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先日、両親(78歳・73歳)を連れて沖縄・石垣島旅行に行ってきたんです。親父は病気持ちで、年始に「迷惑がかかるからという理由でツアー申し込めないんだよ」と聞いて……じゃー連れてってやる!と、あんまりできてない親孝行も兼ねまして。そんな状態なので、アクティビティという面では特に何もできない。一方で観光に対する意欲はそれなりにあったりします。

最近、フィジカルの老化・メンタルの老化、という話を聞きました。

フィジカルに関しては、目が見えづらくなる、耳が聞こえづらくなる、素早く動けない、筋力が落ちる、疲れやすいなんかがあって、なんとなく想像つくレベル。一方でメンタルに関してはなかなか想像することが難しい。涙腺がゆるくて......みたいな話ならいいけど、実はもっと深刻だなと思ってます。説明を読む気がしない、次のワクワクがあまりない、よく分からないからリアクティブになる、新しい選択肢を持てない、新しいことを始められない、みたいなこと。

僕らは、なんとなく高齢者というカテゴライズをしてしまって、フィジカルなことを気にしがちです。バリアフリーとかもいいんだけど、すごく物質的な側面です。当然フィジカルとメンタルは密接に関係してるから別にNOとかでは全然ないんだけど、たとえば、「見づらいだろうから大きい文字にしてしっかり説明しよう」みたいな話は、結構ヤバい方向。ウチの両親もあんま目が見えないのと同時に説明を読む気がないことも起こってる。「でかく書いてあるんだから読んでくれ」ってのは通用しない。メンタル対応もしてくれと。

あと、めちゃくちゃ忘れるよね。薬飲んだことも忘れるし、メガネの場所も忘れて両親共に目が見えてないから漫画みたいな感じでお騒がせする。これも、パスワード覚えとけ、とか、アカウントでログイン、みたいなのもなんか厳しい。「これから何か覚えないといけないことが起こりますよ〜」ってさ、高齢者だってプライドあるんだから、苦手になってることも言いたかないし、失敗も嫌だから、その度にちょっとハートが傷つくことだってある。

ちょっと前に話題になってた、ルフィで有名な「特殊詐欺」とかも主にご老人がターゲットになってます。こんな単純なのになんで騙されんだよ、って思うかもしれないけど、今っぽい話で複雑にすることで、騙される側(ご老人)のメンタルの停止を狙ってるんだろうな。

テクノロジーの進化が衰えることはない前提で言うと、フィジカル・メンタルの老化は、今生きている人類全員にいずれ起こることです。技術進化は現代人の主戦場の一つであると思いますが、社会に実装するという意味では、多くの視点を持つことが大事だと思います。年齢・国籍・性別・育った環境とかも含めて。

フォーデジットはデザイン&テックにて人の生活や未来をより良くしていくことを目指しているので、人の心の中で何が起きているのかをできる限り本当の肌感覚で感じられるといいですよね。そして、それが全てできる人なんていないのだから、色々な立場の人たちに純粋に共感できるようでありたいなと思います。


本コラムは、アジアを中心に展開するデザイン&テックカンパニー「フォーデジット」の社内報にて連載中のものを抜粋して掲載しています。

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