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プロの仕事の定義が15年で激変。今さらながら、昔のドラマ「ハケンの品格」を観て驚く

私は先日、ある短編映画を観ました。それは消防コールセンターで働く女性が、淡々と仕事をこなしていく様を描いた作品でした。電話を通じて人の命を救う彼女の仕事は、もちろん非常に重要であり、しかし彼女が素晴らしい成果を挙げても、特別な報酬や感謝を受けるわけではありません。これがプロの仕事、と映画は暗示しています。果たして真の「プロの仕事」の定義とはなんなのでしょうか。

▶︎オペレーター(SAMANSA)

一方、2007年くらいに人気だったドラマ「ハケンの品格」がたまたまTikTokで流れてきたため、第一話を見ただけですが、少々驚きました。15年ほど前、派遣切りが一般的だった時代に、時給制を活用し、余計なコミュニケーションを避けるという新しい価値観を提示したこの作品は、当時、斬新で衝撃的だったのです。残業もせず飲み会にも参加しないが仕事ができる、主役の彼女はマイノリティでした。

それらを見比べると、「プロの仕事」の定義は時代と共に変わってきたことが伺えます。過去のプロフェッショナルは自身の仕事に対する完璧な対応と“献身”を求められていました。しかし現代では、働く時間を有効に使い、不必要なコミュニケーションを削減することがプロとされています。

この差は何か、と考えると、合理性の観点が大きく関係していると思います。昔は感情や習慣が業務に影響を与えていましたが、現代ではそれらが邪魔になり得ると考えられています。つまり、プロの仕事とは、合理的に最適な結果を生み出す活動とも言えます。

消防のコールセンターの女性は、自らの役割を理解し、それを最善に遂行していました。それは救命の緊急性という状況下でのプロフェッショナリズムの表れであり、彼女自身の「報酬」や「感謝」は二の次だったのです。その一方で、「ハケンの品格」は労働環境の変化とともに、働く者の価値観も変わるべきだと提示しています。

さらに言えば、AIの発展により、「人間らしい」仕事の定義も変わりつつあります。AIは無感情で、効率的な作業を追求します。これからは、人間の仕事とは何か、プロとは何かという問いが、さらに深まることでしょう。

結局のところ、プロの仕事とは何かという問いには、絶対的な答えは存在しないのかもしれません。それは時代や社会の状況、技術の進歩によって変わるものだからです。しかし、その一方でプロの仕事には一定の原則が存在します。それは「最善を尽くし、目の前の課題を解決する」ことだと思います。
それが本来の”献身であるのかもしれません。

Taeko Mitamura

アパレル、小売、ECのプランナーとして活動中。名古屋出身。東京理科大学在学中に始めた仕事がきっかけでEC業界へ。2005年にMakeShopのスタートアップメンバーとして参画、マーケティング・営業・広報責任者を経て、2014年7月に独立、アパレル企画&制作会社「UNCLACK株式会社」を設立。 海外工場からODMで3万商品を揃え、在庫システムを開発。ファッションEC「COORDINATESHOP」スタート。2016年青山にアパレルショールームオープン。スタートから3年で売上額1億円を突破。2021年ネットショップアカデミーを開講し、Shopify構築などのクライアントワークを実施。2023年3月より無人古着「SELFURUGI」にジョイン。

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Email : info@taekomitamura.com

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