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「◯◯、会社辞めるってよ」に慌てないためには? 採用戦略としての複線化

採用という経営課題は、一見シンプルながらも実は非常に複雑です。一人の人材が去ることによる影響は深刻で、業績に直結します。新たな人材を確保することは確かに重要ですが、それ以上に重要なのは、すでに組織にいる人材の活用方法を見直すことかもしれません。そして、その一つの戦略が複線化です。

複線化とは

複数の従業員が同じ業務を行うことができる状態を指します。つまり、1つのタスクに対して複数の人材が責任を持つことで、業務が属人化するのを防ぎます。これにより、各従業員が特定の業務を独占することなく、他の人がその業務を引き継げる環境が生まれます。この属人化を避けることが、なぜ重要なのでしょうか。

属人化がなぜダメなのか

業務の透明性を低下させます。特定の業務が一人の従業員に集中していると、その人が退職したり長期休暇を取ったりすると、その業務が停滞してしまう可能性があります。これは、業務の継続性という観点から見ても、企業にとって大きなリスクとなります。しかし、複線化により、このリスクは大幅に軽減されます。

複線化のメリット

企業の柔軟性を向上
市場環境は日々変化し、企業もそれに対応しなければなりません。複線化された環境では、新たなスキルを必要とする業務に対応するための人材がすでに存在します。これは、市場の変化に対する迅速な対応と、企業の競争力の向上を可能にします。

従業員の学習機会を提供
異なる背景やスキルを持つ従業員が同じ業務を担当することで、それぞれが新たなスキルを習得し、自己の能力を向上させることが可能となります。この環境は、従業員の成長や満足度を向上させ、より高いパフォーマンスを促す可能性があります。

イノベーションを促進する
一人の人が特定の業務を独占すると、新しい視点やアイデアの出現が制限される可能性があります。しかし、異なる視点を持つ人々が同じ業務に取り組むことで、新しい解決策や改善策が生まれる機会が増えます。

複線化のデメリット

複線化のメリットばかりではありません。この戦略にはそれなりのトレーニング時間やリソースが必要となり、それがコストとなります。また、業務が重複することで効率が損なわれる可能性もあります。したがって、そのコストと利益を適切に評価し、どの程度の複線化が適切かを見極めることが重要となります。

まとめ

結論として、複線化は退職者が出た際のリスクを軽減し、業務の属人化を防ぐための一つの有効な戦略と言えます。しかし、その導入にあたっては企業の具体的な状況やリソースを考慮に入れ、適切なバランスを見つけることが必要です。採用は企業の成長と繁栄に直結する重要なプロセスです。そのため、各組織は新しい人材を探すだけでなく、すでにいる人材をいかに効果的に活用するかを考えるべきです。そして、その一つの答えが複線化という戦略にあるかもしれません。

Taeko Mitamura

アパレル、小売、ECのプランナーとして活動中。名古屋出身。東京理科大学在学中に始めた仕事がきっかけでEC業界へ。2005年にMakeShopのスタートアップメンバーとして参画、マーケティング・営業・広報責任者を経て、2014年7月に独立、アパレル企画&制作会社「UNCLACK株式会社」を設立。 海外工場からODMで3万商品を揃え、在庫システムを開発。ファッションEC「COORDINATESHOP」スタート。2016年青山にアパレルショールームオープン。スタートから3年で売上額1億円を突破。2021年ネットショップアカデミーを開講し、Shopify構築などのクライアントワークを実施。2023年3月より無人古着「SELFURUGI」にジョイン。

<ご連絡先はこちら>
https://linktr.ee/taelab
Email : info@taekomitamura.com


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