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いろいろ考えると

AIがすごいとばかり言ってます。もう人間というものを考えざるを得ない。学習スピードが人間よりも速いのがもう明確。これで何が起こるかという話になるんですけど、少なくともコンテンツの排出スピードは上がりそうなので、今日はコンテンツの話。

テレビばっかり見てるとアホになるよ!というのが、YouTubeばっかり見てるとアホになるよ!に変わって久しいですが、最近はショートばっかり見てアホになりそうですよね。TikTok的アルゴリズムがFacebookやTwitter、Instagramに取り入れられたのは知っていますか?昔はフォローした人の情報しか出なかったのが、だんだんオススメコンテンツも出るようになったよね。つまり、アルゴリズムが弾き出した「お前これ見とけ」ということです。コンテンツの受動閲覧みたいな感じだよ。

受動閲覧がそれなりにいい感じになると、自発的な行動はいつの間にか減少して、脳みそいらない感じになっちゃう。餌を自動的に与えられる家畜みたいな気分になる。ふと、俺は何のためにスマホを見ているのか?と我に返る。

ケンブリッジ・アナリティカがやった行動科学+データ分析+アドテクノロジーの集合からくる「不可視のプロパガンダ」すらあり得る前提と、タッチポイントのあらゆる部分に商業的側面が入り込んでいる現代にて、テレビやインターネットやメディアなどに受動性を醸成する仕掛けは必ず存在すると思っといた方がいい。いつの間にか思考停止を促すドラッグをまぶされ、キメラ=アントの城に並ぶシャウアプフの鱗粉を吸い込んだ人類の列のようになってしまうのです。

そして、不幸にも「自分が何を望んでいないかを知っているが、自分が何を望んでいるかは知らなかった」というセリフに代弁される、幸福の見つけ方ではなく不満を見つけるメンタリティが、常識かのように思考停止の脳内にて醸成される。オンラインの代替空間を司るアルゴリズム連中は聖なる受動性の醸成と保護を目的に、脳内物質のペインを速やかに解消する。

私たちは、身体性を伴うリアリティに、より強い憧憬や希少性を感じるようになるのでは、と思う。身体の感覚を保つ経験が必要だ。激しい運動の後に、呼吸と鼓動や血流のみを感じ何も考えられない脳内の真っ白さ。五感の最大活用による全方位からの非言語も含めた情報のインプット。リアル。それは、自分自身の物理的アイデンティティの再発見であり、身体内部にあるコンテンツを発見することによる自覚的な内省作業の復権になる。そして、自分自身の内側から、これが欲しい、楽しい、好きだ、という自己の感情を自らの手応えとして、あるいは自分自身の存在理由として、またあるいは、本当の心の充足として、言語化できない実在を体内に獲得することになる。

リアルな体験。そう、今年も沖縄へ社員旅行に行こう!
※(社内向けに社員旅行をやるよというタイミングで書いたものです、もう行ってきました!)


本コラムは、アジアを中心に展開するデザイン&テックカンパニー「フォーデジット」の社内報にて連載中のものを抜粋して掲載しています。

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