年越しの手紙の返事はエモい。あと初HシーンのCGがめっちゃ好き。

ここまでは普通のエロゲシナリオっぽいのだが学園祭から流れが変わる。

ほんとに雑な概要


洸太郎は星奏が作曲で活躍していることを知る。洸太郎のもとへ帰ってきたのはスランプだったから。洸太郎と過ごしているうちに作曲のヒントを得たため洸太郎のもとから去ってしまう。
実は5年前にいなくなったのも作曲活動に集中的に取り組むためで洸太郎のもとからいなくなるのは2度目である。洸太郎が2冊目の小説を書き、個別ルートが終わり終章へ。

終章
星奏ルートから6年後、星奏と再開する。
最初は作曲活動のために利用されていたと思った洸太郎が星奏に対してキツく当たるが、想いをぶつけ合って復縁する。新婚生活のような生活を数日過ごし、洸太郎はついに星奏へプロポーズをする。
がしかし翌日に星奏は手紙を残して失踪する。

その後、洸太郎は星奏のことを知るためにルポライターになり、星奏の元バンド仲間から取材を行い、星奏の過去を知る。
最後に洸太郎が3作目の小説を書き、星奏への手紙をつづって物語は終わる。


最後のシーンはプレイヤーの解釈に委ねる部分が大きい。
考察とか深く考えることは苦手なので読んだ直感としては3冊目の小説を書き上げ、洸太郎は燃え尽きてしまっていると考える。この時点で星奏も生きてはいないのじゃないかな。
死後の世界で再開という風にとらえた。(感性が歪みすぎかも・・・)

最後のシーン

彩音が星奏のアンチテーゼとしてよく描かれていると感じた。
好きな人より音楽をとった星奏と服飾より好きな人をとった彩音。
さらにどちらも残っていない星奏に対して彩音は両方順風満帆であるといったシナリオだ。彩音が星奏が作曲した「GLORIOUS DAYS」を歌うことを含めて皮肉なものである。


異色のヒロイン虹野星奏

前項でシナリオの概要を書いたように星奏は洸太郎の前から3度姿を消している。なおかつ3度目の失踪時の手紙では「二度と会わない」と書いている。いってしまうと洸太郎を3回裏切っているのだ。こう見るとエロゲのヒロインでは類を見ないようなヒロインであるといえる。

そう思わせるのもこの作品は星奏の心情がほとんど描かれていないからだと思う。星奏の過去を知るにしても人づてとなっているので星奏の想いというのが見えない。全部読み終わってこのロジックはすごいなと感心した。

星奏というヒロインはあまりに自分に対して不器用であり、純粋にクリエイターとして真剣だった。それが洸太郎を裏切るような形になってしまったのは否めない。だけどそれが必要だった。彼女が洸太郎を愛していたことに間違いはないだろう。
洸太郎も星奏に振られ、裏切られ続けても星奏を追うことをやめなかった。それは星奏に恋してしまったから。全力であがくことが自分への慰めになる。お互いに報われずにすれ違い続けているがこれも純愛だと感じた。


とはいっても考え方によるものはある。
星奏が嫌いという人の気持ちもわからないことはない。
現実逃避してエロゲやってるのにヒロインに裏切られるのも嫌だもの。


最後に

このゲームから得た教訓は「想いは伝えなければ届かない」
これは現実でも同じこと。
後悔がないよう一期一会、伝えられるときに伝えられますように。
星奏の気持ちも汲み取れるようになったらいい男になれるのかなぁ・・・

筆者は彩音のめんどくさくて重いところが大好きです。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?